ここは一体どこだろう。
僕は気付いたら知らない学校の屋上にいた。あれ・・・おかしいな。
僕の体ってこんなに軽かったっけ。そんなはずがない!! 僕は白血病のはずだ!!
こんな意識が冴えたり、ましてやこんな薄着で外に出れる体ではないはずだ!!
「・・・おはよう、気付いた?」
不意に上から声がする。上を見上げると屋上の貯水タンクの上に女の子が立っていた。
・・・ナイスアングル!! だけど、やった!! という感情は抑えて・・・
「見えるよ。」
「・・・。」
沈黙の空間。時間が刻一刻と過ぎていく。女の子は顔を赤らめながらハシゴで降りてきた。
その途中でもアングルは僕にとっては最高だった。
「だらしない顔・・・そんなに私のスカートの中はそそるものがあったのかしら?」
どうやら顔がにやけていたらしい。
まぁ、可愛い女の子だし、少し素っ気ないとこもあるけどそれはそれで・・・
「・・・君は、何でここにいるのか分かってないの?」
「・・・ここ?」
表情を変え、真剣な趣で女の子は言葉を放った。
確かにそうだった。この学校なんて見たこともないし、それになぜここにいるのかも分からない。それに自分は白血病が侵攻してまともに動けないはず。疑問はどんどん積み重なるばかりだった。
「君は死んだの。」
「は?」
この女の子は何を言っているんだ。
僕が死んでる・・・? いや、実際に僕はこうして動いている。生きている。
「もう1回、言ってあげる。君は死んでるんだ。」
「い・・・いや、待ってくれ!! 僕はこうして今、生きて・・・」
「ここは死後の世界だ!!!」
今・・・なんて言った? ここが? この学校が? 死後の世界? 何の冗談だ?
きっと悪い夢でも見ているんだ。そうだ。そうに違いない!!
歩み寄ってくる女の子。その女の子は迷うことなくいきなり僕の頬にビンタをかましてきた。
「痛いでしょ・・・? 夢じゃないの。そして現実でもないの。」
もう訳が分からない・・・。
気がついたら僕は走り出していた。宛てなどない、ただただ逃げ出したくて・・・逃げた。
去り際に女の子が何か言っていたが僕の耳には届かない。
走って、走って、走って、もうどれほど走っただろう・・・
・・・疲れない。
・・・足が痛くもならない。
不意に僕は何かに躓きバランスを崩し、転倒する。
そこには黒い何かがいた。
モヤのようだけど、見える。そこには真っ黒な人がいた。原型はないのに人と意識させられる。
「そいつから離れて!!」
僕の隣を神風が吹き抜ける。斬撃が引き起こした衝撃波は人を突き飛ばした。
ぐいんと手を引っ張られ、僕の視界から人が消えた。
「・・・さっきの人は何だよ!?」
僕は女の子の胸倉を掴みながら問う。最大の疑問を・・・あのおぞましい人のことを・・・。
だが、女の子は瞬き一つせずに答えた。一種の疑問を織り交ぜて。
僕はその言葉を聞いて背筋が凍った。僕はおそらく、あの人に殺される・・・。
一体ここは・・・どこなんだ・・・?