ウイルスには低温プラズマが効果があるという学術論文が多数発表されています。
今年はスピードを上げてインフルエンザが拡大しているようです。
そこでAIによる低温プラズマとインフルエンザの開設をご紹介します。
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低温プラズマは、インフルエンザウイルスを不活性化する効果があることが、国内外の研究で示されています。プラズマを利用した空気清浄機や除菌技術は、インフルエンザ対策への応用が期待されています。
低温プラズマがインフルエンザウイルスに作用する仕組み
低温プラズマとは、室温に近い温度で生成される活性化した気体(イオン、ラジカル、紫外線など)のことで、「コールドプラズマ」とも呼ばれます。インフルエンザウイルスに対する主な作用は以下の通りです。
活性酸素・窒素の生成: 低温プラズマは、反応性の高い「活性酸素種(ROS)」と「活性窒素種(RNS)」を生成します。これらの化学物質が、ウイルスの表面にあるタンパク質や内部の遺伝物質を酸化・損傷させることで、ウイルスを不活化します。
表面タンパク質の分解: 低温プラズマから発生する酸化力の強いOHラジカルは、ウイルスの表面タンパク質を分解し、ウイルスが細胞に感染する能力を抑制します。
物理的損傷: プラズマによって発生するイオン化粒子が、ウイルスのエンベロープ(外膜)に物理的な損傷を与えることも、不活化のメカニズムの一つと考えられています。
低温プラズマによるウイルス不活化の研究例
インフルエンザウイルスへの効果は、さまざまな研究機関で実証されています。
シャープ: 独自のプラズマクラスター技術により、浮遊するH1N1型インフルエンザウイルスの感染力を抑制することを実証しています。
カルモア: 東邦大学と協力し、マイクロプラズマ放電を用いて、付着したH1N1型インフルエンザウイルスが2時間で99.31%以上不活化することを確認しました。
ミシガン大学: 空中に浮遊するウイルスに対して、非熱プラズマを照射して99.9%を不活化することに成功しています。
名古屋大学: 低温プラズマを用いたウイルスの不活性化に関する研究を行っており、インフルエンザを含むエンベロープウイルスへの効果が確認されています。
Nature誌掲載研究: 2022年の研究論文では、低温プラズマを照射した培地(PAM)が、H1N1型インフルエンザウイルスを不活化させることを示しています。
応用と今後の展望
低温プラズマの技術は、インフルエンザ対策に以下のような応用が期待されています。
- 空気清浄機: 部屋の空気を浄化し、浮遊するウイルスを抑制する機能として、多くのメーカーで採用されています。
- 医療機器の滅菌: 低温で滅菌処理ができるため、熱に弱い医療器具の消毒に利用されています。
- 農業分野: 家畜の伝染病対策や農産物の殺菌にも、低温プラズマの技術が活用され始めています。
