先週は競馬民にとっては非常にシンドイ週だったと思います。落馬は珍しくないものの、4月6日に落馬した藤岡康太騎手が帰らぬ人となりました。平成に入ってから、落馬による死亡は3人目ですし、ここ20年ぐらいはそこまでの事故はありませんでした。しかも、藤岡康太騎手は騎手にとってはベテランですし、2024年のこれからが旬を迎える、遅咲きの騎手と目されていたところだったので、そういうこともこみで残念でなりませんし、残酷の話です。容態を聞いたのが4月10日。6日に落馬してから意識不明とのこと。これはヤバイ!と思っていた矢先の次の日、4月11日に訃報が届きました。どうも、落馬した時点で、即死状態だったらしいですが、そういうことは一切発信されませんでしたから、虚を突かれた感じで、非常にシンドイことに競馬民はなったと思います。僕もそのひとりでした。しかし、競馬は通常通りに進行します。土、日曜日に競馬は開催されます。先週に限っては、いつもの競馬をやるという意気込みは無く、ちょっと休もうかなと思うぐらいのテンションでした。とはいえ、競馬はしたのですが… ここで思ったのが、もし競馬の神様がいるのならば、ドラマを用意するはずという仮説です。こういう残酷な事故があったんだから、こういうドラマがあっても良いと僕は思っていました。きっと競馬民も思ったはずです。で、それが何なのか?大抵の競馬民は兄の藤岡祐介騎手が勝つと思い、藤岡祐介騎手の騎乗馬に人気が集中していました。僕はそれはないと思っていました。というのも、藤岡祐介騎手はただでさえ、慎重派なのに、こういうことが起きたのですから、余計に動揺して、思い切った勝負にはいかないと思ったからです。ではなにか?僕は皐月賞に勝つ馬は生前、藤岡康太騎手が稽古をつけていたジャスティンミラノが勝つと思ったのです。ジャスティンミラノという馬には藤岡康太騎手は、1週間前、2週間前追い切りに騎乗して、稽古をつけていました。1週間前追い切り後、水曜日に追い切りを終え、その3日後にこの世を去っているのですから、何とも言えないエピソードです。これは勝たなきゃアカンやろ!というのが僕の考えでした。ので、皐月賞はこのジャスティンミラノを軸に馬券を買うことにしました。僕の馬券ははずれましたが、ジャスティンミラノは見事に皐月賞を制覇しました。この瞬間に、僕は『競馬の神様はいた!』と確信しました。残酷なことをするくせに、粋なはからいもする、競馬の神様。やっぱりいたんだ・・・という感慨の思いでした。皐月賞の馬券は獲れなかったけど、感動するレースでした。勝利騎手インタビューで鞍上の戸崎騎手は藤岡康太が後押ししてくれたと感謝していました。涙腺崩壊です…。友道調教師はゴールする前から、『康太!康太!』と絶叫していたそうで、涙交じりで、コメントを出していました。こんなドラマティックなことはありません。この皐月賞は記憶に残る皐月賞になったと思いました。ということで、先週末の重賞の回顧をしていきます。

 

 

 4月13日  クッション値 中山  9.3  阪神  9.4  福島  8.8

 4月14日  クッション値 中山  9.6  阪神  9.5  福島  9.1

 

 

 4月13日 アーリントンカップGⅢ 芝1600 三歳限定戦 16頭 晴れ 良馬場

 

 このレースはNHKマイルへの前哨戦です。惜しくもクラシックレースに参戦できず、マイル路線で何とかG1のNHKマイルに出走のための賞金稼ぎをするという惜しいレースが続いている馬達が集結して行うレースです。本番のNHKマイルとは中2週になるために、本番に出れたとしても・・・という感じですので、仕上げが難しいレースでもあります。このレースに全振りすると、NHKマイルではお釣りがなくなるので、なかなか、厩舎側としても、今後を見据えて、という位置づけでしょう。そういうことになると、予想をする方も難しい。昨年は馬場が渋っていたので、参考買いですし、良馬場で行われるということで、高速決着になるのか微妙な感じです。逃げ馬は⑥グローリーアゲイン1頭と目されており、スロー展開は予想できます。阪神マイルは直線が長いので、開催の進んだ馬場ですから、逃げ残りは難しい。しかもクッション値は低めですから、差しが届くと考えて、予想はします。出走馬は本当に微妙な匙加減の馬ばかりですので、正直走ってみないとわからない・・・というのが本音です。

