今、小中学生向け教育塾D.projectとして、新しく教材・授業カリキュラム開発を進めている「資産運用」の話について、自分の棚卸しを兼ねて書いていこうと思います。

 

 

事の発端は、塾生からの一言。

僕は資産運用について勉強したい。将来、自分が稼ぐお金とは別に、お金を上手く活用することで、より豊かな暮らしを実現したいんです。

きちんと自分の将来と向き合うことで、出てきた考え方であり、言葉であると思うので、その子の成長を感じてすごく嬉しかったことを覚えています。

一方で、話を深めていくと、資産運用に対する考え方への危うさも感じました。それは、「資産運用とは、ギャンブルよりも安全にお金を増やす方法で、楽に儲けられるもの」くらいの感覚的なことしか認識していないこと。

お金に対する教育については、キャリア教育の一環として、少しずつ整備していこうと思っていましたが、今回の件と準備期間が作れたことが重なり、これから本格的にカリキュラム作成をしていくことにしました。

 

 

とはいえ、「資産運用」という分野は非常に広く、考え方も多岐にわたるため、私自身の思い込みで偏重した教育を押し付けることは望ましくないです。そのため、資産運用の授業目的については現段階では下記4項目を達成したいと考えています。

①幸せな人生設計のための手段として、資産運用を位置づけられるようになる

ただただお金を増やすという考えではなく、どんな人生を実現したいか?という目的達成のために、お金の使い方や増やし方について、必要な知識を学んでいくというスタンスを身に着けられる

②自分の支払うお金の仕組みについて、正しく理解している

社会人として支払うべき税金や保険、基本的な生活に必要な生活関連費、ライフイベントごとに発生する支出やローン等、生涯にわたって自分がどのような支出をするのか?そして、どう行動することが最善の選択肢なのか?知識を学ぶ中で自分なりの考えを確立できる

③お金の仕組みについて、リスクとリターンの関係を理解している

いわゆる資産を殖やすという意味での資産運用について、それぞれの資産特性を理解し、想定されるリスクとリターンを自分で考えて、投資先を選択・決断しなければいけないことを理解し、周囲の流れに任せて「なんとなく」行動することを防ぐ

④資産運用に対する自分なりの答えを持っている

資産運用の学習を通じて、自分の人生と向き合い、どのように資産運用をしていくことが自分にとってよりベストなのか?という問いを持ち続け、後悔のない資産運用の選択を自分の意思でできるようになる

 

 

まだ準備を始めたばかりですが、今回の授業準備は私自身もなんとなく資産運用について知ったかぶりしていたな~と反省させられる場面ばかりで、改めて人に伝える機会を通じて勉強させてもらえていることに感謝しています。正解はない分野だと思いますが、子ども達の将来が少しでも良い方向に転換できるための情報提供をできるようにしていきたいと思います。