続き。。。

 

 

さて、ドーザンは手術室に消えていった。。。

 

 

先に手術をしていたジェシーは、どうなっていたのだろう。

 

『先が気になる!!!』

 

と言ってくれている読者諸氏も、この物語は、時間を遡っていっているので、第7話で、事故の後にドーザンがジェシーと共にジェシーのおバアさんのお宅にステイしている場面を既に描いているので、『生き延びてはいる』というのを既にご存知のはずである。

 

そもそも、事故事故とは言っているが、砂漠の高速道路を冬の深夜にかっ飛ばしていたジェシーのおバアちゃんが持ち主である銀色の高級セダン“メルセデス・ベンツ”と!その中の3人に!一体何が起こったのか.............!

 

運転していたのはジェージーの友人マイク、いやデイヴィッド、いやジャック、マーク、ケリー、ん〜〜〜〜〜〜!名前が思い出せない!!事故以来会っていないあの彼!(トニーやったかなぁ..ここではトニーにしとこう......)(あ!『トニ、トニ、トーン』の話をしてた気がしてきた!トニーかも!)

 

そのトニーが、事故後言うには

 

『コヨーテがいきなり飛び出してきた!!!』

 

で、とっさにハンドルを切ってしまった次の瞬間!

3人を乗せたメルセデスは、

 

スリップして!(ザヴァッ!!!キュッッッッ!!!)

 

すっ飛んで!(ピヒューーーーーーン!!!!)

 

転がって!(ガジャンぐるんガジャンぐるんガジャンぐるんガジャーーン!!!!)

 

で、ひっくり返ったまま止った!!!!(ガジャズドーーーーーッッッ.............)

 

 

 

と、

いうことらしい..........。

 

 

その時、ジェシーは助手席(アメリカでは右側)で、右手を窓に置いた枕状態にして、顔を手の平にうずめて眠っていた。

 

その為、事故の瞬間その右腕を打ちつけた衝撃で右手の手首を骨折し、顔の右側の目の上から頭頂部近くまでが切り裂かれ、後々自分の尻の皮を頭に移植しなくてはいけない様なヒドい怪我を負っていたのだ。

 

タフなジェシーだからまだ悲壮感が少ないが、これが女の子であったりしたら、人生も性格も破壊されていたんじゃないかと想像する........。

 

が、彼は全く落ち込む様子を見せず、それをネタにして、

 

『俺は本物のBUTT-HEAD(直訳するとケツ頭)だ!笑』

 

とケラケラふざけていた。。

 

『Butthead』というのは、辞書を引くと『恥さらし、がさつ者』と出てくる。

ButtはButtocks(尻)の略語である。

 

当時アメリカのMTVで『Beavis and Butt-Head』と言うアニメが放送されていて若者の間で人気があったのだが、主人公である下品でガサツなBeavisとButt-Headという学生が、ひたすらダラダラとグチや悪態をつきながら時にトラブルを巻き起こすストーリーだ。

MTVのプログラムであるこの番組の面白かったのは、2人が家で見ているテレビにアーチストのMVが流れ、それを2人が鑑賞しながらダラダラとケチをつけるという構成であった。

日常的に2人は『あまり言ってはいけないこと』を言って『あまりやっちゃいけないこと』をやるのだが、それをMVに向かってもやるので、『アーチストと言えば褒めるもの』と、なりがちな音楽番組の殻をやぶったそのスタイルが新しくてウケていたのである。

 

これもYOUTUBEで見つけることが出来た。

むかーしの、しかも外国の番組をこうして見つけれて、こうやってブログに貼ってシェア出来るなんてインターネット時代はホントに凄いね!

 

ジェシーの言う“Butt-Head”とはコチラの方のことであった。

 

この“ケツ頭”を何針縫ったのだろうか?

