昨日の記事でも書いたけど、有名な成分について少し説明しておきます。

 コラーゲンはたんぱく質をつくる材料で、肌だけではなく骨などもコラーゲンが原材料になっています。

 それではその構造はどうなっているのか。

 

 コラーゲンの構造は、アミノ酸が連なった3本の鎖がらせん状にねじれた「三重らせん構造」です。この3本の鎖は、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリンといった特定のアミノ酸配列で構成されており、これがコラーゲンの丈夫さや安定性を生み出しています。加熱するとこのらせん構造がほどけて「ゼラチン」になり、さらに分解されたものが「コラーゲンペプチド」です。
コラーゲンの構造詳細
基本単位:約1000個のアミノ酸が連なった3本のα鎖(ポリペプチド鎖)が、お互いに巻き付いて三重らせん構造を形成しています。
アミノ酸配列:特徴的なアミノ酸配列「グリシン-X-Y」の繰り返しで、特にXにプロリン、Yにヒドロキシプロリンが高頻度で現れます。この配列がらせん構造を安定させています。
安定性:3本の鎖は、水素結合によってつながっています。また、プロリンとヒドロキシプロリンが、らせん構造の安定性を高める役割を果たしています。
集合と繊維化:この三重らせん分子が、ずれて集合し、「コラーゲン細線維」と呼ばれるより太い構造を形成します。さらにこれが集まって、より大きな「コラーゲン線維」となり、組織を丈夫にしています。
両末端:コラーゲン分子の両末端には、ランダム構造(テロペプチド)が存在し、酵素による分解や抗原性に関与しています。
構造と性質の関係
コラーゲン:3重らせん構造のため、水に溶けにくく、丈夫な繊維状タンパク質です。
ゼラチン:加熱により三重らせん構造がほどけてランダムコイル構造に変化したもので、水に溶けやすくなります。
コラーゲンペプチド:ゼラチンをさらに低分子化したもので、消化吸収が良く、さまざまな生理機能が研究されています。