2017年を終えるに当たって、当ブログが進んでいく方向性を考えてみた。

ブログ解説当初は、和紙をめぐる世界について、触れていこうと思っていた。

ただ、色々な人たちと話していくうちに、和紙の世界が持っているジレンマは、

日本が古来から持っている文化が持っている悩みと同じ。

 

基本は、西洋文明という大きな波に飲み込まれている。

書道、日本画、雅楽、能楽、日本の住宅、宗教、みな同じ現象に悩んでいる。

ただ、その一方で、西洋に進出して、グローバルに一定の評価を得ているものもある。

茶は、Tea Ceremony,

お花は、Flower Arrangement, 

和食は、 Japanese Cuisineもしかりである。

この違いは、いったい何なのだろうか?

 

そういうグローバリゼーションの波に乗れた日本文化は、どこが違うのか?

ローマは一日にして成らず。どういう努力を重ねてきたのか?

そういったことを、取り上げて提案していければ、

単に、和紙の紹介にとどまっていくだけより、

自分のやっていきたいことなのではないのか。

 

それに気づかせてくれたのが、広島県の大竹和紙を訪れた時。

大竹和紙を含めた広島は、戦後まもなくまでは、生産地として活躍していた。

それが、現在は、手漉き和紙を専門で生産している人はいない。

保存会というのが、週に、数回生産しているだけだという。

これは、大竹だけの事象ではないた。日本各地の手漉き和紙の生産者は、激減している。

 

生産者の高齢化も大きな問題。

和紙の需要家も、日本文化の衰退と共に高齢化の波にさらされて減少している。

ここを脱しなければ、将来は無い。

そうなる前に、手を打たないといけない。

日本では、自力で解決できないと、すぐに行政に頼る傾向がある。

カンフル剤として行政に頼る場合があっても、いったん、行政に頼ると、将来はない。

農業を見てみればわかる。補助金漬けになって、高齢化の問題は解決しない。

そして、農地は荒れ放題になっている。

 

ただ。暗いトンネルの向こうに、一筋の明かりは見える。

それは、世界は、日本の文化を受け入れてきているという事実。

国内の需要家が、高齢化で減少していくならば、

需要を海外に求める以外ない。

そして、日本文化にたずさわる人達が高齢化していくのならば、

日本人の若い人を巻き込む。

そして、海外に人材を求めるのも方策ではないだろうか。

 

これを、来年からのブログの方針にしていきたい。

そして、国内の人に向けても、日本の良さを再発見してもらうために

色々な土地や、製品、文化を紹介していきたい。

京都、鎌倉をはじめとした寺社仏閣、日本各地にある美術館の紹介。

和食、日本の洋食、和菓子なども取り上げていきたい。

そして、当ブログの一番の特徴である

インタビューを通しての人間紹介。

更に、2017年は休止していた英語でのブログを再開する。

 

そういうブログを作っていきたいので、

読者の方々も気づいたことがあったらどんどん指摘、批評、批判、提案をしていただければ、

本当に幸いである。

 

最後に、今年、一年、本当にありがとうございました。

2018年も宜しくお願いいたします。