50年以上も前の話です。祖母がいつも歌っていた歌があります。

 

   「神戸の港を漕ぎ出でて 須磨の浦風そよそよと♪」

 

 一番の歌詞が、こんな感じで始まります。それが何番もあり、瀬戸内海を周航していくという内容の歌詞です。当時、小学校高学年だった私には興味深い歌だったので、今でも部分的に覚えています。メロディーも覚えています。しかし、歌の題名は覚えていません。琵琶湖周航の歌があるぐらいだから、「瀬戸内海周航の歌」と自分では名づけていました。

 それから長い年月が経ち、ネットの時代となりました。先日、ふとしたことからこの歌を思い出し、ネットで調べたらわかるのではと調べてみました。すると、ありました。次のサイトです。

 

 http://bunbun.boo.jp/okera/w_shouka/m_shou_izawa/j6_setonai_kai.htm

 

 

瀬戸内海(G)
尋常小学6(明治38)

作詞
作曲
石原和三郎
田村 虎蔵
1: 神戸の港を 漕ぎ出でて
須磨の浦風 そよそよと
舞子の濱や 明石がた
■砂白々と 松青し
 
6: 三田尻過ぎて 壇の浦
平家の末路を 偲びつゝ
馬關は瀬戸の 西の口
■向かふ門司の 要害地
 
2: 呼べば答ふる 淡路島
通う千鳥の 聲あはれ
名に高砂を 右に見て
■左遥かに 小豆島
 
7: 歸りは四國の 海の岸
三津の濱より 程もなき
人まつ山や 道後の湯
■旅の疲れを 慰めん
 
3: 鹽焼く煙 賑わへる
赤穂を過ぎて 玉島や
鞆の津 尾の道 糸崎港
■大島小島 數々を
 
8: 復も數多の 島嶼を
送り迎へて 燧灘
多度津に着けば 名も高き
■金刀比羅宮も 遠からず
 
4: 送り迎へて 行く程に
呉は海軍 根據の地
宇品も同じ 要港よ
■何時か着きけり 厳島
 
9: さて高松の 東北
屋島は名高き 古戦場
眺めは盡きせぬ 船路かな
■波静かなる 瀬戸の海
 
5: 波間に立てる 大鳥居
赤に色どる 回廊の
水に寫れる 美しさ
■實に三景の 其の一つ
 

 

 

 祖母は明治35年生まれなので、ちょうどその頃の小学校唱歌です。題は「瀬戸内海」でした。歌詞の中身も祖母の歌っていた通りです。なぜか当時にタイムスリップした感じで感動的でした。MIDI音源もバックに流れていますが、ほぼ覚えていたメロディーと一致しました。名曲だと思います。