 

 

 予想

 

 ◎ ⑦ チャンネルトンネル

 〇 ⑤ シヴァース

 ▲ ③ ディスぺランツア

 △ ⑬ ジュンヴァンケット

 △ ⑮ オフトレイル

 △ ⑨ ワールズエンド

 穴 ⑯ タガノデュード

 

 ⑦チェンネルトンネルは前走スプリングステークスで惜しい4着。その時から評価していましたので、そのまま本命に。福永厩舎の転厩も好材料ですし、福永厩舎の馬の仕上げと騎手選びは定評があるので馬券内アリとみてこの馬を推します。⑤シヴァースはこのメンバーですと、実績馬。前走も強い内容でしたし、阪神マイルの鬼、川田騎手が鞍上。馬主は嫌いですが、ここは仕方がないと思い、この馬を押さえます。③ディスぺランツアは前走も阪神マイルを強い勝ち方をしています。モレイラ騎手ですし、吉岡厩舎の勝負調教をしています。ここははずせませんね。⑬ジュンヴァンケットは前走の勝ちっぷりが凄い。素質を感じさせる内容です。人気になるのもうなづけますが、ここは押さえないとと思いました。⑮オフトレイルは調教も良く、安定している馬。ここはヒモには押さえたいですね。⑨ワールズエンドはムルザバエフ騎手騎乗で、池添厩舎と最強タッグ。まだ2戦目ですが、ここは怖い存在なので、押さえておきます。⑯タガノデュードは朝日杯JFでも5着にきた馬。調教も良くて、穴狙いなら、ここは有効と思い、この馬を押さえました。馬券は⑦チェンネルトンネルと⑤シヴァースの2頭を頭に3連複で勝負いたします。

 

 

 結果

 

 逃げたのは①ポットデオ。これは意外。逃げると思っていた、⑥グローリーアテインは行き脚つかず、後方に。2番手に②アレンジャー。3番手は⑧タイキヴァンクールと⑬ジュンヴァンケットという隊列。ペースはスローで淡々と進みます。やはり勝負は最後の直線か。4角を回って、直線に入ると、①ポットデオが先頭。そこに、インから②アレンジャーが出てくる。⑬ジュンヴァンケットも突っ込んでくる。完全に上りの勝負。坂の手前から、⑦チャンネルトンネルが伸びてきて、その外から③デスペランツァが凄い脚で突っ込んでくる。内で⑤シヴァースが凄い脚を使おうとしたが詰まって出てこれない。ゴール板前は大接戦。3頭が並んでゴールしている感じ。わずかな差ですが、順位はつきました。 結果 1着、③ ディスぺランツア。2着、② アレンジャー。3着、⑦ チャンネルトンネル 3連複配当 35,950円。ヒモ抜け…これは読めませんでした。2着の馬はほぼノーマーク。スローになると見ての先行策を打った、横山典弘の好騎乗ですね。1着の③ディスぺランツアは凄い脚です。これはNHKマイルでも人気をするでしょう。状態がどうかが鍵ですが、有力馬の1頭になると考えますが…ただ、今年のNHKマイルは桜花賞2着馬、皐月賞3着馬が参戦模様なので、結構よいメンバーが揃うと考えます。見ごたえのあるレースになると僕は思っています。

 

 

 アンタレスステークスGⅢ ダート1800 16頭 晴れ 良馬場

 

 ダート重賞ですが、今回は僕の推し馬さんが出走してきているので、その馬から買います。とはいえ、先行馬が少ないので、⑧テーオードレフォンが楽逃げすると、前走の再現はありそう。とはいえ、そこまでのゴリゴリのメンバーではないので、比較的すんなりと決まりそうです。最近分かったことがダート戦は実力馬が実力通り来ることが多いという感覚。その能力や適性さえつかめれば、芝のレースよりも難易度は低いという点です。残念ながら、僕はその域まで行ってはいないのですが、何となく買っていた頃よりはアップデートされている気はしています。ですから、このレースはそこまで難易度が高いとは思っていませんでした。

