競馬というモノは本当に難しい。平場のレースではノーマークの馬が来ることはままあることですが、先週末のG1レースで、ノーマークの馬が勝つというのはシンプルに驚きました。とにかく、調教をベースに考えている人にとっては、あの調教内容では消しは確定でしたし、展開も、戦前はスローからミドルを予想していたのがほぼ主流でしたが、まさかのハイペース。そうなると、前にいた馬はほぼ全滅で、そういう展開予想から馬券を組み立てた人にとっては、厳しいケースです。しかも、差し馬が来るのは良いのですが、単勝200倍のブービー人気が差して来るとは…ヴィクトリアマイルのレース傾向としてザックリなのは荒れるということですが、こういう荒れ方は想定外。なかなか難しいと思わせるレースではありました。勝った、津村騎手はG1初制覇ですし、彼の勝利コメントでは1戦、1戦の積み重ねの結果、G1で勝てる馬に乗れたらを目標にしていたとのこと。積み重ねは本当に大事であると思いました。レースを数多くこなし、分析や反省を積み重ねて、積み重ねて、何事も上手くなっていくものだと思いますし、技術だけではなく、その経験値がいろいろなところに作用してくるものであると思います。何が起きるかわからない、走ってみないと分からない競馬という中で、凄く重い言葉だと感じました。そういう感じで、馬券ははずれましたが、凄く感慨深いレースでしたね。ということで、今回も重賞の回顧をしていきたいと思っています。

 

 

 5月11日 クッション値  東京  9.6  京都  9.5  新潟  9.1

 5月12日 クッション値  東京  9.5  京都  10.1 新潟  9.4

 

 

 5月11日 京王杯スプリングカップGⅡ。芝1400 15頭 晴れ 良馬場

 

 このレースは安田記念のトライアルレースにはなっています。とはいえ、安田記念には直結しないレースでもあります。芝1400のスペシャリストが集結する春の重賞というイメージです。高松宮記念からの流れのスプリンターがここに出てきて、通用するなら、安田記念にという感じですが、マイルと1400では全く違うレースになっているので、両方をこなせる馬は少ないかと。まだ1200と1400の併用の方が多い気はしてます。今週から東京はBコース替わりということで、スローペースならば、内前有利という馬場状況です。ざっとみても、生粋の逃げ馬が不在で、多分、⑫メイショウチタンが逃げるかと思います。ただ、東京ですから、そういう馬場傾向でも、直線が長いので差しが届いてしまうということはあります。ですから、上りの差し脚をもっている馬は優勢だと考えています。東京競馬場は極端に恵まれるということが少ない競馬場でもありますので、力勝負という側面が濃厚という感じです。ですから、1400が得意で力のある馬が馬券内に来るという予想をしました。

 

 予想

 

 ◎ ⑮ ウインマーベル

 〇 ④ レッドモンレーブ

 ▲ ② リュミエ-ルノワル

 △ ① トウシンマカオ

 △ ⑬ ダディーズビビット

 △ ⑪ スズハローム

 穴 ⑦ グランデマーレ

 

 ⑮ウインマーベルは1400巧者です。しかも当日は良馬場という絶好の舞台。とはいえ、大外枠になったのがネック。出していって、前の外目にポジションが取れたら、この馬が勝つでしょう。とはいえ、出遅れ癖もあるので、不安はあります。④レッドモンレーブはこの馬も1400巧者。とはいえ、後方からの差し競馬が得意なので、コース替わりのここはどうかという感じではあります。とはいえ、いつもこの馬を買わずに泣けたことがままあるので、今回は押さえたいかなと。②リュミエールノワルは3連勝の上り馬。前目につけられますし、内枠ということですし、鞍上が鬼の川田となると、押さえない訳には行きません。①トウシンマカオは僕の好きな馬ですし、ずっと買い続けている馬です。とはいえ、1400は長いかもという感じですし、1枠1番が飛びの大きいこの馬にどうなるのか?という感じです。伸び伸びと走らせれるかという点と、やはり右回りの京都、阪神の方が向いている感じはしています。⑬ダディーズビビットは前目につけられますし、昨年の3着馬。ここ3走の凡走で人気を下げていますが、1400巧者としては健在と思い、入れました。⑪スズハロームは栗東馬なのに輸送が苦手で、前週から美浦に入っているという馬です。厩舎の熱を感じますし、溜めての差し脚は良いものを持っていますから、ここは押さえます。穴馬は⑦グランデマーレ。まず調教が良くて、東京1400では前目にいて、勝っている馬です。前が残るようなレースでしたら、一発あってもおかしくないと考えました。このレース、他にも有力馬はいましたが、こと1400の適性が問われるという点で、消しました。で、買い目ですが、1頭軸はちょっと難しかったので、⑮ウインマーベルと④レッドモンレーブの2頭を軸にした3連複、25点買いで勝負しようと思っています。

