ニキビ跡は治療しても瘢痕であることは変わりません。いかなる治療をしても病理組織学的に正常な皮膚に戻ることは残念ながらありません。治療はあくまで凹凸差を軽減させ、質感を近づけ、いかにぼかして目立たない瘢痕にしていくかというものだと思います。治療の限界までいってもそれを治ったと思われるかどうかは患者様それぞれだと思います。

アイスピック型は直径は小さいですが、深部が深いものは真皮のボリュームロスは大きくなります。

ローリング型は一般に他のニキビ跡よりも面積が広く真皮から皮下脂肪のボリュームロスは大きくなる傾向にあります。

ボックスカー型も深いものだとアイスピック型と同等に深いものもあります。

レーザーアブレージョンで集簇するニキビ跡を面で削ってしまった場合、広範囲が瘢痕組織となります。長期間赤みを伴いいずれは白色瘢痕として落ち着きます。

下の写真のようにほぼ平坦な白色瘢痕でも面積が広ければ広いほど質感の違いが目立ちますし、ぼかすのが難しくなっていきます。(実際の瘢痕サイズ位に調整しています)

 

 

 

 

 

 

 

確かに削る治療(アブレ―ジョンのたぐい)は凹凸を軽減させるには手っ取り早い治療ですが、長いダウンタイムと肌質面での後遺症を残しうる治療ですのでよく考えてから行うべきかと思います。下の写真は施術前、3回施術後、6回施術後と並べてありますが、ニキビ跡は削らずとも徐々にぼかされて目立たなくなっていきます。ただ、ニキビ跡は目立たなくはなっても消えてなくなるわけではありません。