 

 

 予想

 

 ◎ ① ハギノアレグリアス

 〇 ⑧ テーオードレフォン

 ▲ ③ ヴィクティファルス

 △ ⑯ スレイマン

 △ ⑩ ミッキーヌチバナ

 △ ② ダノンマディラ

 穴 ⑬ トウセツ

 

 ①ハギノアレグリアスは推し馬ですし、この馬を軸にして稼がせてもらっています。1枠1番は気になりましたし、調教もイマイチですが、ここは叩きでしょうけど、実力はあるので、この馬が馬券内に沈むのは考えにくいです。⑧テーオードレフォンは楽逃げが出来たら、怖い1頭。ただ競り掛けてくる馬が見当たらないので、前走の再現はありそう。好調さも持続しているので、馬券内はあると思います。③ヴィクティファルスはダート転向後、好走を続けています。調教も良さげなので、ダート場としての試金石になる1戦と考えます。ここで通用すれば、次も楽しみですね。⑯スレイマンは良血馬ですし、ブリンカーをつけ出してから、馬券内には安定的に来ています。ここは押さえないとダメですよね。⑩ミッキーヌチバナは前々走が良い競馬でした。しかもこの馬、阪神巧者。阪神では走る馬なので、押さえていきます。②ダノンマディラは長期休み明けですが、休み休み走っている馬。調教も良さげですし、鉄砲も走る馬なので、ここは押さえておきたい。穴馬のトウセツは後ろに展開が向くようであれば、差してきてもおかしくはない馬。差し決着ならば、この馬が1番だと思い、押さえました。このレースは①ハギノアレグリアスを軸にしての3連複で勝負します。

 

 結果

 

 逃げたのは⑧テーオードレフォンでしたが、⑯スレイマンが競り掛けてきて、楽逃げはさせない模様。3番手には④サトノロイヤル。4番手の内に①ハギノアレグリアス。外に③ヴィクティファルスという感じ。その後ろに⑩ミッキーヌチバナ。②ダノンマディラが続く展開です。ペースはミドルペースで⑧テーオードレフォンが逃げる感じですが、やや速いかというところ。4角を回って直線に入ると、早くも先頭に立ったのが、⑯スレイマン。その後ろから①ハギノアレグリアスも伸びてくる。その後ろにいた、⑩ミッキーヌチバナも伸びてくる。残り200になると、⑩ミッキーヌチバナが①ハギノアレグリアスをかわして二番手に。⑯スレイマンを追います。ゴール付近では⑩ミッキーヌチバナと⑯スレイマンの叩き合い。そしてゴールへ。 結果、1着、⑩ ミッキーヌチバナ。2着、⑯ スレイマン。3着、① ハギノアレグリアス 3連複配当 2,390円。まぁまぁかなといったところ。軸が飛ばなかったのが良かった。やはり、調子が良くなくても、馬券内には来る①ハギノアレグリアスは信頼してますね。勝った⑩ミッキーヌチバナの阪神巧者ぶりは凄い。ただ、阪神開催は今年これが最後。改修工事に入るので、⑩ミッキーヌチバナは買いにくそうです…ダート戦の感覚が少しづつつかめている感じがしています。

 

 

 皐月賞G1 芝2000 3歳限定戦 18頭 晴れ 良馬場

 