 

 

 結果

 

 逃げたのは⑫メイショウチタン。二番手は②リュミエールノワルと外に⑮ウインマーベル。⑮ウインマーベルは今回出遅れなかった。代わりに出遅れたのは⑬ダディーズビビット。これはアカンがな…④レッドモンレーブは最後方。大丈夫か?ペースはそこまでスローにはならず淡々とミドルペースを刻んでいます。4角を回って直線に。⑫メイショウチタンが引き離す感じで先頭に。坂を上って、残り400mになると、⑮ウインマーベルが馬なりのまま、⑫メイショウチタンに並びかける。⑪スズハロームも良い脚で突っ込んでくる。大外から、最後方にいた④レッドモンレーヴが凄い脚で伸びてきて、一気に先頭に立つ勢い。残り200mを切る時には⑮ウインマーベルと④レッドモンレーヴの2頭の叩き合い。その後は間があっての3着争い。5頭が競り合う形で。先頭の2頭が並んでゴール。3着はわずかにかわしてと言ったところ… 結果、1着、⑮ ウインマーベル。2着、④ レッドモンレーヴ。3着、⑪ スズハローム 3連複配当 6,450円。これなら、1軸でも的中だった。2軸の両方が馬券内にくるのは馬券的に失敗。とはいえ、トリガミにはなっていないので、まあまあですが、反省点が残る結果に。あんまり重傷を勝っていないので、ついつい守りに入っている感じがします。もっと攻めの姿勢は必要ですね。馬券は獲りましたけど、反省するレースでした。馬券の買い方は難しい。

 

 

 5月12日 ヴィクトリアマイルG1 芝1600 牝馬限定戦 15頭 曇り 良馬場

 

 春の古馬牝馬限定G1はこのレースになります。マイルということですが、必ずしもマイル適性が疑わしい牝馬もここに集結してくるレースではあります。春の最強牝馬決定戦ですから、それなりの実績をもってここに臨んでくるのですから、なかなか難しいレースではあります。馬場傾向として、Bコース替わりという点で、このヴィクトリアマイルは前が残る展開で穴をあける馬が過去のレースではあります。今年も距離延長の先行馬が不在で、後方に有力馬が集結している感じです。ですから、スローペースか、またまたミドルでのペースで、万が一の前残りはあるかもという感じで、押さえていかなければいけない感じはしています。ヴィクトリアマイルは荒れるレースというイメージですが、ここ近年は1番人気は飛ぶものの、中穴人気での決着が多いという感じです。前目決着もあるうるので、それを想定し、重きを置いて予想していきたいと思っています。

 

 予想

 

 ◎ ⑥ マスクトディーヴァ

 〇 ⑩ ナミュール

 ▲ ② フィアスプライド

 △ ⑬ モリアーナ

 △ ③ スタニングローズ

 △ ⑭ フィールシンパシー

 穴 ⑧ サウンドビバーチェ

 

 ⑥マスクトディーヴァはモレイラ騎手ですし、モレイラ騎手は日本でG1を2個勝たないと、来年の日本の免許取得が出来ません。桜花賞で一つとっていますから、もうひとつ。流れから言ってもこのヴィクトリアマイルで勝たないことには難しいでしょう。この馬自身も出遅れが無ければ、充分勝てる力はありますので、自信の本命ですね。⑩ナミュールは昨年のマイルCSの勝ち馬。末脚で切れる競馬をして勝っています。ですから東京マイルは絶好の舞台。ただ、調整過程が疑問で、ろくに調教をしておらず、ここは安田記念へのたたき台とみるのが適当です。このレースで沈んでもおかしくはないという感じではありますが、実績だけでも来てしまうのがG1なので、ここは押さえておきます。②フィアスプライドはルメールが選んだこと。さらに調教も万全ですので、内を捌けるスキルを持ったルメールなら、馬券内はあると考えました。ちなみにルメールは東京マイルG1は馬券外になったことがありません。恐ろしい騎手ではあります。⑬モリアーナは厩舎の勝負気配が濃厚で、何をしてくるかわからない騎手ですが、差のない競馬を常にしていますから、押さえておきます。③スタニングローズ、⑭フィールシンパシー、穴馬の⑧サウンドビバーチェは前残りになった時の有力馬として選んでいます。逃げるのは④コンクシェルでしょうが、さすがに逃げ切りの前残りはないとみて、消しました。ちなみに⑤ウンブライルは能力的に見て、差しても届かないと思い、消しました。このレースは⑥マスクトディーヴァを軸にして3連複で勝負いたします。

