私の教育塾で新たに始まったプロジェクト型学習「キャリアプロジェクト」は、将来のキャリアを見据えた学びを提供する取り組みです。生徒たちは、自分たちの興味や関心、過去の経験に基づいてテーマを設定し、プロジェクトを進めていきます。
今回のテスト施行では、ある学生が自分の原体験をもとに、中古品のフリーマーケットイベントを企画しています。このプロジェクトは、イベントの企画から運営まで、生徒自身がリーダーシップを発揮し、実際の社会問題に向き合いながら学ぶ機会を提供しています。
さらに、このプロジェクトの推進には、AIであるチャットGPTの活用が大きな役割を果たしています。例えば、効果的なイベント名のアイデア出しや、企画の準備段階でのサポートとしてAIを利用しています。しかし、AIを使いこなすには、適切な指示を出すスキルや、AIの力を引き出すための工夫が必要です。この記事では、授業の中で実際に説明している、AIを効果的に活用するために必要なスキルや注意点について紹介します。
1. AIを活用する際の指示出しと注意すべき点
AIを活用するための最初のステップは、「正しい指示を出すこと」です。AIに対して漠然とした質問や曖昧なリクエストをすると、的確な回答を得ることは難しくなります。今回のプロジェクトでも、最初は効果的なイベント名をAIに尋ねる際に、どう条件を設定すれば良いのか苦戦していました。AIは人間のように文脈を深く理解するわけではなく、提供された情報に基づいて回答するため、以下のポイントに注意することが重要です。
正確で明確な指示を出す
AIに指示を出す際には、以下のことを心がけると効果的です。
- 具体的な情報を提供する:AIは曖昧な質問には曖昧な答えを返します。具体的な目標や条件を設定することで、より的確なアイデアやアドバイスが得られます。例えば「イベント名のアイデアを出してください」よりも、「環境に優しい中古品フリーマーケットイベントに適した名前を提案してください」といった形で、条件や目標を具体的にすることが重要です。
- 複数の条件を組み合わせる:AIがアイデアを出す際には、複数の要素を組み合わせて指示を出すことで、より質の高い結果が得られます。「若者に向けた」「持続可能な社会を意識した」など、いくつかの条件を組み合わせてAIに指示することで、幅広い視点からの提案が期待できます。
予期しない回答にも対応する
AIは常に完璧な答えを出すわけではありません。予期しない回答が返ってくることもあります。こうした場合は、再度指示を見直し、条件を調整したり、質問の仕方を工夫することが大切です。また、AIが返した回答に対して批判的に考え、それが実際に使えるかどうかを評価する能力も必要です。AIはあくまでツールであり、最終的な判断は人間が行う必要があります。
2. AIを効果的に活用できる人材になるために必要なスキル
AIがますます進化し、さまざまな分野で活用されるようになった今、将来に向けてAIを効果的に活用できる人材を育てることは非常に重要です。今回のプロジェクトでも、AIをどのように使いこなすかという課題に直面し、生徒たちはAI活用スキルを磨いています。では、具体的にどのようなスキルや知識が求められるのでしょうか?
1. 問題解決力と判断力
AIは指示に従って情報を提供しますが、その情報をどのように活用するかは人間の問題解決力や判断力にかかっています。例えば、AIが提案したイベント名を選ぶ際には、イベントのターゲット層やコンセプトに合っているかを評価し、最適な選択をする必要があります。このように、AIが提供する情報を的確に評価し、問題解決に活かす力とどの方法を選択するかの判断力は必須です。
2. データリテラシー
AIを使いこなすためには、基本的なデータリテラシーが必要です。データリテラシーとは、情報やデータを正確に理解し、分析し、活用する能力を指します。AIが提供する情報の質や信頼性を見極め、そのデータがどのように使われているかを理解することが重要です。また、AIが学習しているデータの特性や限界についても知識を持っていることが、適切な判断を下す助けとなります。
3. 批判的思考力
AIが提供する情報を鵜呑みにせず、常に批判的に考える力も大切です。AIが返した回答が正しいかどうか、あるいはどのようなバイアスが含まれているかを見抜く力が必要です。例えば、AIが提案したアイデアがターゲットに本当に合っているか、他の選択肢はないかといった視点を持つことが、より良い結果を導くための鍵となります。
4. 創造力と応用力
AIは大量のデータをもとに答えを導き出しますが、そのデータや答えをどのように活かすかは人間次第です。創造力と応用力を持ってAIが提供する情報を活用し、新しいアイデアや解決策を生み出す力が、これからの時代にますます求められるようになるでしょう。生徒たちがAIと一緒に働く未来を見据え、彼らの創造力を育むことが重要です。
今回のキャリアプロジェクトでは、AIを使ってイベントの企画を進めていますが、このような実践的な場面でAIを活用する経験は、将来のキャリアにもつながる貴重な学びです。AIは今後ますます日常生活や仕事に浸透していくと考えられています。したがって、AIを効果的に活用するスキルを身につけることは、生徒たちがこれからの社会で活躍するために欠かせない力となるでしょう。
私たちは、生徒たちがAIを使いこなせるだけでなく、AIを正しく活用し、創造的に問題を解決できる力を育てていくことを目指しています。この「キャリアプロジェクト」を通じて、子どもたちはAIとともに新しい未来を切り開く力を学んでいくのです。
