40歳で慶應義塾医学部大学院へ

 入学を決意億万長者として世間に名を知らしめる麻生氏だが、いまだにその挑戦への意欲は衰えることはない。事実、40歳にして慶應義塾大学医学部大学院へ入学し、卒業も果たした。 

 

「昔から『自分が劣等生だ』という強いコンプレックスがあったので、『慶應に入ったら、みんなの見る目が変わるんじゃないか』と思ったのが大学院進学の理由です。事実、慶應大学の大学院を卒業してからは、周囲の反応は変わりました。勉強は本気で大変でしたが、時間とお金を投資した価値はあったと思います」  

 

 さらに、45歳では趣味のヴァイオリンを極めるために音楽大学へと入学。こちらも卒業後、ヴァイオリニストとしての活動も始めたという。

 

 「本気でやっていると、周囲の人が助けてくれるんですよね。同級生や先生、秘書さんなど本当に多くの人に助けられました。また、若さや時間はない分、経済力はあるので、移動はタクシーを躊躇せずに使ったり、練習部屋を近所に借りたりと、いろんなウラ技も使えたのも社会人の学び直しならでは。今後も、やってみたいことは限りなくあるので、生きている限り勉強は続けたいですね」

 

挑戦を続けるには「自分を好きになること」が大切

 失敗が続くと、人間は誰しも「自分には価値がない」と自己肯定感が下がり、挑戦するのが怖くなるもの。ただ、これは不幸なことだと麻生氏は語る。
 
 「『自分には価値がない』『自分を好きになれない』と思い込むのは、不幸なことですよね。ただ、自分を愛せないと他人も好きになれないし、自信を持って何かに踏み出すことができなくなるので、まずは自分を愛してあげてほしいです。自分を愛せるようになるために、勉強したり、努力したりすることは、決して悪いことじゃないと思います」  
 
 また、自身の専門分野である美容整形に対しても、「自分の外見を変える努力をするのは、悪いことではない」と続ける。
 
 「現代の教育の問題点は、『実は社会は平等じゃない』と教えない点です。たとえば、見た目がいいほうが得するし、人気者になれるというのは事実。僕の専門分野である美容整形に対しても、ルッキズムを助長すると非難されることもありますが、仮に容貌に自信がなくて一歩踏み出せない人が、自尊心を回復する手段として美容整形を選ぶのは全く悪いことではない。  
 
 以前、ネット上で『お前はそんなことを言うが、自分の娘にも豊胸手術をするのか』と言われたことがあるのですが、仮に自分の娘が自分の胸で悩んでいるのなら、手術します。なぜなら、その悩みのせいで人生に挑戦できないのは、あってはならないことだから。外見と心のコンプレックスを治す医者として、僕は今後も活動を続けていきます」