 

 結果

 

 逃げたのは予想通り④コンクシェル。2番手に内に⑧サウンドビバーチェ、外に⑭フィールシンパシーが並びかけるように追いかけている。⑩ナミュールは出遅れる。3番手には⑤ウンブライル、②フィアスプライドがつけている感じ。その後ろに⑥マスクトディーヴァ。今回も出遅れずに中団の前方にいます。良い感じです。ただ、ペースが速く、ハイペースではないですが、ミドルの速い感じ。これは珍しいことで、ヤバいと思いました。4角を回って直線に。坂を上ったあたりで、②フィアスプライドが馬なりのまま先頭に。先団の中央にいた⑥マスクトディーヴァは⑮ドゥアイズに完全にブロックされて、外に出せない。内を進むしかなく、普通は終わります。そういう時に大外から1頭、物凄い脚で伸びてくる馬がいます。②フィアスプライドに並びかけて、抜き去りました。内に進路をとった⑥マスクトディーヴァも物凄い脚で突っ込んできます。ちなみに、⑩ナミュールは⑬モリアーナに終始ブロックされ、外には出せない状況でした。横典、ナイスな騎乗かも… 結果 1着、⑨ テンハッピーローズ。2着、② フィアスプライド。3着、⑥ マスクトディーヴァ。3連複配当 43,750円。これは驚きました。ノーマーク中のノーマークです。調教に重きを置いていて予想をする人はすべて外れたと思いますね。というのも、調教が酷かった。あの調教の動画を観て、この馬を買おうとは思わないでしょう。まっすぐ走らないし、頭をグワングワンと上げているし、気性が悪いのはわかりますが、これで仕上がるとは思いもしなかったですね。しかも、東京マイルに実績がないわけですから、なかなかこの馬をセレクトするのは難しい。ブービー人気でしたし、200倍ついてますから、ビックリな結果でした。⑥マスクトディーヴァは包囲網のようにマークを散々されての3着ですから、ちゃんと走ればという思いはあります。ただ、この馬は強いと思いますね。荒れるとは言われていましたが、見えないところからのパンチを浴びたような競馬でした。これは予想の初期の段階で消していたので、当てることは難しいですね。

 

 先週末はちょい負けという感じで終了しました。モレイラ騎手の来年の日本での騎乗はますます難しくなりましたね。とはいえ、G1ですからマークが厳しくなりますし、しかも、日本人騎手は外国人騎手に散々やられてきたことなので、やり返された。というところでしょうか。身から出た錆というところでしょう。G1レースはそういう厳しい側面がありますね。先々週のNHKマイルもそうだったですしね。とはいえ、津村騎手は川田騎手と同期なのに、G1初制覇ということで、おめでとうございます!という感じです。意外だったのは、以前はルメールが乗れないルメールのお手馬は津村騎手が乗るというイメージがあったので、G1は勝っているものだと思っていました。ですが初制覇なのですね。これは嬉しい限りでしょう。勝利ジョッキーインタビューで、ひとつひとつのレースを大事にという積み重ねでという発言があって、そうだよなー!と思いました。ひとつひとつのレースを丁寧に予想し、結果を分析し、検証することは無駄ではないということを教えられた思いです。そうやって、予想が上手くなっていくものだと僕の勝手な思いはそこにありました。今回のヴィクトリアマイルでは調教に比重を置きすぎると、ハズレるということがはっきりと判明しましたので、そこも踏まえた上で、今後の予想に役立つように再構築していきたいと思いました。今週はオークスです。このレースは3着に穴馬が来るレースなので、なんとか穴馬を拾えたらなと思っています。