続き。
鏡を見たドーザンを襲ったのは、先ほどを上回る驚きだった。
孤独の中の驚きは迫力である。成り行きに対する恐怖と対応を一身に背負わねばならない。
そう、読者諸氏の想像通り(それを超える程度かは分からぬが)、それはモノの見事に悪化していた。
形容してみると、先ほどは瀬戸内海かカリブ諸島の様に広いドーザン海に小島が点在していた程度だったが、それらがなんと、互いにふくらみ、接触し、仕舞には合体し、立派に四国や九州ほどのサイズ感に育っているのである。
こんなことは、子供の頃から幾度か繰り返したジンマシン体験で初めてだ。
もう、掻くと痛い感じになってきていて、パンパン叩く、クっと指5本の爪で刺す、顔をパシャパシャ洗う、腕を洗面台に出来るだけ突っ込んで蛇口から冷水をジャーーーっ！と直撃さす…。手を変え品を変えカユミに対処しようとせわしなく動く。
それでも、どんどん体がカユくなるるる！熱くなるるるるるるるる！
田舎は知らないが、アメリカの都会のビルの暖房は一部屋ずつでなく、オイルヒーティングで建物ごと暖めるところが多い。
冬が寒く、暖かい時期も短いサンフランシスコの部屋は気密性が高く暖房がしっかり効いている。
その長所は建物中まんべんなく暖まることだが、短所は部屋ごとの調節が出来ないことだ。
ポカポカの暖房はドーザンの全身の皮膚の一層下のカユミ源をポッポポッポ燃やし続けた。
ドーザンは、たまらず上半身裸になり、手ですくってパッパッと体に浴びせる。
ズボンも脱いで足にも浴びせる。
それでも全く収まらないカユさに心が乱れる…。
『ゔ———カユいアツいカユいアツいカユいカユいアツいカユいアツいッ！！！！』
『あ”—————————————ッ！！！！！』
これから一体どーなるのか。。。
さあ、今回はもったいぶらずに描写を続けよう。
この体中に出来た大きめの島は、隣りの島と合体しオーストラリアになり、南米大陸になり、アフリカ大陸になり、ユーラシア大陸になり！
それらが隣りに迫りまた合体する！
さながら、有史以前に存在したという太初の超巨大大陸パンゲアへの回帰である。
いや、海部分を枯らしながら全て覆っていく様は、かつて地球史上なかった現象である！(俺の体やけど。。。)
そしてついに！ついにそれらは全て一つになった！！！！
つまり、母なる(父なる？)大地であるドーザンの体を赤く膨れた湿疹の陸地がまんべんなく覆いきり、全身を数ミリだけ膨らましてしまったのである。
おぞましいその見た目は形容出来てもその経験したことの無い辛すぎるカユさをなんと形容していいだろう…。
イントロの間のズラし方がカッコ良過ぎてドーザンにショックを与えたブルーハーツのあの曲（タイトル出てこない）のフレーズの感じである。
キーーーーーガーーーークーーーーーーーーーーーーうーールーーイーーーソーーーオーーーー！！！
ラーラーラーラーラーラーラー♫（ヤカマシわ！）
洗面所の水をパチャパチャやっていても、まさに焼け石に水なのでシャワーを直接浴びることにした。
が…、これもまた救済でなく、一種の苦行以外のナニ物でもなかった。
まず、松葉杖でアメリカの高いバスタブを超えることの難しさに気がついた。
左半分が天井までガラスの壁に覆われており、右半分を閉めてガラス張りの個室状態にする形のそれの、外に松葉杖をついてのり超えようとしてもバスタブが高くほぼジャンプするカタチになり危ない。バスタブの中に松葉杖を着くのはスベって更に危ない。
（松葉杖経験者は分かると思うけど、一瞬床で滑った時のヒヤっと感、エグいね。雨の日は傘も持てないし最悪やんね？）
第2中足骨、つまり足の中指を複雑骨折、そして膝蓋骨、いわゆる膝のお皿をまっ二つに割ってしまっている右足を着地さすことは出来ない。
なんとか、松葉杖のまま部屋に有った椅子をバスタブ横まで移動させ（これも一苦労！）、にじり動きでなんとかバスタブに入り、壁に備え付けのシャワー蛇口から勢い良く水を胸に浴びせた！
ジャーーーーーーーーーーーーーッ！！！！！
『ヒャーーーーーーーーーーーーーッ！！！！』
ははは、冷たいのなんの！
真冬に水シャワーですよみなさん。
全身死ぬほどカユい or 死ぬほど冷たい 。。。
ブッダは正解やったね。苦行なんかしても悟れる分けない！
この超イヤな2択の行ったり来たりで朝まで過ごしたドーザン。。。。
かわいそうに….。
そして、まったく症状が収まらないまま地獄の数時間を過ごし、午前10時頃、病院に向かうため部屋を出た。
苦しみで、ストリートで片足地団駄を踏みながらタクシーを待つドーザン、
『うううううカユいカユいカユいッ！！！そもそもこんなん状態で手術出来るんかッ！？』
全身赤く腫らした鬼の形相の若い日本人を乗せたタクシーはサンフランシスコの坂道を、病院へと走り出した。
続く。
いや～、ここまで結構引っ張ったから今回は長めやけどなんとか朝まで辿り着いたよ。
しかし、ホントに長い夜やったから、我ながら感じが出せた気がする。
こんなん書くの初めてやしね。
読んだらコメント欄に『読んだよ！』の代わりに、
『Gostei !! 』ってかいてみてチョ！
ポルトガル語で『気に入った！！』って意味やで。
英語やと『I liked !!』かな。
じゃあ次もお楽しみに～
チャオチャオ～
