さてこのシリーズ(?)は基本的に6畳から8畳,広くても12畳くらいの部屋の中で,おおむね5万円以下クラスの再生機器で聴くというスタイルを前提にしている.これが入門者に限らず最も一般的な音楽視聴スタイルではないだろうか.しかし残念なことに,いわゆるクラシックあるいはオーディオ入門の書籍やそのなかのおすすめレコードなどをみると,この最も一般的な視聴スタイルが無視されていることが多い.
この視聴スタイルで一番問題になるのは,シンフォニーである.このスタイルでオーケストラを聴いても絶対に感動できない,というかオーケストラはやはりライブ!これが基本である.オケは視覚・触覚でも楽しめる物である.きれいにそろったボーイング,耳をつんざくトランペット,心臓に直接響くティンパニ,とつぜんくる無音と残響.シンフォニーの一番の醍醐味は高級オーディオでも再現できないコンサートホールの五感にある.
というわけで,「クラシック,これを聴け!」という類の書物に載っている「名盤」のうち,オーケストラ物はそもそも入り口としてはそれほどふさわしい物ではない.特別な思い入れがないのであれば,いきなりオーケストラ物を買うのは避けた方がよい.これはかならずしもシンフォニー等が高級だからというわけではない.むしろもともと録音のない時代でも何回も上演されるものではないので,初めて聴いてもわかりやすいように出来ている.ただ部屋で聴くということを考えた場合,これほどそぐわないジャンルはない.
ならば何がよいか.基本的には室内楽ということになる.もちろん室内楽でもライブの方がよかったりするわけであるが,この文章の主眼は部屋で聴く録音音楽であるからして,それはさておく.室内楽というとたとえば弦楽四重奏などが思い浮かぶが,このジャンルはそれぞれの作曲家がその威信をかけて作曲している分野であり,ちょっとむずかしかったりする.
というわけで最初のおすすめはソロである.ピアノ音楽を中心としてヴァイオリンソナタ・チェロソナタあるいはそれぞれの楽器の小品,もちろんギターソロも入る.基本的には共感できる日本人ソリストを中心に買い始めるとよいだろう.欠品がすくなく,いつでも手に入る.しかしやや高めであることが多いので,たとえば1500円以下にしたいというのであればたまにリリースされる「ドイツグラモフォン100」とかいう一枚1500円くらいの中から選んだり,再販物を探すと良い.
ソロ以外ではコンチェルトという選択肢もある.コンチェルトは有名曲も多いし,見せ場もたくさんある.音場としてはやや狭いかもしれないが,ソリストによる独奏部分は充分堪能できるし,オケが肥大化することもない.またモーツァルト以前のシンフォニーあるいは弦楽合奏・コンチェルトグロッソも比較的大丈夫だ.モーツァルト以前は大ホールが想定された編成ではない.
以下に各楽器ごとにソリストを並べてみる.基準は以下の通り.
・手に入りやすい.
・個性ははっきりしている.
・レパートリーに偏りがない.
・ニューリリースがないとちょっと楽しくないので,故人ははずす.
人数は絞るべきなので,ざっくり選びます.「手に入りやすい」を重視.
■ピアノ
(日本人) 小山実稚恵 舘野泉(脳梗塞のため,現在は左手のピアニスト)
(外国人) ヴラディーミル・アシュケナージ マウリッツィオ・ポリーニ
(宇宙人) 内田光子 ファジル・サイ
(新人類) ユンディ・リ
■ヴァイオリン
(日本人) 五嶋みどり 前橋汀子
(外国人) イツァーク・パールマン ヴィクトリア・ムローヴァ
(宇宙人) ギドン・クレーメル
(新人類) 庄司紗矢香
(番外) 高島ちさ子 千住真理子
■チェロ
(日本人) 鈴木秀美 藤原真理
(外国人) ヨーヨー・マ ミッシャ・マイスキー
(宇宙人) 該当者なし
(新人類) 長谷川陽子(もう新人ではないか,,,)
■フルート
(日本人) 工藤重典
(外国人) オーレル・ニコレ
(宇宙人) 該当者なし
(新人類) 藤井香織
(番外) 高木綾子
■ギター
(日本人) 福田進一 庄村清志
(外国人) ジョン・ウィリアムズ イェラン・セルシェル
(宇宙人) 山下和仁
(新人類) 大萩康司
(番外) 村治佳織
これ以外の楽器は,あんまり売ってないのでとりあえずはずします.
