前回からの続きです。

 こんぴらさんはあまりにも有名ですが、実際に行ってみたということが無かったので、気軽な気持ちで行きました。ただ、調べれば調べるほど、覚悟がいる苦行のような感じでした。とはいえ、実際にはどうなのか?やはり、どこかで軽く思っていた部分もあり、その甘さを打ち砕かれることとなりました。

 

 ここが最終目的地かと思いきや、ここで半分。という結構、絶望的な衝撃がありました。見晴らしも良いし、

 

 ここでやめておこうかなと、一瞬思いました。次ぎ来ればよいか…いや、次があるのか?という感じですし、わざわざここまで来たのだから、最後まで昇りきらないといけないという相反した思いが交錯していました。この揺れる思いの中で、正直、体力的にイケるのか、これ以上の負荷がかかっても大丈夫か?という不安も、止める方向を後押しして、しばらく、まあ、10分ぐらいですけど、ベンチに座っていました。ただ、上から降りてきている人がちらほらいて、それも老夫婦?のような方達が降りて来てました。これならイケるかも。いや、こういう人たちには負けられない。せっかく来たのだから、登らないとダメだという気持ちがどんどん沸き上がり、あと半分なんだから、イケるやろという感じで、登ることを決意しました。

 

 ここをくぐると、後戻りはできないという強い気持ちで登り始めました。まだまだ、ある、階段の数々。やはり、体力的にはしんどいので、画像を撮影する余裕などありませんでした。階段を上り続けて、あと、山頂まで600mという標識があり、まだまだあるな~という感じでした。見渡す限りの階段地獄。上を見上げて階段を上ると、心が折れそうになるので、下を見ながら、一歩一歩、確実に登る。その積み重ねが頂上に近づくとという思考で階段を登りました。階段を登りきると、また上が見えない階段・・・こういうのの繰り返しでした。ちょっと階段恐怖症みたいな感じになりますね。途中に、お堂が…

 

 記憶は曖昧ですが、このお堂には崇徳上皇をお祭りしてあるようです。確かに崇徳上皇は讃岐に流され、怨霊化した不幸な上皇です。ここに祀られているのか、ここでも祀られているのかは不明ですが、怨霊鎮魂化としては舞台は整っているようには思いました。さらに、階段を登り続けると、頂上まで500mの標識が‥‥マジか!だいぶここまで昇ったけど、まだそんなものか・・・という落ち込みそうですが、それでも前を向いて登りました。もうこの辺ですと、登ることに集中して、というか、それ以外のことを思う余裕がなくなり、ひたすら階段を登るということしかできませんでした。休み休み登れば良いのですが、その休む空間みたいなものがないので、登り続けるしかありません。もう全集中で登ることに特化しました。何も考えることなく、ただひたすら階段を登ることだけしかしない。そういう感じで、ひとつひとつ登っていきました。すると標識が…あと200mの文字が・・・いきなり?という感じにはなりましたが、さらに、テクテク登っていきました。僕以外の登る人下りる人たちは皆、杖をついていました。なるほどね。杖は必要だけど、ここまで来たらもう仕方がないと思いながら、登り続けました。正直、登っている最中の記憶は曖昧です。どのくらい時間が経過しているのかも不明です。ただひたすらこの苦行を遂行することしかなかったです。どのくらい登ったか、わからないのですが、どうも、終わりが見えてきました。

 

 あのお堂が最終地点です。鳥居に頭を下げてくぐり、最終目的地のお堂に。

 

 休むことなく、お参りを。その後、ベンチに座って、小休止。この地点から見える景色も絶景でした。

 

 いやーだいぶ登ったよ。ベンチに座って、息が整うと、お堂の脇にある建物で、お守りを購入しました。中間地点のお堂のお守りを後押しするお守りのようです。ここで販売している人は毎回、登ってくるそうですから、凄いなと感心しました。いろいろとお話を聞けて、面白かったですね。特に、このこんぴらさんは昔から修行の場ということだったらしく、階段も明治時代に整備されたもので、それ以前は本当に山登りだったようです。確かに、階段であっても苦行でした。

 

 やはり幸運というモノは最初に試練があってこそということだそうです。試練を克服してから、幸運は訪れるということのようです。その試練が階段か…とはいえ、並大抵の階段ではなかったので、良いことがあるかどうかは別にして、登り切れたことで、僕は満足しました。

 

 さて、帰りの階段です。実は階段は降りる方が、筋トレになるのです。登りは持久力を高め、下りは筋肉を鍛えるというのが階段上り下りの効能です。ですから、ダイエットのための運動には非常に効率が良いのは以前から知っていました。下手に走るよりはよほど効率は良いのです。という知識はさておき、ちょっとフラフラの頭の状態で、登ってきた階段を降り続けるには注意が必要だと思いました。下手をすると転げ落ちる、調子に乗って、スピードを上げると危険だと思っていました。ですから、慎重に一歩づつ、噛み締めるように降りていきました。登ってきた時とは大違いの感じで、中間地点のお堂に到着。ここでは登り専用の階段と下り専用の階段と経路が違うので、そっちに回ることに。登っていた時には気がつかなかった、こういうモノもありました。

 

 お馬さんもいたのですね。気がつかなかった…この地点は登りで通過しているのですが…この地点までこのお馬さんを上げるのは大変だったと思いますね。

 

