マンガでわかる最強の株入門 | 進化するブログ『思索の蒼穹』

進化するブログ『思索の蒼穹』

医学、子育て、教育、教養、経営、経済等、様々な分野を節操なくつまみぐいしながら、皆さんと共有できれば幸いです。

 

 

 「株」ときくと、なんとなく頭の切れそうなビジネスマンが、モニターとにらめっこしながら秒単位で取引をつづけ、動かす金額は数百万~億単位以上。儲ける人もいれば、一瞬にして億単位の負債を背負う恐ろしい世界。

一般人が手を出すものではなく、本やテレビで話題になる「株で儲けている主婦や一般サラリーマン」もごく一部の勝ち組あるいはねずみ講じみた怪しい人々といった印象を持っていました。

 

信用取引を利用し、なおかつ多額の資金を投入すればそういった投資法も可能ですが、株式投資はそれだけではないようです。

 

ファンダメンタルズ分析も取り入れて、配当や株主優待を考慮し、手堅い金額のみで運用していれば、ちょっと会社の経営もかじっている一庶民となることが可能です。そうなれば経営や社会経済に興味をもって勉強するようになり、運用がうまくいけば、銀行・郵便局での貯金だけでは想像できないような資産を形成できる可能性も出てきます。

 

本書は株の入門書として非常に読みやすかったです。

要約というよりノート的に記載してみます。

 

株式投資で利益を得る方法は3つ。

①一番の割合を占める「値上がり益(キャピタル・ゲイン)

②利益の一部が還元される「配当」

③株主優待

 

株の値動きを予測する方法は2

1 ファンダメンタルズ分析:会社の業績や世の中の景気、様々な情報を調べて予想。

2 テクニカル分析:チャートの動きだけを見て株価を予測

 

ファンダメンタルズ分析

 株価は今の業績のみならず、半年、1年後といった将来を見据えて動く習性がある。例え今の業績が悪くても将来、回復の見込みがあれば株価は上昇する。

 

『銘柄を選定するときは、いかに効率よく稼いでいるかという「収益性」、将来に渡って利益を生む事業であるかという「成長性」、多額の借金を抱えていない、倒産リスクが少ないなどの「健全性」を重視する。』

 

『株式を発行する企業は年4回決算を行い、業績等を発表することが義務付けられている。この発表は「決算短信」として一般にも公開され、ネットでも確認できる。保有する株の会社、投資のターゲットにしようとする会社の決算短信には必ず目を通す。』

 

各種の指標を利用することが大切

 

利益から計る株価収益率(PER)

資産から計る株価純資産倍率(PBR)

経営効率から計る株主資本利益率(ROE)

 

PER:株価収益率。株価が1株当たりの利益の何倍まで買われているかを表し、投資した金額が何年で回収できるかがわかる。

PER=株価÷1株の利益。数値が低いほど割安と判断できる。

 

PBR:株価純資産倍率。株価を1株当たりの純資産で割って算出する。PBRは会社が仮に解散したとき、株主にどれだけ取り分があるかを示した数値

PBR=株価÷1株あたりの純資産

PBRの数値が低いほど割安ということになり、もし1倍未満ということになれば、株価は底値圏にあるという見方もできる。

 

ROE:株主資本利益率。株主資本に対しどれだけ利益が上がっているか。数値が高ければ「会社が利益を上げるために上手な経営を行っている」ことになり、経営手腕が評価され将来の業績アップ、株価上昇への期待も高まる。一般的にROE10%以上が高率のいい経営をしている目安になる。

ROE=当期純利益÷株主資本×100(%)

 

確認したい経済指標

 

景気の良し悪しを判断する指標

①「主要(全国)企業短期経済観測調査」(日銀短観)

 日本銀行(日銀)が四半期に一度発表する指標で、日銀が直接、企業の経営者に景況感を問いただす調査。「売上高」「雇用者数」「生産」「在庫調整」などを調査する。信頼が高く、株への影響も大きい指標。

②「景気動向指数」

 内閣府が毎月発表する景気に関する指標。産業や労働、金融などの経済活動において指数動向を元に算出した指数。景気の現状分析や将来の予測に利用される。

 

生産活動の強さがわかる指標

①「GDP(国内総生産)

 新しく生産された商品やサービスなどの付加価値の総額を数値化したもの。内閣府が1年の数値と四半期ごとの速報値を発表する。数値が大きいほど経済が活況で、伸び率がそのまま経済成長率となる。

