しばらくブログを更新していませんでしたが、母のお稽古は順調に進んでいます。8月に、母と一緒にレッスンしていた次女が香港の大学に交換留学に行くことになり、長女と3人で香港旅行に行って来ました。その後、9月大学の仕事でマレーシアに出張。新学期が始まった10月、11月と慌ただしく過ぎていく中で、母のお稽古だけは、なんとか時間をやりくりして週1回のペースを保ってきました!その成果もあって、母のタンゴダンスのテクニックは驚くほど向上し、昨日は先生にも褒めていただきました💕ガンチョ、ボレオ、オーチョコルタールといった技を先生のリードで次々と披露する母。レビー小体型認知症を患っているようには思えません。実は、先生にはまだ母が認知症であることを告白していないのですが、普通に接してもらっていることも適度な緊張感があって、良いのかもしれません。レッスンは1時間の個人レッスンなので、母は「疲れちゃった」といってすぐに休憩モードに入ってしまいます。次女が香港に行くまでは次女が休憩時間の場つなぎで、先生にレッスンをしていただいたのですが、次女がいない今、先生からご指名を受けてしまい、私もレッスンを受けることになってしまいました。先月、次女の様子を見に香港に行ったとき、先生から香港には沢山のタンゴスタジオがあると聞いていたので、ネットで調べて数件見学してきたのですが、その時にタンゴシューズを専門に扱っているショップをみつけて、タンゴ用の靴を買いました👠私は形から入るタイプなので、あまりタンゴを踊ることには興味がなかった私は、タンゴの靴を履い瞬間にやる気がでできました。母の遺伝.....ということもあるのでしょうか。次女が12月に帰ってきたら祖母、母、娘の3世代でアルゼンチンタンゴのレッスンを受けることになります。母のおかげで楽しみが拡がってきました。これからも介護ライフをポジティブに楽しみたいと思います😄
台風

が近づく中、お稽古の日がやってきた。外は土砂降りの雨
。お稽古ができるのかどうか、心配だったが、先生から連絡があり、レッスンは予定通りあります、とのことだったので、車で母を迎えに行った
。
数日前、母の部屋を訪ねたときに、何気なく写真のアルバムを見ていたら、見覚えのある建物の前に着飾った母と友人と妹の姿が写っている写真があった。これって、先週行ったタンゴのサロンなのでは・・・。
「ママ、これって、先週行ったタンゴのサロンじゃないの?この写っている人は先週お会いした先生みたいだけど・・。」
「忘れちゃった.。そんな気もするわね・・。」と母。
10年前の写真のようだが、確かに先週行った北野町のタンゴサロンの建物だ。先週お会いした先生と一緒に、あの趣のあるサロンで談笑している母と妹と母の友人が写っている。タンゴを踊っている妹の姿も写っていた。
先週、母を連れて行ったときには、先生も母とは初対面のような様子だったが、10年前に会っていることをすっかり忘れているのだろう。もっとも、またま訪ねてきたお客さんを全て覚えているはずがないのだとも思うのだが・・・。
これも何かのご縁ということで、レッスンにこのアルバムを持っていくことにした。
レッスンが午後2時からなので、すこし早めに車で家を出て、母を美容院に連れて行って、食事をして・・・と、できるだけ雨に濡れないないで北野町のサロンに行くまでのルートを考えた。
娘達も一緒に行く、というので、3人で母を迎えに行くと、母は、「台風だし、おなかも痛いし、今日はやめようかな・・」と言い出した。
「先生が朝、わざわざ電話をくれて、『台風ですが、おいでになるならレッスンしますよ』って言ってくださっているんだから、行きましょうよ!アルバムの話しもしたいし。おなかがいたかったら途中で帰ってきてもいいから・・。ね!」と、半ば強制的に服を着替えさせると、母も観念したのか、お化粧をし始めた。
母の機嫌を損ねないように・・・できるだけ土砂降りの雨に濡れないように・・・・と、車を降りてから歩かなくてすむように、行きつけの美容院の近くに車を止めて、母を連れて行った。雨なので今日はお店がそれほど混んでいない。1時間後に迎えに行くと、あれほど降っていた雨が上がり、外は曇り空になっていた。美容院できれいになったし、雨も止んだので、すっかり母の機嫌が直ってお腹も痛くなくなったとのこと。まだ時間があるので、少し歩いて国際会館の中にある維新号に飲茶
