お久しぶりです。仕事が忙しく、長らく更新できていませんでした。これではいけませんね。世の中には、私よりはるかに忙しいのに、毎日のようにブログを更新されている方もいらっしゃるのですから。

さて、最近気になった記事に、「グローバル人材「無理」…高校・大学生の半数超」という読売新聞の記事があります。記事によれば、

「今からグローバル化のための教育を受けても自分は間に合わない」と感じている割合は、高校生で50%、大学生で55%だった。

保護者も24%が「我が子は手遅れ」と諦めていた。

とのことです。

調査元のページにはもう少し詳しい情報があり、こちらによると、

学生の75%は「グローバル化は騒ぎ立てるほど特別なことではない」と考えている

一方、

「将来は海外に出てグローバルに活躍したい」学生は36%

にとどまったそうです。確かに、日本の学生の多くは海外経験がなく、日本のテレビでとりあげる海外の情報はごくわずかですから、グローバル化に関心を持て、というほうが無理なのかもしれません。

私自身について言うと、中学や高校のときは海外にまるで関心がなく、英語もアメリカも大嫌いでした。テストの成績も非常に悪く、大学受験の勉強の最初のうちは、単語がまるで分らずちんぷんかんぷんでした。そういう人間でも、海外で12年も生活できたのですから、分からないものです。

私以外の例を挙げますと、かつての人気番組「スクールウォーズ」の登場人物のモデルで、中学時代番長として鳴らした人に、荒木邦彦さんという方がいらっしゃいます。彼は高校時代にラグビーに出会ったことをきっかけにツッパリを卒業。高校を終えた後は独学で英語を学び、電機メーカーに就職。その後海外のメーカーにヘッドハンティングされ、タイの工場で働いていらっしゃるそうです

ツッパリで英語の勉強などまともにしている筈が無い当時の彼が、英語の勉強して就職するのは並大抵の苦労ではなかったはずです。それでも彼が語学の壁を乗り越えられたのは、何か人生に目標があったからではないかと思います。それを達成するために英語が必要、だから勉強する。それが彼の英語学習の原動力ではなかったか、と想像します。

ですから、上で紹介した調査結果を見て思うのは、英語力の有無もさることながら、わざわざ海外に出てまでやってみたいことを学生さんが持っていないこと、それがグローバル人材ということに後ろ向きになる原因ではないかと思います。こういう現状で学校で英語を教える時間を増やしても、テストの点数が少々上がるだけで、目的意識を持って海外で仕事をしよう、という学生を増やすことにはつながりそうにありません。

そういう意味では、「グローバル人材教育」以前に、広い意味での人間教育が必要かと思います。しばらく前、アルジェリアで多くの死者を出した日揮は、グローバル企業の代表の一つですが、かれらは新卒採用に当たり、「地頭の良さ」、「コミュニケーション能力」といったことを重視し、語学力は問わないそうです(参考資料)。人としての根本的なところを伸ばすことにより、はじめて日本でも海外でも働ける人材が育つのだと思います。
小中学校でのデジタル教材の本格的導入を目前に控え、教育現場でのIT利用に関係するビジネスが活況を呈しています。こちらの記事によりますと、日本の教育IT用のハードウェアだけでも、市場規模は2016年に1,038億円になると予想されているそうです(下図。クリックして拡大)。

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世界的に見れば2012年のグローバル教育IT市場は12%の伸びを見せ、106億USドルに達する見込みというのだからすごいですね。

その教育IT市場の日本に置ける現状を把握するのに役立つイベントの一つが、先日行なわれた教育ITソリューションexpoです。こちらは,イベントのホームページからの写真ですが,とにかく人、人,人、,,。各ブースでの呼び込みやチラシ配布もかなりアグレッシブで、ここは歌舞伎町かと思ったくらいです。

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教育用のIT商品と言いますと、電子黒板、最近ではタブレットPCといったハードウェアの話がクローズアップされがちですが、それらを有効に利用するには、操作性の良いソフトウェアも欠かせません。また、ITを使って何を教えるのか、中身の問題も重要です。そういうわけで、イベント会場は以下のように区分けしてありました(主なもののみ)。

• 教育用ハードウェア ゾーン
• eラーニング ジャパン
• 教材・教育コンテンツ ゾーン
• 学校業務支援ゾーン

教育用のハードウェアで印象に残ったのは、ライブ配信システム。テレビのニュースみたいに、合成映像を作ったり、メインの画面に別の画面にはめ込んだりする事が出来るシステムも展示ししてました(下は東通産業さん)。こんなのも,今では学校で使うんですね!