 順調に降りていくと、両サイドにお店が連なる地点まで来ました。下山までにはもうちょっとというところでした。登っていく時に見つけていた、喫煙所のようなところに立ち寄りました。この一服は美味しかった…そこで、アイコスの販売している人と雑談をしました。そこで、美味しいうどん屋さんはどこかを聞いてみました。この近辺のうどん屋さんははずれはないということ。どこに入っても、たいていの味は保証するとのことでした。でも、本当にレベルの高いうどん屋さんは宇田津や坂出の方に行かないと・・・とは言われたので、そこまで行く余裕も、調べることもしていなかったので、まあ、この近辺のうどん屋さんにしようかなと思いました。お礼を言って、さらに下山。その途中のお店でソフトクリームを買いました。こんぴらさんのお参り後のソフトクリームは美味しい!ちょっと、格別な味でした。なんてことのないソフトクリームですが、状況的に、一番美味しい!と思うソフトクリームでした。食べながら下山。時刻は13時20分。約2時間のお参りでした。お参りでこれだけの所要時間がかかるのはこんぴらさんぐらいでしょう。貴重な体験をしたなという思いでした。

 

 さて、うどん屋さんです。参道口を抜け、琴平駅の方に向かいました。行きの時に気になったお店があったので、当初準備し、予定していたお店は駅から遠いので断念し、そのお店にしました。

 

 いわのや さんです。いかにもって感じです。店主さんと従業員さん(女性)がいちゃいちゃしていたのが気になりましたが、ぶっかけうどんとセルフなので天ぷらを頼みました。こんな感じです。

 

 うどんはいかにも讃岐うどん!って感じです。食べても、あ~讃岐うどんや~!という感じで、ここでしか食べれないうどんであると思いました。ちくわ天ととり天なのですが、ちくわ天は普通でしたが、とり天は美味しい!とり天が美味しいお店はうどんも美味しいというのは僕の中にあります。美味しいうどんが食べれました。感謝です。ご馳走様でした。

 

 フラフラのまま、琴平駅で汽車を待ち、どうも直通で岡山駅には行けないようなので、乗り換えです。まあ、仕方がない。行きは特急で直通でしたが、この時間は特急は走っていない模様。もうフラフラで、乗る汽車を間違えてしまい、本当に乗るべき汽車まで走って行くと、わざわざ、乗せて頂けました。ラッキーでした。これも感謝です。こういうやさしいところが素敵ですね。汽車に乗って座れると、そこから爆睡。なんやかんやで、岡山駅に着きました。

 

 岡山駅に降りたのは約24年ぶりのこと。前回、岡山駅に来たときとはまるで街が変わっていました。こんなに立派だったか?という感じです。若い人が凄く多く街に出ていて、賑わっている感じです。それも意外でした。以前来たときはもっと閑散としていた感じがしてましたから。本来なら、岡山駅で降りずに、そのまま新幹線乗って帰るところでしたが、実は行ってみたいところがありました。岡山駅から徒歩10分。疲労困憊のまま、ある場所を目指しました。

 

 目的地到着。ここのフードコートにお目当てのお店があるのです。ピザで有名なお店です。岡山に来たら行かなければと思っていました。で、そのフードコートに入ってみると、お昼休みでした…涙。えー!フードコートでそういうことがあるの?というのが素直な感想ですが、岡山ではそういうことがあるのでしょう。時刻は16:00。夕方営業は17時からとのこと。どうしよう?と思いました。1時間ここで待つか、帰るか。もう足が限界です。意識ももうろうとしています。足はふくらはぎがすでに筋肉痛を発症してました。こういうコンディションで美味しいモノを味わえるのか?と思ったら微妙です。1時間が惜しくて、帰ることにしました。何の為に、岡山駅で降りたのかは不明な感じになりましたが、今度また来る機会を作ろうとは思いましたから、無念の撤退です。

 

 岡山駅まで戻って、駅ビルから切符を購入しようと思ったら、迷子状態。歩いても歩いても、改札口には到着せず、迷路みたいでした。で、いったん外に出て、そこから、改札口の看板を頼りに進みました。意識はもうろうとしています。疲労で大変です。切符も券売機で行列ができており、疲れるわ…という感じでした。何とか切符を購入し、岡山名物の鰆の押し寿司を探しました。実は以前、岡山に行く際に、調べて置いた記憶が蘇りました。結局はこの日まで岡山に行くことはなかったのですが、ピザが食べられなかったときの保険は当時考えてました。何とか、鰆の押し寿司を購入し、新幹線に乗り込もうとしました。またもや、反対のホームに行ってしまい、あやうく広島に向かうことになりそうでしたが、方向が変だと気がついて、大阪方面行のホームに行くという…本当にヤバい状態でした。新幹線には無事乗車でき、なんとか家までたどり着きました。

 

 画像を撮るのを忘れるぐらい疲弊していました。鰆の押し寿司の画像はありません・・・。ただ、あまりお勧めはしません。シソが入っていて、シソの味しかしない…鰆の淡白な味わいが全く感じない、凄く残念な感じになってました。値段は高かったのですが、コスパは悪いですね。まあ、これも経験してみないと分からないことですから、良いのですが、僕は個人的には二度と買いません。最後の最後で、こういうオチなので、こんぴらさんのお参りの効果はあまり期待しないでおこうかなと思っています。こんぴらさんのお参りは充実しましたが、疲れは半端ないです。次の日の午後には足の筋肉痛がマックスになり、非常にしんどい目になりましたし…こんぴらさんのお参りはある程度、体力的に自信がある時に行った方が良いところだと思います。エレベーターもエスカレーターもありませんから、それは外国人観光客もいないよね。という場所でした。僕は個人的には自ら進んで行こうとは思いませんが、行ってみないと分からないことは多々あります。それを経験できたのは良かったなと思います。それにしても濃密な一日になりました。