吉野・弘願寺 歯がため関屋地蔵尊

歯の神様信仰について
 江戸時代には、今のように(コンビニよりも数が多い)歯医者は少なく、一部の殿様や豪商などのお抱え医(口中医)しかいなく、一般の民衆が歯が痛くなったときには苦しい時の「神頼み」と「まじない」などに頼らざるを得なかったのです。また、歯の痛みは人生において最も耐え難い苦痛であると自刃したり、生きながらに土中に埋葬されたり、死に直面して「死後わが霊を詣でるなら、歯痛に悩む者を助ける」と遺言を残した者など、歯の痛みはその当時の人々にとって生死に関わる重要な問題だったのも信仰の理由として挙げられます。
 それだけ民衆の大きな悩みだった歯痛を少しでも和らげるための神社・仏閣・石仏等を紹介するのがこのテーマです。今回は奈良県吉野にある関屋地蔵尊を紹介します。

 

関屋地蔵尊
 
室町時代の永正12年(1515年)8月15日に造立された仏像です。古くから除災招福、病難消除、とりわけ歯の痛みに霊験があると言い伝えられていました。近年では抜けてしまった乳歯を納めたり、亡くなったご身内の入れ歯を納めにくる方もあり、歯の健康祈願と入れ歯供養の歯がため地蔵さんとして信仰されています。
 

歯の健康祈願祭
 毎年6月上旬の虫歯予防週間に合わせて御宝前にて大護摩を焚き、その後本堂にて大念珠を繰りながら般若心経を千巻お唱えする千巻心経法要を行い、健康祈願した歯ブラシと歯がため餅をお配りし、1年間に奉納された乳歯や入れ歯、歯ブラシ等に感謝するお供養と、健康を願う祈願祭を執り行っているそうです。現在では6月第1週の日曜日に行っているそうです。
 

弘願寺
所在地:奈良県吉野町吉野山2591

 

 吉野山の黒門をくぐって最初に有るお寺です。本尊は阿弥陀如来立像(県指定文化財)で鎌倉時代の正元2(1260)年の作です。

 
入り口になったお地蔵さんのお人形です。歯ブラシを持ったお地蔵さん、可愛いですねー

というわけでこれからも何回かにわけて歯の神様を紹介していきますね。