私は移植医療に携わっておきながら,比較的,というかかなり,臓器移植に対してはネガティブ.とはいえ(脳死)移植推進の人たちの活動は本当にすごいし,頑張っているので頭が下がる.しっかり議員に働きかけている.

だから法案とか出てきた時に,いきなりどこからともなく現れて,いままでろくに注目もしていなかったのに「拙速」とか「安易」とか,本来の死生観と相容れないとか言い出す自称宗教家・哲学者・文学者が,すごくイージーに見える.テクノロジーが実際そこにあってそれによって問題が起こっているのに,テクノロジーが存在する前に曖昧に済ませていた「倫理観・死生観」とあわないから反対とか,ずいぶん楽な商売だと感じる.

実際「日本でも指折りの宗教学者」とか呼ばれる人が,なんちゃって放射線医学や放射線医学界隈の政治的人間関係の「スペシャリスト」になっているのを見ると,我が国のそこら辺界隈のアカデミーが実につまらないのであろうという想像はつく.