ニキビ跡をつぶしたり、放置して治療が遅れた場合にニキビ跡が形成されることはブログ内でも何回か書いています。

小型の細かいニキビ跡(アイスピック型やボックスカー型)は1個から数個のニキビ跡の表面がやぶれて一時的にびらん、潰瘍を形成するように思います。最初は赤いニキビ跡ですが、数カ月から数年かけてニキビ跡(瘢痕)として完成します。ニキビ跡は赤色の初期病変と白色の完成した病変とでは前者の方が治療反応性はよいと思います。

また比較的大型のニキビ跡(ローリング型)は複数のニキビが集簇し、皮下で複数の毛包が破裂したときにできやすいように思います。一見皮膚表面は正常に見えますが真皮から皮下では強い炎症反応が起こり、組織の萎縮、そしてひきつれ(癒着)を伴います。この場合も早めに治療した方が治療への反応性はよいように思います。

下の写真は同一人物の同じ部位ですが、左の細かい炎症性ニキビが右のニキビ跡初期病変になっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

ニキビ跡治療はニキビ治療と異なり、保険診療でできる治療が残念ながらありません。従ってニキビをなるべく速やかに治し、慢性化させないことがニキビ跡形成の予防となります。

よくニキビ跡をつぶしてしまった、市販薬で治らないで放置していたという方々がいらっしゃいますがニキビ跡を形成してしまうと年単位の治療期間がかかってしまい、治療には保険が効きません。ニキビを繰り返してしまう方は急性期だけでなく、よい状態を長く維持するようコントロールしていかなければなりません。