師走やね!

 

いや〜〜、寒くなってきてこの物語の時期の感じになってきたね。

この年は社会的には震災有り、オウム有り、またご存知の通り個人的にも激動やったけど、これを書き始めた2016年もまた凄かったね〜。
知人友人も亡くなったし、有名な人いっぱい亡くなったし、事件事故テロ紛争もどれがどれか分からんくらいやし....。

そういや、日本の著名人が身を滅ぼしたニュースも多かったね〜〜!

で、何が言いたいかと言うと、

『生き残る』ってのは大変だ!

ってことですよ!


さて、車がゴロゴロ転がる事故から生き残ったドーザンはどーなった??

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

 



病室で目が覚めた。

が......、体がまったく動かない......。

横たわるベッドの頭に壁、右に壁、左にカーテン、首から下は動かなくて足の向こうがどうなってるかは分からない....。


『ここは.....ドコ?』


(はははは、リアルであんまり自分がドコにいるか分からなくなるってなかなかないから、こう言うのが救急車で運ばれたりした時の醍醐味やんね!)

個室ではなさそうだが、あまり人の気配がしない。

昼か夜かも分からない。

『へ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜い!』

声を上げると天井のカーテンレールから吊られた左隣のベージュのカーテンの向こうから声が来た。

隣男『おい、どうした(英語で)』

(うわ!)
(隣に人いるやん!)

ドーザン『Hello ........Where are we ???』

隣男『Here ?  It's Vegas !』

(おぉ...ラスヴェガスか......)

かなり予定は違ったが目的地に着いたようだ。

ドーザン『アンタはどしたん⁇』

隣男『車で電車にぶつかったんや』

ドーザン『えーーーーー!!!』

隣男『......踏切でな 』

ドーザン『......マジかよ...... 』

(マジか......??)

なぜそう感じたか分からないが、

(なんかウソっぽい......な......。)

と、感じた。

ん〜〜…

(いや、そんなやつ、おらんやろ〜〜〜〜〜〜!!!)

(ホンマやったら普通それ往生(死亡)、し・ま・っ・せ〜〜〜〜〜〜!!)

と、俺のインサイドヘッド大木こだま師匠のガラガラ声が頭にこだました(笑)けど、隣男も声だけ、自分も全く動けないから答え合わせが出来ない。

と、そこで看護婦さんが気付いてやって来た。

『ヘイ〜、気分大丈夫?』

『大丈夫やで......でも、俺どーなってんの??』

『ちょっと待って......ドクター呼んでくるわ〜〜』

(そーいや俺の体、どーなってんの......??)
(足......なんも感じへん......足あるんか......?? )

(あっても切らなくちゃいけないとか........???)


色々、不安になってきた......。

1989年の映画『7月4日に生まれて』で、トムクルーズ扮するヴェトナム戦争帰還兵が半身不随になって、自分の尿が容器まで通る管を振り回しながら、その境遇を嘆き怒り喚き散らすシーンを思い出す……。

若い成人男性にとって下半身の機能がなくなる悲劇……!

(お、待てよ…)

ヘリコプターの中でのことを思い出した。

寒い冬のネヴァダ上空を素っ裸で担架に乗せられれていたのである。

ブルッ

ときて尿意をもよおした…。

しかしどーーする!?この状態で!笑

(尿瓶(しびん)?……やな!!)


しかし、有るかな、ここに??
ていうか、尿瓶て英語でなんて言うの??

 

『urinal』とか『chamber pot』などというらしいが、知るわけがない!

 

おしっこは英語で『pee』『piss』 『urine』←これは日本語で『尿』って感じ。

その時は知らなかった。

 

試してみた...。

 

『Give me a pee bottle please ??』

 

救急隊員『OK here you go (はいよ、どうぞ)!』

 

と、サクッと通じて渡してくれたガラスのピーボトルを手に、担架に全身ガチっと固定されたドーザンは、なんとか持ち前の体の柔らかさと気合いでグイーっと腰をひん曲げてピーボトルの口にナニをツッコミ用を足した。

 

『ふぅぉぉぉぉ〜〜〜〜〜〜、助かった。。。。(←ここが“助かった感”のピーク笑)』

 

(繰り返すが、ネヴァダ上空、真冬、素っ裸、担架に固定されての必死のひと時.....。ははははは。もう二度とイヤやね。)

 

 

と、いうわけで“下半身”が健在だってことは確認済みであったのを思い出した。

 

 

そこで、先生登場!!

