急変する国民世論を踏まえ、共産党でさえ

「急迫不正の主権侵害が起こった場合には、自衛隊を含めてあらゆる手段を行使して、国民の命と日本の主権を守りぬくのが党の立場だ」
と、自衛隊の活用した自衛権の行使を明言せざるを得なくなっている。

 

そんな状況だからこそ、自衛戦力の濫用を抑止する具体的な文言こそ憲法に明記すべきだ。

ところが、戦力放棄した憲法9条が皮肉にも自衛隊を法的統制に服さない危険な戦力にしているという。

 

 

<抜粋>

"<日米安保条約第五条  各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。>

 「この安保第5条は日本の安全保障の基本条文です。アメリカで大統領が代わるたびに、日本政府はこの5条が尖閣諸島にも適用されることの確認を求めます。もし尖閣に何かあれば、アメリカは助けてくれますよねという確認です。・・・ここには、日米が共通の危険に対処すると定められていますが、よく読むと、『自国の憲法上の規定及び手続に従つて』とある。合衆国憲法は、開戦決定権が連邦議会にあると定めている。つまり、連邦議会で承認されなければ日米安保は発動されないのです」・・・そこに中国が侵攻したとして、アメリカが中国との全面戦争のリスクを冒してまで、在日米軍を出動させるでしょうか。・・・要するに『議会の承認』というのは、参戦を断る理由として便宜的に使えるのです」

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 「日米安保はアメリカのメリットのほうが圧倒的に大きい。日本はアメリカに日本領土のどこにも米軍基地を設置する権限を与え、首都東京の上空も含む広範な空域の航空管制も米軍横田基地に与えている。また、アメリカは日本防衛以外の戦闘目的のために在日米軍基地を使用できる。しかも、基地の使用について日本政府は実効的に統制できない。これはものすごく危険な状態です」

「国際法上、戦争している国に基地や兵站(へいたん)を提供した国はその交戦国に加担したと見なされ、中立国ではなくなります。・・・つまり、アメリカが日本の防衛とは関係ない世界戦略のために軍事行動をして、それに日本が巻き込まれてしまうリスクがあるのです」

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 「自衛隊は世界有数の武装組織です。しかし、憲法9条2項が戦力は持たない、交戦権は行使しないと定めているため、自衛戦力の濫用を抑止する戦力統制規範が、憲法にはない。自衛隊の交戦行動を国際人道法の交戦法規に従って規律する国内法体系もない。憲法が交戦権行使を否定しているのだから、そんな法律は制定できない。」

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 「自分の国を自分たちで守ろうとしない国を、他国が助けてくれるわけがありません。世界各国がウクライナを支援し、既に830万人以上の難民を受け入れているのは、ウクライナ国民が戦っているからです。この冷厳な現実を日本人も直視し、自衛隊を立憲主義的統制に従って自衛戦力を行使する組織にするために、憲法改正問題と向き合うべきです」

 「日本が有事となるシナリオはいくつかあります。例えば沖縄の尖閣諸島に中国軍が上陸し、自衛隊が中国軍と衝突するというケースです。・・・問題はこうしたケースで日米安保が発動されるかどうかですが、結論から言えば難しいでしょう。アメリカの国内世論や連邦議会で『無人のちっぽけな島のためにアメリカの若者の血を流すのか。核保有国と戦争するのか』という意見が出る中、政府がそれを押し切って軍を派遣するとは思えません」

 「では、日本の北はどうか。いまはロシアが北海道に攻めてくるような状況ではありませんが、将来的にどうなるかわかりません。たとえば米露の緊張度が高まったとき、ロシアがオホーツク海を要塞化するために、北海道に限定侵攻してくる可能性はあります」

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 「では、こうしてロシア軍が攻め込んできたとき、日米安保は発動されるのか。北海道がここまでの状況になれば、発動されないということはないでしょう。しかし、いつの段階で発動されるのかはわかりません。あくまでアメリカの意思決定だからです。・・・つまり、米軍が来るまでの間、自衛隊が戦い、可能な限りの防衛をしていくことになる。

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 「有事で相手に勝つためには、米軍に来てもらうしかない。陸上自衛隊が血だらけになって戦い、何とか持ちこたえている、そこに米軍が助けに来る。そうなるには、日米のミリタリー間での信頼が必要です」

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 「そして、日米安保を実効性のあるものにするうえで、何より重要なのは『自分たちで守ろうとする意志』です。これがなければ、誰も助けてはくれません。・・・国民も一緒になって守る、一緒に戦うという気持ちが必要なのだと思います。そうでなければ、自衛隊だって戦えないし、ましてや米軍が助けに来てくれることはないでしょう。それは、いまのウクライナ国民の姿と世界の支援を見てもわかることだと思います」

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 日米安保条約の重要性は両国で広く認識されている。ただ、それがどんな状況のとき、どのように発動されるのかは未知数だ。そして、安保が機能するかどうかは、日本の防衛体制も深く関わっている。力による現状変更を迫る国に対して、日本はどう向き合うのか。アメリカより前に日本の国民が問われている。"

<抜粋終わり>

 

"自分の国を自分たちで守ろうとしない国を、他国が助けてくれるわけがありません"

 

これは、日米安保条約にも明記されています。

・ 第3条 後半

 米国が他国を防衛する義務を負う以上は、その相手国は、自らの防衛のために自助努力を行ない、また、米国に対しても、防衛面で協力する意思を持った国でなければならないということである。
 ただし、我が国の場合には、「相互援助」といっても、憲法の範囲内のものに限られることを明確にするために、「憲法上の規定に従うことを条件」としている。

 

"我が国の場合には、「相互援助」といっても、憲法の範囲内のものに限られる"

 

ところが、この「範囲」が憲法に明記されておらず、現行9条のままでは明記できない。

 

第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 

"国権の発動たる戦争"を自衛を含まない侵略戦争と解釈し、「"前項の目的を達する"目的では」と限定して、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」と言う解釈で、自衛隊を容認してるのが現状だ。

とはいえ、交戦権を認めないのに「相互援助」の範囲を明記するのは、やはり矛盾している。

自衛権を認める以上、自衛のための戦力保持とその範囲を明記する憲法改正は、共産党が言うように「永久に侵略しない国」にするために必要なのではないか?