を食べにいくことになった。
維新号は大好きなレストランの一つだ。しばらく行っていなかたのだが、久しぶりに会った店長が歓迎してくれて個室を用意してくれた
。まもなく香港の大学に交換留学する娘は、飲茶で留学気分が一気に高まり、香港が舞台になっている大好きなゲームの「シェンムー」の話題でお姉ちゃんと大いに盛り上がっている。母も旅行で香港に行ったときのことを少し思い出したようで、「香港島のシャングリラに泊まったのよ。」とか、「香港でチャイナドレスを作ってくれるお店があるから、行ったら作ってもらえば?」などと次女にアドバイスしていた。
元気な頃は、クルーズ客船
でいろいろな国に旅行に出かけた母。たしか、アルゼンチンタンゴの本場、ブエノスアイレスにも行ったことがあるはずだ。病気になってからは、旅行が出来なくなってしまったが、昔のことを思い出すだけでも、病気の進行を少しでも遅らせることができるのではないか、と望みを抱く。タンゴのレッスンが良い刺激になってくれれば良いのだが・・・・。
ランチを終えて、北野町に向かう。いよいよタンゴのレッスンだ
先週は始めてだったので緊張したが、今日は二回目だし、私達だけの個人レッスンの日なので少しはリラックスできそうだ。
レッスンを始める前に、早速持参した写真を先生に見てもらった。10年前に元気だったころの母が東京から妹と神戸に遊びに来たときに撮ったらしいということを説明すると、先生は、「そうですか。よく覚えていませんが、確かにここで撮った写真ですね。昔、来てくださっていたんですね。」と嬉しそうだった。
朝、お腹が痛いといっていた母だったが、昼食の飲茶もおいしそうに食べていたし、タンゴの曲が流れる店内に入った瞬間にすっかり元気になったようだった。先生に手を取られると軽やかな足取りでタンゴを踊り始めた。レビー小体型認知症を患っている人とは思えないほど、素敵に踊っている。今日は、「クロス」というステップの練習がテーマのようで、繰り返し「クロス」の練習がはじまった。
先生には、母がレビー小体型認知症であることを知らせていないので、先生は母に普通に指示を出すのだが、やはり母は先生の指示どおりに足を動かすことができないようだ。助け舟を出そうかどうしようかと迷いながら見守っていたが、先生は根気強く、ステップを間違う母になんども同じ事を教え続けている。はらはらしながら見ていたら、ある瞬間から、母が先生の指示どおりに踊り始めることができるようになってきた。驚いて見ていると、
「自転車と同じで、一度体が覚えたことは、すこし練習すると思い出すものです。大丈夫です。お母さんもすぐ思い出しますよ。」
と、先生のお言葉。先生は、母が認知症だから教わったことを覚えられないのではなく、老人だから覚えるペースが遅いと思っているようだ。母のプライドを傷つけることにもなるので、先生に母の病気のことは話しにくいのだが、やはりタイミングを見て、いつか説明した方が良いのでは・・・とも思っている。
それにしても、人間の記憶力って、本当に不思議だ。私が、同じ事を何回伝えても忘れてしまう母。自分がいる場所もわからなくなってしまったり、日にちや曜日や季節もわからなくなってしまう母・・・・。記憶する力がどんどん衰えていくとばかりと思っていたけれど、昔覚えたタンゴの難しいステップを覚えているなんて本当にびっくりだ。もしかしたら、タンゴのレッスンをきっかけに、症状が改善していくかもしれない。なにより、タンゴを踊っているときの母の楽しそうな表情を見ることが出来て、わたしも嬉しい気持ちだ
。
母が数曲踊ったところで、今度は、娘のレッスンの番になった。
「タンゴはステップから始めるのではなく、タンゴのリズム
を体に入れることから始めるのが基本です。ステップばかりにとらわれるのはタンゴではない。タンゴのリズムとともに、姿勢よく歩くこと。これがタンゴの第一歩です。」と先生に指導される。曲に合わせて、ひたすら、「いち、にっ、さん、ストップ。いち、にっ、さん、ストップ」というタンゴのウォーキングを繰り返しているうにち、徐々にタンゴのリズムが娘の体の中に入ってきたようだ。ひととおり歩き終わったところで、先生が、娘の手をとって踊り始めると、不思議なことに、娘と先生がタンゴを踊っているかのように見える。
「すごい!踊れてる!」
と、観客の私達は大興奮!