 

 

『え!!黒人????』

 

なんと!!アフリカ人のドクター・ワバラがドーザンの執刀医であった!!

 

その後15年ほど経って初のアフリカ系大統領がアメリカ合衆国に誕生するわけだが、その当時はまだ、黒人エリートなどがあまり映画に登場しなかった時代のように思われる。

少なくとも“黒人の医者がいる”、しかも“アフリカ人がアメリカで医者になっている”なんて思いもしなかったドーザンはまぁまぁびっくりしたのさ。

今思えば、ヴェガスっていう自由な土地だったのもあるのかな??

 

俳優で言うと、ジェームズ・アール・ジョーンズ(ダース・ヴェイダーの声をやってたと今wikiで知った!)似(やったような気がする)のワバラ医師はとても知的で、丁寧に説明してくれた。

 

『君の顔の骨は、衝突時、骨折して歯と共に飛んでいってしまってる。膝蓋骨、いわゆる膝のお皿が真っ二つになってるからこれは専門医が手術したほうがいい。第二中足骨、つまりつま先の指と足の骨が複雑骨折、足の裏も破れてたので縫っておいた。あとは、顔や首を何箇所か縫ってあるが、他にあちこちにある擦り傷は、ガーゼなどせず自然治癒に任す。それが最近の治療法なんだ。足や口の中を縫うのに全身麻酔を使ったから今はまだ身体中麻痺してるし、全身打撲してるからまだ体は動かないと思うよ。』

 

ドーザン『.......I see(そうですか...) ......』

 

『しかし、君ラッキーだよ。この感じの事故だと8割死んでるよ。』

 

そう言ってワバラ医師は去って行った。

 

ドーザンは、体が動かないのも、足の麻痺も理由が分かったので、ある意味、ほっとした。誰が今の自分の状態を知ってるかも、これからどうしたらいいのかもさっぱり分からないが、なんせ動けないからどーしようもない。。。

 

金髪看護婦『Thank GOD !(神に感謝ね!)』

 

ドーザン『え?』

 

この先、この事故のことを話すたび毎回聞くことになる決まり文句である。

『Thank God!』。『良かったね〜!』くらいのニュアンスかもしれないが、こんなことになって『神に感謝』とは、日本人であるドーザンには最初は違和感があった。『Oh my God!』が『なんてこった〜!』みたいなニュアンスとある意味同じか。

そういや、ユダヤ教であるジェシーも『Jesus Christ!(ジーザスクライスト!)』ってのが口癖やったな。

 

悪い部分じゃなく、“死ななかった”という良い部分にスポットを当てる、って感覚も面白かった。

 

ドーザン『ところで...。』

 

『隣の人どーゆー状態なの??』

 

金髪看護婦は顔を曇らせた。

 

『車と電車の衝突で、首から下が不随なのよ。。。。。』

 

 

『!!!!!.......』

 

 

『.....そーなんや.....』

 

 

 

(ホンマなんや。。。。。。しかも。首から下動かへん、って。。。。。どうりで同じ部屋の新入りである自分のベッドに挨拶に来たり出来ないワケや。。。)

 

こうしてドーザンは、動けるようになって退院するまで、首から上しか動けなくなった男とカーテン一枚隔てて顔も見ずに、二人部屋のベッドを並べて寝たっきりという、奇妙な一週間を過ごすことになった。。。。

 

 

続く。。。。

 

 

 

 

コメント、リツイートてきとうにお願いしますよ!

 

皆さん、来年もしっかり生き残りましょう!

 

では、よいお年を!