おバアちゃんの家で療養中の期間に、その“特大のムカデ”がくっついている様に長々と伸びた縫い傷についてドーザンにこんなことを言っていた。

 

『そういやこれ、麻酔せずに縫われたぜ!』

 

『ワオ!!!マジかよ!なんで?』

 

『どんだけ我慢出来るか試してみたわー!』

『医者も途中で気がついて“あ!麻酔打ってなかったけどキミ大丈夫か!?”って聞かれたけど、もう終るところやったわ〜!』

 

と。

 

そう、“タフな”と、彼のことを言ったのは、こんな感じだからである。

怪我することに関しても、傷跡に関しても、あまり恐れていないタイプなんだろうとドーザンが彼について考えていたのは、彼が総合格闘家を目指して普段からグレイシー柔術の道場に通っており、いつもその話をしていたからでもあった。

 

彼の部屋のトイレにはLAやサンフランシスコの紀伊国屋か旭屋だかで買った『格闘技通信』などの日本の格闘技雑誌が数冊雑然と置いてあり、普段から

 

『日本に行ってフナキをブッ倒してやる!』※パンクラスを設立した舟木誠勝さん。

 

と、鼻息を荒くしていた。

 

格闘技修行の為に日本に行こうとも思っていたようで、日本語の勉強をしていると言っていたが、いつも口から出てくる日本語は

 

『コレワ クソ デス!!!』

 

くらいだったので、どれだけ真剣だったかは分からない。笑

(『I think so』の最後を『クソー!!』に聞こえる様に発音するのも好きだった。)

 

(外人さん達がまずスラング、汚い言葉、罵り用語を憶えようとするのオモシロいよな。よっぽど普段自分たちの言葉での会話の中に使うからそれが無いと喋れる気がしないんやろう。)

 

なので、ドーザンが“ユダヤ人へのに興味”が有って、彼も彼で、日本に興味が有ったというところで、お互いにとってガイダンス的な出会いだったのかも知れない......。

 

お陰でドーザンの耳にもどんどん英語が入ってくる様になっていったし、語学学校の外人さんだけでなく、サンフランシスコに住んでいたジェシーのいとこなどハタチ前後の白人連中のノリが見れたのもおもしろかった(ヘヴィメタ?みたいなのかけながらパーティーして、ぶっとい水パイプでマリファナ吸いながら女の子と"ニガー"という言葉について話し合ったりしてたなぁ......)。

 

なので、『さぁ、今度はLAか!楽しみや!』

 

と、ジェシーの里帰りに付き合って、 カリフォルニア州を南に移動した。

 

そして、あまり寒くないLAの冬をダラダラおバアちゃんちで過ごしていたある日、

ジャシーが、

 

『ドーザン、正月、ラスヴェガス行こうぜ!!!!』

『バアちゃんのコネのある全米ポルノ大会見にいけるぜ!!!!!!』

と、言い出したら

 

『おーーーーぅ!!!行こうぜーーー!!!!』

 

と、当然なり、レンタルビデオ屋チェーン『BLOCKBUSTER』で働いていた、ジェシーと同い年で同じ様な黒めで短い髪、同じ様な肌の色のユダヤ人友達トニーも誘って、男3人、年明け数日経った夕方のLAを後にして、そのネヴァダ州の、世界に名高い歓楽地を陸路目指したのだった!!!!!!!!

 

しかし!!!

 

その数時間後、3人を乗せた高そ〜〜うな銀色のメルセデス・ベンツはガッチャガチャのペッチャンコになって、真っ暗な道路に転がっていた。

 

さすが高級車のエアバックのお陰か、なんとほとんど無傷だったトニーは、なんとか車から這い出して、すぐさま助手席のジェシーを車外に引きづり出した.......。

 

しかし!!!!!!!!

 

助手席にいたはずのドーザンの姿が!!!!

車内に、ない!!!!!!!!

 

トニーは周りを見渡して、叫んだ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あーーーーーーーーーっっっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く。。。。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

久しぶりに合い言葉を出します。

 

『コレワ クソ デス!!!』

 

自分の『クソ』な思い出でも思い出してコメント書き込んでな〜〜!

 

では次回まで、アディオス!