楽しそうな娘と母の姿を見て、運転手件付き人としてレッスンを見学するだけ、と思っていた私だったが、「私もちょっと習ってみようかな。」と思い始めたのだった・・・・。


が近づく中、お稽古の日がやってきた。外は土砂降りの雨
。お稽古ができるのかどうか、心配だったが、先生から連絡があり、レッスンは予定通りあります、とのことだったので、車で母を迎えに行った
。数日前、母の部屋を訪ねたときに、何気なく写真のアルバムを見ていたら、見覚えのある建物の前に着飾った母と友人と妹の姿が写っている写真があった。これって、先週行ったタンゴのサロンなのでは・・・。
「ママ、これって、先週行ったタンゴのサロンじゃないの?この写っている人は先週お会いした先生みたいだけど・・。」
「忘れちゃった.。そんな気もするわね・・。」と母。
10年前の写真のようだが、確かに先週行った北野町のタンゴサロンの建物だ。先週お会いした先生と一緒に、あの趣のあるサロンで談笑している母と妹と母の友人が写っている。タンゴを踊っている妹の姿も写っていた。
先週、母を連れて行ったときには、先生も母とは初対面のような様子だったが、10年前に会っていることをすっかり忘れているのだろう。もっとも、またま訪ねてきたお客さんを全て覚えているはずがないのだとも思うのだが・・・。
これも何かのご縁ということで、レッスンにこのアルバムを持っていくことにした。
レッスンが午後2時からなので、すこし早めに車で家を出て、母を美容院に連れて行って、食事をして・・・と、できるだけ雨に濡れないないで北野町のサロンに行くまでのルートを考えた。
娘達も一緒に行く、というので、3人で母を迎えに行くと、母は、「台風だし、おなかも痛いし、今日はやめようかな・・」と言い出した。
「先生が朝、わざわざ電話をくれて、『台風ですが、おいでになるならレッスンしますよ』って言ってくださっているんだから、行きましょうよ!アルバムの話しもしたいし。おなかがいたかったら途中で帰ってきてもいいから・・。ね!」と、半ば強制的に服を着替えさせると、母も観念したのか、お化粧をし始めた。
母の機嫌を損ねないように・・・できるだけ土砂降りの雨に濡れないように・・・・と、車を降りてから歩かなくてすむように、行きつけの美容院の近くに車を止めて、母を連れて行った。雨なので今日はお店がそれほど混んでいない。1時間後に迎えに行くと、あれほど降っていた雨が上がり、外は曇り空になっていた。美容院できれいになったし、雨も止んだので、すっかり母の機嫌が直ってお腹も痛くなくなったとのこと。まだ時間があるので、少し歩いて国際会館の中にある維新号に飲茶
を食べにいくことになった。維新号は大好きなレストランの一つだ。しばらく行っていなかたのだが、久しぶりに会った店長が歓迎してくれて個室を用意してくれた
。まもなく香港の大学に交換留学する娘は、飲茶で留学気分が一気に高まり、香港が舞台になっている大好きなゲームの「シェンムー」の話題でお姉ちゃんと大いに盛り上がっている。母も旅行で香港に行ったときのことを少し思い出したようで、「香港島のシャングリラに泊まったのよ。」とか、「香港でチャイナドレスを作ってくれるお店があるから、行ったら作ってもらえば?」などと次女にアドバイスしていた。元気な頃は、クルーズ客船
でいろいろな国に旅行に出かけた母。たしか、アルゼンチンタンゴの本場、ブエノスアイレスにも行ったことがあるはずだ。病気になってからは、旅行が出来なくなってしまったが、昔のことを思い出すだけでも、病気の進行を少しでも遅らせることができるのではないか、と望みを抱く。タンゴのレッスンが良い刺激になってくれれば良いのだが・・・・。ランチを終えて、北野町に向かう。いよいよタンゴのレッスンだ
先週は始めてだったので緊張したが、今日は二回目だし、私達だけの個人レッスンの日なので少しはリラックスできそうだ。
レッスンを始める前に、早速持参した写真を先生に見てもらった。10年前に元気だったころの母が東京から妹と神戸に遊びに来たときに撮ったらしいということを説明すると、先生は、「そうですか。よく覚えていませんが、確かにここで撮った写真ですね。昔、来てくださっていたんですね。」と嬉しそうだった。
