報告は、歴代社長ら「経営トップの関与に基づき、組織的に不適切会計が実行・継続された」と断じるとともに、過年度の利益の過大計上が総額1562億円にのぼったことを明らかにした。
報告が示した税引前利益の過大計上額は2009年3月期から2014年4-12月期までの累計。第三者委の調査で1518億円、東芝の自主チェックで44億円が判明した。東芝は過大計上額を548億円と発表していたが、3倍近くに膨らんだ。
同社は半導体やパソコン事業の減損処理や繰延税金資産の取り崩しについて検討を迫られることになり、追加損失の計上は避けられない見通しだ。同社は8月31日までに14年度決算を公表する。
第三者委は同報告について21日午後7時から記者会見を開く。同報告で組織的な不正行為が認定されたことを受け、田中久雄社長は退任を表明する見通しで、佐々木則夫副会長ら、ほとんどの役員も9月に開く臨時株主総会で交代することになりそうだ。
報告は不適切会計が行われた原因について、田中社長、前社長の佐々木副会長ら経営トップが高い収益目標を達成するため、「社長月例」と呼ばれる定例会議で、目標実現を事業部門に強く迫ったためであると指摘。「歴代社長の利益至上主義のもと、事業部門は目標必達のプレッシャーを強く受けていた」とし、事業部門が不適切な会計処理に追い込まれていた実態を明らかにした。
間接的な原因として、内部統制の不備もあげた。経理部や財務部のほか、取締役会、監査委員会の内部統制が機能せず、会計監査人の外部統制も十分に機能しなかったと指摘した。
報告は「経営トップらは適切な会計処理の意識が希薄だった」とする一方、同社には「上司の意向に逆らうことのできない企業風土が存在」すると言明。再発防止策として、社外取締役と監査委員会を増員し、外部の人材を監査委員長に起用するよう提言した。
第三者委が調査した期間は2009年度(有価証券報告書の記載の08年度を含む)から14年度第3四半期まで。田中社長、佐々木副会長、西田厚聡相談役ら3人の社長経験者を始め、役職員210人に聴き取りを行った。
(7月21日 ロイター)