この視聴スタイルで一番問題になるのは,シンフォニーである.このスタイルでオーケストラを聴いても絶対に感動できない,というかオーケストラはやはりライブ!これが基本である.オケは視覚・触覚でも楽しめる物である.きれいにそろったボーイング,耳をつんざくトランペット,心臓に直接響くティンパニ,とつぜんくる無音と残響.シンフォニーの一番の醍醐味は高級オーディオでも再現できないコンサートホールの五感にある.
というわけで,「クラシック,これを聴け!」という類の書物に載っている「名盤」のうち,オーケストラ物はそもそも入り口としてはそれほどふさわしい物ではない.特別な思い入れがないのであれば,いきなりオーケストラ物を買うのは避けた方がよい.これはかならずしもシンフォニー等が高級だからというわけではない.むしろもともと録音のない時代でも何回も上演されるものではないので,初めて聴いてもわかりやすいように出来ている.ただ部屋で聴くということを考えた場合,これほどそぐわないジャンルはない.
ならば何がよいか.基本的には室内楽ということになる.もちろん室内楽でもライブの方がよかったりするわけであるが,この文章の主眼は部屋で聴く録音音楽であるからして,それはさておく.室内楽というとたとえば弦楽四重奏などが思い浮かぶが,このジャンルはそれぞれの作曲家がその威信をかけて作曲している分野であり,ちょっとむずかしかったりする.
というわけで最初のおすすめはソロである.ピアノ音楽を中心としてヴァイオリンソナタ・チェロソナタあるいはそれぞれの楽器の小品,もちろんギターソロも入る.基本的には共感できる日本人ソリストを中心に買い始めるとよいだろう.欠品がすくなく,いつでも手に入る.しかしやや高めであることが多いので,たとえば1500円以下にしたいというのであればたまにリリースされる「ドイツグラモフォン100」とかいう一枚1500円くらいの中から選んだり,再販物を探すと良い.
ソロ以外ではコンチェルトという選択肢もある.コンチェルトは有名曲も多いし,見せ場もたくさんある.音場としてはやや狭いかもしれないが,ソリストによる独奏部分は充分堪能できるし,オケが肥大化することもない.またモーツァルト以前のシンフォニーあるいは弦楽合奏・コンチェルトグロッソも比較的大丈夫だ.モーツァルト以前は大ホールが想定された編成ではない.
以下に各楽器ごとにソリストを並べてみる.基準は以下の通り.
・手に入りやすい.
・個性ははっきりしている.
・レパートリーに偏りがない.
・ニューリリースがないとちょっと楽しくないので,故人ははずす.
人数は絞るべきなので,ざっくり選びます.「手に入りやすい」を重視.
■ピアノ
(日本人) 小山実稚恵 舘野泉(脳梗塞のため,現在は左手のピアニスト)
(外国人) ヴラディーミル・アシュケナージ マウリッツィオ・ポリーニ
(宇宙人) 内田光子 ファジル・サイ
(新人類) ユンディ・リ
■ヴァイオリン
(日本人) 五嶋みどり 前橋汀子
(外国人) イツァーク・パールマン ヴィクトリア・ムローヴァ
(宇宙人) ギドン・クレーメル
(新人類) 庄司紗矢香
(番外) 高島ちさ子 千住真理子
■チェロ
(日本人) 鈴木秀美 藤原真理
(外国人) ヨーヨー・マ ミッシャ・マイスキー
(宇宙人) 該当者なし
(新人類) 長谷川陽子(もう新人ではないか,,,)
■フルート
(日本人) 工藤重典
(外国人) オーレル・ニコレ
(宇宙人) 該当者なし
(新人類) 藤井香織
(番外) 高木綾子
■ギター
(日本人) 福田進一 庄村清志
(外国人) ジョン・ウィリアムズ イェラン・セルシェル
(宇宙人) 山下和仁
(新人類) 大萩康司
(番外) 村治佳織
これ以外の楽器は,あんまり売ってないのでとりあえずはずします.