朝、お腹が痛いといっていた母だったが、昼食の飲茶もおいしそうに食べていたし、タンゴの曲が流れる店内に入った瞬間にすっかり元気になったようだった。先生に手を取られると軽やかな足取りでタンゴを踊り始めた。レビー小体型認知症を患っている人とは思えないほど、素敵に踊っている。今日は、「クロス」というステップの練習がテーマのようで、繰り返し「クロス」の練習がはじまった。
先生には、母がレビー小体型認知症であることを知らせていないので、先生は母に普通に指示を出すのだが、やはり母は先生の指示どおりに足を動かすことができないようだ。助け舟を出そうかどうしようかと迷いながら見守っていたが、先生は根気強く、ステップを間違う母になんども同じ事を教え続けている。はらはらしながら見ていたら、ある瞬間から、母が先生の指示どおりに踊り始めることができるようになってきた。驚いて見ていると、
「自転車と同じで、一度体が覚えたことは、すこし練習すると思い出すものです。大丈夫です。お母さんもすぐ思い出しますよ。」
と、先生のお言葉。先生は、母が認知症だから教わったことを覚えられないのではなく、老人だから覚えるペースが遅いと思っているようだ。母のプライドを傷つけることにもなるので、先生に母の病気のことは話しにくいのだが、やはりタイミングを見て、いつか説明した方が良いのでは・・・とも思っている。
それにしても、人間の記憶力って、本当に不思議だ。私が、同じ事を何回伝えても忘れてしまう母。自分がいる場所もわからなくなってしまったり、日にちや曜日や季節もわからなくなってしまう母・・・・。記憶する力がどんどん衰えていくとばかりと思っていたけれど、昔覚えたタンゴの難しいステップを覚えているなんて本当にびっくりだ。もしかしたら、タンゴのレッスンをきっかけに、症状が改善していくかもしれない。なにより、タンゴを踊っているときの母の楽しそうな表情を見ることが出来て、わたしも嬉しい気持ちだ
。母が数曲踊ったところで、今度は、娘のレッスンの番になった。
「タンゴはステップから始めるのではなく、タンゴのリズム
を体に入れることから始めるのが基本です。ステップばかりにとらわれるのはタンゴではない。タンゴのリズムとともに、姿勢よく歩くこと。これがタンゴの第一歩です。」と先生に指導される。曲に合わせて、ひたすら、「いち、にっ、さん、ストップ。いち、にっ、さん、ストップ」というタンゴのウォーキングを繰り返しているうにち、徐々にタンゴのリズムが娘の体の中に入ってきたようだ。ひととおり歩き終わったところで、先生が、娘の手をとって踊り始めると、不思議なことに、娘と先生がタンゴを踊っているかのように見える。「すごい!踊れてる!」
と、観客の私達は大興奮!
楽しそうな娘と母の姿を見て、運転手件付き人としてレッスンを見学するだけ、と思っていた私だったが、「私もちょっと習ってみようかな。」と思い始めたのだった・・・・。
先生に出迎えられ、サロンに入らせていただいた。壁にはタンゴダンサー達の古びたモノクロの写真が掛けられ、床にもダンサーのの写真パネルが無造作に立てかけてある。建物の外観も古い感じがしたが、内部もまるでタイムスリップしたかのようなレトロな雰囲気。フロアスタンドの灯りが薄暗い店内を照らしていて、まるで50年前のアルゼンチンの裏町のタンゴ酒場にタイムスリップしたかのようだ。タンゴのもの哀しいメロディーが、さらにレトロな店内の雰囲気を盛り上げている。
「レッスン中なので、おかまいできませんが、レッスンをどうぞ見ていてください。」
どうやら私達は、個人レッスンタイム中にお邪魔したようだ。レッスンの生徒は男性。長身の男性と長身の先生がペアになってステップを練習している。かなりの上級者のようで、複雑なステップを先生の指導で繰り返し練習していた。男女のカップルでのタンゴを見慣れている私達にとっては、男性同士が組んで踊っている姿はちょっと不思議な光景だったが二人ともすらりとしてスタイルが良いので、見た目にも美しい。母は目を輝かせて、二人のレッスンの様子を眺めていた。「この曲はタンゴのワルツ。踊るのはむずかしいのよ。」とか「この曲のCDを持っているわ。」と、次々と流れるタンゴの音楽を楽しんでいるようだった。
ひととおり、男性のレッスンが終わると、先生は、私達のところに来て、
「木曜日に来ていただいたんですね。見たい映画があって、急に見に行くことになったもので、失礼しました。いつもは3時から5時までカフェタイムでオープンしているのですが・・・。」
と話し掛けてきてくださった。