②「鉱工業指数」

 経済産業省が毎月発表する経済指数。約500の鉱工業製品について一カ月間の生産量をまとめている。製造数が増えれば指数は高くなり景気が上向いたことを示す。GDPより速報性が高いので重要視され、株価にインパクトを与える。

 

デフレがどこまで続くかを示す指標

①「消費者物価指数」

 総務省が発表する指標で、国民の生活水準を数値化したもの。小売物価統計調査の小売価格の平均から作成した個別の指数と家計調査を合わせて全体の指数を算出する。

②「景気ウオッチャー調査」

 内閣府が毎月行っている景気動向調査。タクシー運転手など、景気に敏感な職種の人に3か月前と比較した景気の状況や、23か月後の景気の先行きを5段階で評価してもらう。そのデータを分析して指数化したもので、速報性が強く、景気の動向をいち早く把握できる指標。

 

「仕事」の数がどれだけかわかる指標

①「完全失業率」

 総務省が全国およそ4万世帯をサンプル調査して発表するもので、労働力人口のうち、完全失業者がどれだけいるかを示す。この数値が上昇すれば、景気がわるいという証明の1つになる。所得が下がり、消費にも悪影響が及ぶ。

②「有効求人倍率」

 厚生労働省が発表する指標で、仕事を探している人1人当たりに何件の求人があるかを示す。求人倍率が1.0より高ければ景気は高調だといえる。

 

『アメリカの経済指標で、特に重要なものは「非農業部門雇用者数」と「ISM製造業景況指数」』

 

円高は電気や自転車といった輸出比率の高い企業にとってマイナス材料。

原材料を輸入している企業にとってはプラス材料。

 

『株式投資は買うときの「入口」のほかに、売り時である「出口」もしっかりと想定しなければならない。あらかじめ「株価が〇円まで上昇したら利益確定の売りを出そう」「もし〇円まで下落したら損切しよう」と自分なりのシナリオを作成しておくことが大切。』

 

株で勝てない人のタイプ

〇勉強不足では儲けられない

〇冷静さを失わない

 『株式投資では多額の資金を市場に投じる。「この元金を増やそう」という欲望と、資金が目減りし「勉強不足ではないか」という恐怖心の葛藤が生じる。

 欲張りすぎると、「まだまだ上がる」とばかりにホールドを続け、結局利益を得られないまま株価が反落。含み損を抱えたりする。また、思惑と違った株価の動きをしても損切できずに損失を広げたりするケースもある。

 株取引では、過度に熱くなりすぎず、おびえることなく、つねに冷静な判断を下せる心のコントロールが必要』

 

『「割安株」といえども損するリスクがあるため、割安な株であっても将来の値上がりが期待できなければ手を出してはいけない。安く株を変えれば下値不安は小さくなるが、倒産してしまえば元も子もない。』

 

テクニカル分析とは、株価の推移を表すチャートを見ながら、株価の上がり・下がりの傾向を見抜き、株を売買する「チャート」中心の投資法です。私が以前に抱いていたイメージがこれです。

 

ファンダメンタル分析は、安定している企業、今後発展が期待できる企業、業績不振により倒産も危ぶまれる企業などを評価し、「企業価値」に基づいて投資を行う方法です。景気や株価の変動を受け、順調に成長を続けている企業も株価が下がることがあります。一度株価が下がり始めると、チャートのみで運用している人は慌てて売りに走り、実際の企業価値とかけはなれた株価の下落をもたらすかもしれません。企業価値に関係なく下がった株は「買い」となります。自分の中でそのような評価があれば、周りが売りに走っている中、自身をもって「買い」にむかえます。

 

ファンダメンタル分析とテクニカル分析を取り入れることで、選ぶ銘柄、その銘柄を買うタイミング、売るタイミングを決断しやすくなるでしょう。

 

「買い」以上に難しいのが「売り」のようです。

現時点でもっている印象は、あまり欲張らないことのようです。自分が許容できる損失のラインを決めておいて、そこより下がるなら「損切」して株を全て手放す。その企業を応援すると決め込んで、何があっても手放さない。優待・配当を目的としているため、株価の上下にはそれほどこだわらない(ただし倒産リスクや配当・優待が予定通り行われないリスクは考慮する必要があります)など、選択肢は様々です。

 

また、売ったら、その後の株価上昇にはこだわらないのがよいでしょう。こだわるとしたら、そのデータを元に株価がさらに伸びる株・伸びない株の違いがどこにあるかを分析し、次に活かすことが重要となります。「持っていたら、もっと儲けられたのに」とネガティブに引きずるのは避けるべきでしょう。

 

まだ、投資は始めませんが、なんとなく始めたら楽しそうです。しばらく勉強のみに専念します。