人工関節学会があって、その準備でバタバタして全然ブログ更新できてませんでした。

 

久しぶりの患者さんの小ネタを。

 

うちの病院は8階建てで、8階は霊安室なのです。

なので一番見晴らしのいい7階の東病棟が個室病棟になっています。

いわゆるVIPな患者さんが入る病棟です。

一番高い部屋でなんと3万5千円くらい・・・。

ちょっとしたホテルのジュニアスイート並に高い!

一番安い部屋で1万5千円です。

職員は個室代半額なので、僕も入院したときは7階東病棟(の一番安い部屋)でお世話になったりしてます。

 

整形外科の病棟は4階にあります。

ここは東病棟も西病棟も全部整形病棟です。

個室も4つくらいあります。

整形の手術を受けるほとんどの患者さんはこの病棟に入院されます。

僕らも回診するのにほぼ4階でカバーできます。

(あとは地域包括ケア病棟というのが6階東病棟にありますが。)

 

高齢の女性の患者さんが、大腿骨の再骨折で入院されました。

以前も7階東の個室に入られており、今回もやはり7階東病棟に入られました。

今回の主治医は若手の森田先生でした。

彼は身長が180センチ以上あって、しかも体重が100キロ近くあり筋トレが趣味でガタイが非常に良いのですが、非常に温厚でノミのような心臓の持ち主なんです。

 
毎週水曜日は部長回診で、みんなでぞろぞろと各病棟を回診します。
森田先生は水曜日は外来日なので一緒に回診することはできません。
 
ある日、この患者さんの回診に行った時に患者さんが
「レントゲンの結果はどうなってますか?主治医の先生が全然来てくれないんです。」
と仰いました。

僕が「どれくらいきてませんか?」

と聞きますと、もうかれこれ5日くらい顔を見せてないとのこと。
僕は普段からどんなに忙しくても病院に仕事に来ている時は1日1回は患者さんのところに行くようにしています。
なのでそんなに放置しているのが許せなく、思わず電子カルテに太字で(フォントを大きくして)
 
主治医の先生がかれこれ5日もきてくれずレントゲンの結果が聞けていないとのこと。
と書きました。
確かに普段は4階病棟が整形のメイン病棟であるため、
7階まで上がるのが大変だし忘れがちなのはわかりますが・・・。
 
そして1週間後の水曜日の部長回診で、再びその患者さんに
「主治医の先生は来てくれましたか?」
と聞きますと、
「先生、森田先生に言ってくれはったんですね。あれからもう森田先生、毎日来てくれはりますねん。」
と嬉しそうに仰いました。
 
きっと彼は僕が書いたカルテを読んで、震え上がったに違いありません。
僕は後輩には日頃から優しく厳しく指導してますので(笑)
 
そしてまたその1週間後の水曜日、
「ちゃんと森田先生顔見せに来てくれてますか?」
と聞きますと、
「先生、森田先生は手術で夜遅くなって疲れててもちゃんと毎日来てくれはるからほんとに申し訳なくて・・・。」
と申し訳なさそうに仰いました。
 
そしてまた次の1週間後の水曜日、
「森田先生、来てくれてます?」
と聞きますと、
「先生、私はもうあんまり変わりないし、ほんまにもう森田先生に申し訳ないから、もう来なくていいって言うてもらえますか?」
ちょっと迷惑そうに仰いました。
回診していた一同大爆笑!
 
毎日顔出すのは主治医だから当たり前なんですが
気まずい関係になってしまったのかしら・・・。
 
森田君、ごめんね~。