母が10年前ぐらいにアルゼンチンタンゴに熱中して、四谷のタンゴサロンに通いつめていたことや、病気をして神戸に引っ越してきたので、健康のためにもタンゴのレッスンをしてみようと思っていること、などを先生に手短につたえると、母に、
「すこし踊ってみますか?」と声を掛けてくれた。母は先生にエスコートされ、「踊れるかしら・・・」と恐る恐るダンスフロアへ・・・。
タンゴの音楽が流れる中、先生のリードで母がタンゴのリズムにのって踊り始めた。
すこしぎこちないステップとはいえ、なんとかちゃんとステップが踏めて、先生のリードについていっている。
「ママがちゃんと踊れている・・・。」
驚くわたしに、
「自転車とおなじで、体で覚えたことは時間がたっても忘れないんですよ。すこしずつ、思い出していきましょう。大丈夫ですよ。タンゴの世界を楽しみましょう。」
と先生。
母は好きなタンゴの曲に合わせて体を動かしていることが楽しそうだ。この数年間の間で初めて見る生き生きとした母の表情が印象的だった。
母のダンスを見ていた次女が「わたしもタンゴを踊ってみたい!」というので、先生のリードでタンゴの世界を初めて体験。亡くなった主人の父も社交ダンスが大好きだったと聞いている。次女は家族のダンス好きの血を受け継いだのか、初めて経験したタンゴの世界にすっかり魅せられたようだ。
さっそく、来週から2人で1時間、個人レッスンをしていただくことが決まった。
タンゴをきっかけに、母は神戸での楽しいシニアライフを過ごすことができそうだ。
孫娘と一緒にレッスンというのも気分が若返って楽しいはずだ。
来週から始まるレッスンが楽しみだ。
「レッスン中なので、おかまいできませんが、レッスンをどうぞ見ていてください。」
どうやら私達は、個人レッスンタイム中にお邪魔したようだ。レッスンの生徒は男性。長身の男性と長身の先生がペアになってステップを練習している。かなりの上級者のようで、複雑なステップを先生の指導で繰り返し練習していた。男女のカップルでのタンゴを見慣れている私達にとっては、男性同士が組んで踊っている姿はちょっと不思議な光景だったが二人ともすらりとしてスタイルが良いので、見た目にも美しい。母は目を輝かせて、二人のレッスンの様子を眺めていた。「この曲はタンゴのワルツ。踊るのはむずかしいのよ。」とか「この曲のCDを持っているわ。」と、次々と流れるタンゴの音楽を楽しんでいるようだった。
ひととおり、男性のレッスンが終わると、先生は、私達のところに来て、
「木曜日に来ていただいたんですね。見たい映画があって、急に見に行くことになったもので、失礼しました。いつもは3時から5時までカフェタイムでオープンしているのですが・・・。」
と話し掛けてきてくださった。
母が10年前ぐらいにアルゼンチンタンゴに熱中して、四谷のタンゴサロンに通いつめていたことや、病気をして神戸に引っ越してきたので、健康のためにもタンゴのレッスンをしてみようと思っていること、などを先生に手短につたえると、母に、
「すこし踊ってみますか?」と声を掛けてくれた。母は先生にエスコートされ、「踊れるかしら・・・」と恐る恐るダンスフロアへ・・・。
タンゴの音楽が流れる中、先生のリードで母がタンゴのリズムにのって踊り始めた。
すこしぎこちないステップとはいえ、なんとかちゃんとステップが踏めて、先生のリードについていっている。
「ママがちゃんと踊れている・・・。」
驚くわたしに、
「自転車とおなじで、体で覚えたことは時間がたっても忘れないんですよ。すこしずつ、思い出していきましょう。大丈夫ですよ。タンゴの世界を楽しみましょう。」
と先生。
母は好きなタンゴの曲に合わせて体を動かしていることが楽しそうだ。この数年間の間で初めて見る生き生きとした母の表情が印象的だった。
母のダンスを見ていた次女が「わたしもタンゴを踊ってみたい!」というので、先生のリードでタンゴの世界を初めて体験。亡くなった主人の父も社交ダンスが大好きだったと聞いている。次女は家族のダンス好きの血を受け継いだのか、初めて経験したタンゴの世界にすっかり魅せられたようだ。
さっそく、来週から2人で1時間、個人レッスンをしていただくことが決まった。
タンゴをきっかけに、母は神戸での楽しいシニアライフを過ごすことができそうだ。
孫娘と一緒にレッスンというのも気分が若返って楽しいはずだ。
来週から始まるレッスンが楽しみだ。
