医者でもなんでもそうだが,後出しジャンケンをしたがる人がたくさんいる.実際後出しジャンケンは楽だ.困難な状況で決断を放棄しているうちに,誰かが決断を下す.それが望ましい結果にならないことはよくあることだ.だいたい難しい決断が望ましい結果に結びつくことは10%もない.

難しい決断が望ましい結果にならなかったことについてあとから説明することはあまりにも簡単だ.うまく行かなそうが要因がたくさんあるからこそ決断が難しいのである.しかし状況を突破するためには決断が必要で,決断しない限り前には進めない.

仮に望ましい結果にならなかったとしても,その決断がうまく行かなかったという情報は極めて有用だ.

その成果を横取りする人はいるだろう.実際そのような他人の失敗の成果を横取りしてうまく世を渡る人はたくさんいる.一方で常に決断と失敗を自分でかぶる人がいる.

どちら側にいくか,それは自由だ.

しかし後出しジャンケンで勝ったと思ったとき,それは注意が必要だ.パーはグーに勝つと勝手に決めたのは人間だが,本当にそうなのかどうかは,人間にはわからないのだ.