百人一首で冬の季節の短歌が6首あります。次の短歌です。
4 田子の浦にうち出でてみれば白妙の 富士の高嶺に雪は降りつつ/山辺赤人
6 かささぎの渡せる橋に置く霜の 白きを見れば夜ぞ更けにける/中納言家持(大伴家持)
28 山里は冬ぞ寂しさまさりける 人目も草もかれぬと思へば/源宗于朝臣
31 朝ぼらけ有明の月と見るまでに 吉野の里に降れる白雪/坂上是則
64 朝ぼらけ宇治の川霧たえだえに あらはれわたる瀬々の網代木/権中納言定頼
78 淡路島通ふ千鳥の鳴く声に いく夜寝覚めぬ須磨の関守/源兼昌
雪や霜、霧といった白を表す言葉が多いのは、この時代の冬を象徴する色だったからでしょうか。64の網代木の光景や78の浜辺で鳴く千鳥は、冬の風物詩として歌や物語に詠まれているようです。
この6首の動画をアップしました。歌に合う背景画像とオリジナル現代語訳を入れました。
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