鏡を見たドーザンを襲ったのは、先ほどを上回る驚きだった。
孤独の中の驚きは迫力である。成り行きに対する恐怖と対応を一身に背負わねばならない。
そう、読者諸氏の想像通り(それを超える程度かは分からぬが)、それはモノの見事に悪化していた。
形容してみると、先ほどは瀬戸内海かカリブ諸島の様に広いドーザン海に小島が点在していた程度だったが、それらがなんと、互いにふくらみ、接触し、仕舞には合体し、立派に四国や九州ほどのサイズ感に育っているのである。
こんなことは、子供の頃から幾度か繰り返したジンマシン体験で初めてだ。
もう、掻くと痛い感じになってきていて、パンパン叩く、クっと指5本の爪で刺す、顔をパシャパシャ洗う、腕を洗面台に出来るだけ突っ込んで蛇口から冷水をジャーーーっ！と直撃さす…。手を変え品を変えカユミに対処しようとせわしなく動く。
それでも、どんどん体がカユくなるるる！熱くなるるるるるるるる！
田舎は知らないが、アメリカの都会のビルの暖房は一部屋ずつでなく、オイルヒーティングで建物ごと暖めるところが多い。
冬が寒く、暖かい時期も短いサンフランシスコの部屋は気密性が高く暖房がしっかり効いている。
その長所は建物中まんべんなく暖まることだが、短所は部屋ごとの調節が出来ないことだ。
ポカポカの暖房はドーザンの全身の皮膚の一層下のカユミ源をポッポポッポ燃やし続けた。
ドーザンは、たまらず上半身裸になり、手ですくってパッパッと体に浴びせる。
ズボンも脱いで足にも浴びせる。
それでも全く収まらないカユさに心が乱れる…。
『ゔ———カユいアツいカユいアツいカユいカユいアツいカユいアツいッ！！！！』
『あ”—————————————ッ！！！！！』
これから一体どーなるのか。。。
さあ、今回はもったいぶらずに描写を続けよう。
この体中に出来た大きめの島は、隣りの島と合体しオーストラリアになり、南米大陸になり、アフリカ大陸になり、ユーラシア大陸になり！
それらが隣りに迫りまた合体する！
さながら、有史以前に存在したという太初の超巨大大陸パンゲアへの回帰である。
いや、海部分を枯らしながら全て覆っていく様は、かつて地球史上なかった現象である！(俺の体やけど。。。)
そしてついに！ついにそれらは全て一つになった！！！！
つまり、母なる(父なる？)大地であるドーザンの体を赤く膨れた湿疹の陸地がまんべんなく覆いきり、全身を数ミリだけ膨らましてしまったのである。
おぞましいその見た目は形容出来てもその経験したことの無い辛すぎるカユさをなんと形容していいだろう…。
イントロの間のズラし方がカッコ良過ぎてドーザンにショックを与えたブルーハーツのあの曲（タイトル出てこない）のフレーズの感じである。
キーーーーーガーーーークーーーーーーーーーーーーうーールーーイーーーソーーーオーーーー！！！
ラーラーラーラーラーラーラー♫（ヤカマシわ！）
洗面所の水をパチャパチャやっていても、まさに焼け石に水なのでシャワーを直接浴びることにした。
が…、これもまた救済でなく、一種の苦行以外のナニ物でもなかった。
まず、松葉杖でアメリカの高いバスタブを超えることの難しさに気がついた。
左半分が天井までガラスの壁に覆われており、右半分を閉めてガラス張りの個室状態にする形のそれの、外に松葉杖をついてのり超えようとしてもバスタブが高くほぼジャンプするカタチになり危ない。バスタブの中に松葉杖を着くのはスベって更に危ない。
（松葉杖経験者は分かると思うけど、一瞬床で滑った時のヒヤっと感、エグいね。雨の日は傘も持てないし最悪やんね？）
第2中足骨、つまり足の中指を複雑骨折、そして膝蓋骨、いわゆる膝のお皿をまっ二つに割ってしまっている右足を着地さすことは出来ない。
なんとか、松葉杖のまま部屋に有った椅子をバスタブ横まで移動させ（これも一苦労！）、にじり動きでなんとかバスタブに入り、壁に備え付けのシャワー蛇口から勢い良く水を胸に浴びせた！
ジャーーーーーーーーーーーーーッ！！！！！
『ヒャーーーーーーーーーーーーーッ！！！！』
ははは、冷たいのなんの！
真冬に水シャワーですよみなさん。
全身死ぬほどカユい or 死ぬほど冷たい 。。。
ブッダは正解やったね。苦行なんかしても悟れる分けない！
この超イヤな2択の行ったり来たりで朝まで過ごしたドーザン。。。。
かわいそうに….。
そして、まったく症状が収まらないまま地獄の数時間を過ごし、午前10時頃、病院に向かうため部屋を出た。
苦しみで、ストリートで片足地団駄を踏みながらタクシーを待つドーザン、
『うううううカユいカユいカユいッ！！！そもそもこんなん状態で手術出来るんかッ！？』
全身赤く腫らした鬼の形相の若い日本人を乗せたタクシーはサンフランシスコの坂道を、病院へと走り出した。
続く。
いや～、ここまで結構引っ張ったから今回は長めやけどなんとか朝まで辿り着いたよ。
しかし、ホントに長い夜やったから、我ながら感じが出せた気がする。
こんなん書くの初めてやしね。
読んだらコメント欄に『読んだよ！』の代わりに、
『Gostei !! 』ってかいてみてチョ！
ポルトガル語で『気に入った！！』って意味やで。
英語やと『I liked !!』かな。
じゃあ次もお楽しみに～
チャオチャオ～