新国立競技場の建設計画見直しへ
政府は2020年東京五輪・パラリンピックのメーンスタジアムとなる新国立競技場の建設計画を見直す方針を固めた。総工費が2520億円に膨らんだことへの与野党や世論の批判を受け、費用を縮減する方向転換が必要だと判断した。デザイン変更と工期延長を軸に具体案を詰める。複数の政府関係者が15日、明らかにした。いずれの場合も19年秋のラグビーワールドカップ(W杯)日本大会での使用が困難となる可能性があるなど、検討すべき課題は多い。
安倍晋三首相は10日の国会答弁で「(デザインを変更すれば)五輪に間に合わない可能性が高い」と指摘している。
(出処 : 7月16日 ロイター)
新国立見直し検討 政権、支持低下に危機感
与党からも批判相次ぐ
政府が2020年東京五輪・パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場の建設計画を見直し、費用を圧縮する検討に入ったのは、安全保障関連法案の審議をきっかけに安倍政権の支持率が下げ止まらず、首相官邸で危機感が高まっているためだ。自民党内でも「工期は長期にわたり、来年の参院選への影響は避けられない」とする声が広がっていた。
「まず建設計画を見直す方針を打ち出すことが大事だ」。閣僚の一人はこう強調する。政府は新国立競技場の「キールアーチ」構造を含む特殊なデザインを見直すなどの検討に入ったが、どの程度の規模の変更になるのかはこれからだ
今国会最大の争点である安全保障関連法案の審議が進むに従って安倍政権の支持率はじりじりと低下。15日の衆院平和安全法制特別委員会で与党単独での採決に踏み切り、さらなる支持率の下落は避けられない情勢だ。政府内で「建設計画の見直しを打ち出さないと政権が持たなくなる」との見方が広がった。
「ずさんな計画で高額な改築をするもので見過ごせない」「国民の理解は得られていない。しっかり議論しないと禍根を残す」――。14日の自民党総務会ではくすぶっていた不満が表面化し、現行計画への批判が続出した。
谷垣禎一幹事長ら自民党幹部は15日、国会内で、文部科学省から経緯を聴取した。二階俊博総務会長はその後のBS日テレ番組の収録で「節約する方法はないのか。調整しなければいけないことはやっていくべきだ。予算を縮小することになれば若干の見直しは当然だ」と述べた。
(出処 : 2015/7/16 日本経済新聞 朝刊)