「丹後・与謝三十三所霊場」についての考察と私見。 | 仮設・ぶえる診療所『書庫=御朱印帳』

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京都府内とその近郊の寺社を中心に、そこここの御朱印・御首題・御城印&御陵印を、ひたすら淡々とアップするだけの、自分用アーカイブ。

平素は当ブログを御閲覧頂き、有難うございます。

さてここのところの更新で、「丹後与謝三十三所霊場」という見慣れない霊場の寺院が立て続けに登場しているのに、皆様お気づきのことと思います。

丹後与謝17寺

話は4月までさかのぼります。
成相寺、籠神社、智恩寺への参拝と集印を目的に宮津市まで出かけました。
そのときに、日蓮宗寺院でも御首題を頂こうとちょっと下調べ。
すると、ちょっと寺町の様相を呈してる、「金屋谷」という地域があるのがわかりました。
そこにあるお寺のいくつかにダメ元でTELしたところ、意外にも御朱印を頂ける寺院がいくつかありました。
帰宅後それらを見てみると、そのひとつに「丹後与謝霊場」と肩判の押されているのに気づきまして。

「これはなんぞ?」

ちょっと調べてみたところ、いつも参考にさせて頂いておりますサイト「京の霊場」さまの「追憶の霊場」に"与謝郡西国三十三所"(【別称】与謝郡三十三所、丹後・与謝三十三所)として、この霊場が紹介されているではないですか!

京の霊場
http://kyonoreijo.sakura.ne.jp/

それによりますと、「全国ふるさと三十三所巡礼辞典」を出典として「明治43年(1910)創設、昭和50年代後半に復興。」とあります。

そこで7月に宮津市を再訪。
この霊場の札所になっている寺院をいくつかお訪ねしてみたところ「丹後与謝霊場」の肩判付で御朱印を頂けるではないですか!
その中の寺院のひとつが、ちょっと山を分け入ったところにあり、明らかに無住…。
で、その近くの札所寺院を訪れた際に、「どこそこは無住だったんですよねぇ…」と話を振ってみると、なんと「ああ、そこの印なら、どこそこ寺が預かっているはずですよ。」と、御丁寧に道順まで教えてくれるではないですか!
そこを訪れましたところ、まさにそのとおりで、無住の寺院と、その寺院と、2か所の御朱印を無事拝受出来たのです。

もしかして…
この霊場は、まだ「生きている」

確かめるべく9月に入り、今度は与謝郡与謝野町へ。
最初に訪れた2箇所では、多忙と住職不在につき、書置きではありましたが無事「丹後与謝霊場」の御朱印を拝受。
やっぱり、この霊場、まだ「生きている」!

ところがどっこい。

ある札所寺院に電話をかけ「御朱印を頂けますか?」とお尋ねしたところ、電話口に出られたおそらく寺庭さまと思しきご婦人からの返答は・・・
「うちは御朱印やってません!」
いやいや、ほかの札所寺院では御朱印頂けたし、そちらも札所寺院なのでは…と食い下がってみると、「うちが札所だったのは十数年前までで、今はやってません。」と、けんもほろろ。
ぜひ御住職のいらっしゃるときに事情を伺えますか?とやんわり問うてみるも、にべもなくお断りされてしまいました。

これは、どういうこと・・・?

そこでその後に訪れた札所寺院では、積極的に霊場について聞き込み(笑)してみることに。
そして、断片的な情報から、おぼろげながらこの霊場の全体像が見えて参りました。

・十数年前までは霊場会が活動。毎年会合も開いていた。
・ところがあるお寺が世話役に就いてから、その会合が途絶えてしまった。
・その辺りの事情については、地域ごとにどうも温度差がありそう?
・あるお寺で頂いたその当時の地図には三十三所+番外三カ所の記載あり。

丹後与謝地図

・西国三十三所の写し霊場…のようなのだけど、墨書きには観音菩薩でなくその寺院の御本尊を記されるところも多い。
・無住、兼務のお寺や、御住職が兼職されている寺院もあり。
・御朱印をもらいにくるひとはたまーにあり。あるお寺では「ひと月にひとりもいない。」、あるお寺では「一昨日も来た。」
・再興について話を振ってみたところ「商工会議所がごにょごにょ…」

全体としてお話しを伺う限り「霊場会は活動してないけど、自分ところが札所寺院である(あるいはかつてはそうであった)と認識している。」といったところは感じました。
ただ結願・満願するのには、先述の件や無住、兼務の寺院もあることから、非常に困難であると言わざるをえないでしょう。

極めて私見ではありますが。
京都縦貫道が一本につながりこの地域へのアクセスがしやすくなったこと、「海の京都」として観光を興そうとしていること、さらには昨今の霊場巡拝や御朱印の「ブーム」…そういうことを考えればこの霊場を今一度再興するのも「アリ」だと思うんですけどね。
ただ札所霊場であることの寺院への負担を考たらそう簡単な話ではないんでしょうけど…。

与謝郡与謝野町を訪れた際の寺院の御朱印は、11月上旬より順次Up予定です。
またいずれ与謝郡伊根町の札所寺院を訪れて、御朱印を頂きつつ、さらに事情を伺ってみようかな、と考えてもいます。
この霊場についてなにか御存知の方がいらっしゃいましたら、情報をお寄せ頂けましたら幸いです。

■丹後・与謝三十三所霊場 一覧
丹後与謝一覧
※某寺で頂いた、霊場会が活動していたころ作られた地図より。
いずれも古刹ではありますがほとんどがいわゆる「観光寺院」ではありません。
参拝、御朱印を頂く際には、まず予め連絡を入れてからお訪ねされますようお願い申し上げます。(ほかの寺院にしたって、それは基本なんですけどね。)
またすべての寺院で御朱印を頂けるか確認もしておりません。(現にお断りされたところもあります。)その旨あわせてご了解ください。


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