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eラーニングの方では、オンラインで学生に授業を視聴させたり、テスト受験させたりする事や、成績の管理、掲示板、チャット等ができる、多機能なシステムが色々紹介されていました。残念ながら、種類が多すぎて違いがよくわからず。

私が個人的に一番興味深かったのは、やっぱり教材・教育コンテンツでしたね(一番本業に近いので、、、)!目についた物としては、

1)場所の違う教室の生徒がタブレットを使い、問題に同時回答。採点結果がすぐに集計されて、各教室の正答率が表示。団体戦のような形で正答率を競える!

2) Unity(下の写真)という3Dゲームを作るソフトウェアを用いて物理現象をシミュレーションしてみせる。

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3) 英語の母音の発音を録音し、正しい発音とどれくらいずれているかを表示する

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他にもいっぱいありましたが,ここでは紹介し切れません。今回は一日だけの参加でしたが,次回はもっと長く参加したいですね。
橋下氏の従軍慰安婦問題に関する発言、高市氏のいわゆる村山談話に関する発言など、最近、歴史問題に関する政治家の発言が話題を呼んでいますね。私自身この問題には関心があるので、ツイッター等でのリアクションをフォローしています。そこで感じるのが、非常に多くの人が「橋下はけしからん」などと批判や非難をする一方、その人自身が歴史問題について具体的にどう考えているか、という事についてはほとんど発言が無いのです。

日本に住んでいると、歴史問題について考えるのは政治家や評論家の仕事であり、一般の人間はそれに賛成か反対かを考えれば済みます。しかし、いったん海外に出ると、歴史問題について,自分自身が説明しなければならない場面が多くあります。私自身、留学時代に大学の寮の食堂で中国人と食事をしていると、別の中国人が来て(中国語で)「日本人は中国で殺人やレイプを繰り返した最低の国民だ。そんな奴らと一緒に食事なんかするんじゃない!!」という事を,延々と主張していました。こういうときに、「そのとおりです。我々は韓国人女性を従軍慰安婦として強制連行し、レイプを繰り返しました。最低の国民です。南京で無抵抗の市民を数十万人殺しました。申し訳ありません」という勇気はあるでしょうか。もし言う勇気があるとおっしゃるなら、これについてしつこく何度も追求され,その度に謝罪しなければならない事も覚悟してください。

私のもう一つの体験についても話します。ドイツの学会に参加していたとき、とても優しい感じの中国人女性と親しくなり、その方が私にこういいました。「私は中国の学校で、日本人がいかに多くの中国人を殺したか,という事を何度も教えられた。だから,日本人は残虐で怖い国民だと思っていた。でも,あなたは残虐じゃないし,怖くない。どうして?」

これに対して,私はこう答えました。「戦前の日本では、いわゆる人権という考えは浸透していなかった。貧しい農村ではお金の為に少女が売られ、売春婦としてボロボロになるまで働かされる事も普通に見られた。軍でも特攻隊や人間魚雷という形で,日本人の若者の命を物扱いしていた。このように、当時の日本人は、人間という存在を尊重する態度が希薄だったと思う。しかし、現在では人権に関する意識が定着し、人身売買も特攻隊も、少なくても表面上は見られない。戦争に負けた事で、日本人は多くの物を失ったが、人を尊重する、という事を学んだのは良かったと思う。」

この会話をしたときは,もう海外に住んで数年間経っていたので、このような丁寧な説明が出来るようになっていました。しかし、留学し始めの頃は,「どうしてこんなに日本人は罵声を浴びなければならないのか」ということにとても悩みました。普段ニュースで日本と韓国の政治家同士が言い合っているときは気にならなくても、面と向かってクラスメートの韓国人に罵声を浴びせられれば、単に謝罪するだけでは気持ちが収まらない物です

こういうときは、謝罪するべき所は謝罪しても,日本としての立場をしっかり主張できる事が重要になってきます。その為にも,歴史問題について普段から注意を払い,自分なりの考えを具体的に持つべきです。そこを意識すれば、今回の橋下発言や高市発言についても,もう少し深く考えられるようになるでしょう。