 皐月賞は牡馬3冠レースの第一弾。今年は良馬場で行われるのもイメージとして珍しい。今回はそういう不測な余地がない、力勝負のあるレースになると考えています。とはいえ、各路線から集結しての決定戦的要素がある皐月賞。このレース後に能力の格付けが出来る感じがしますから、重要なレースでもあり、非常に難解なレースでもあります。今回、展開も難しい。有力馬は差し勢も多く、前に行ける強い馬が果たして…という感じがします。というのも、冬のトライアルレースではすべてスローペースでした。しかし皐月賞はたいていペースが流れます。ハイペースは行かないまでもスローになることはありません。そうなると追走能力が未知数の上で、どこまでイケるのか?という疑問は孕んでいます。スローでも折り合いがつく馬が追走できるのか?それとも後方にいるしかないのか。この辺が微妙なところがあります。やはり本番という感じですので、不測の事態もあります。この週はとても残念なニュースで持ちきりの中行われる皐月賞ですから、何かしら、不測の事態があるのかもしれません。やはり、ここは運の作用が大きく、競馬の神様が関わっているのではないかと思うレースでもあります。このレース、逃げるのは②メイショウタバルでしょうが、どういう感じで逃げるのか、自分のペースで逃げれば、圧勝もありうるぐらい、逃げ馬としては優秀です。ですが、本番はそうなのか?その辺の見極めは難しいと僕は考えます。やはり、差し勢、中団からの差し込みに期待したいと思ってはいますが…ということで予想します。

 

 予想

 

 ◎ ⑬ ジャスティンミラノ

 〇 ⑩ レガレイラ

 ▲ ⑭ シンエンペラー

 △ ⑨ アーバンシック

 △ ⑧ ジャンタルマンタル

 △ ⑰ ビザンチンドリーム

 穴 ① サンライズジパング

 

 ⑬ジャスティンミラノはもし競馬の神様がいるのなら、藤岡康太騎手に関わっているのはこの馬です。逆にこのレースは勝たなければいけない馬。2戦2勝の馬なので能力は計り知れないのですが、競馬の神様がいると信じてこの馬が本命です。⑩レガレイラは牝馬ですが、前走ホープフルステークスの勝ち馬ですし、同距離、同競馬場のレースなので、有力候補です。76年ぶりの牝馬の皐月賞制覇も掛かっていますし、期待は持てます。ただ、鞍上がルメールではないということが不安と言えば不安ですね。⑭シンエンペラーはどのレースでも安定的に走れる馬です。ただ高速馬場に対応できるかどうかは未知数。安定感では一番ですね。⑨アーバンシックは後方から差して来る馬です。展開が向けば、充分差し込んでくる可能性はあります。今回はペースが速くなって、前崩れになると予想しているので期待は大きいです。⑧ジャンタルマンタルはもし先行勢で残るならこの馬だと考えています。ただ、2000の距離は若干長いかとは思います。朝日杯自体もそこまでレベルが高いレースではなかったので、疑問はありますが、鞍上が鞍上なので、ここは押さえておきたいですね。⑰ビザンチンドリームは必ず出遅れる馬ですが、差し脚は魅力的なところがあります。デビューから2戦2勝の馬ですから、まだ底を見せてはいません。展開が向けば一発はありそうです。穴馬は①サンライズジパング。ホープフルステークスは不利がありながらの3着で、フロック視されていますが、その後も勝っていますから、実力はあります。インだめをしてスムーズに出てこれたら、一発があるかもしれないという期待があります。インだめが得意な騎手ですし、穴をあける菅原騎手に期待です。皐月賞は⑬ジャスティンミラノを軸に3連複で勝負します。

 

 

 結果

 

 やはり、波乱の幕開けになりました。まず出走前に⑯ダノンデザイルが故障のため、出走除外に。17頭での争いになります。有力馬だっただけに惜しい気がします。馬体検査があったので出走がだいぶ遅れることに。出走する馬達もこういう時間で明暗が分かれます。さて、ゲートが開いて、まず飛び出したのは⑧ジャンタルマンタルですが、結局逃げたのは②メイショウタバル。メイショウタバルが飛ばして逃げます。後続を引き離します。1000m通過が57.7秒。これはハイペース。浜中、やり過ぎだろ!とは思います。絶妙な逃げなら、1分ぐらいのペースに落とせての逃げなら、逃げ切れますが、このハイペースでは逃げ切れることは難しいでしょう。4角を回って、馬群が詰まり、⑧ジャンタルマンタルが逃げている②メイショウタバルに追い付き、直線に入ると突き放します。馬場の真ん中に据えて、⑧ジャンタルマンタルが独走状態。その後ろから先団に取り付いていた、⑬ジャスティンミラノが凄い脚で突っ込んできます。その後ろには⑫コスモキュランダも同じように上がってきます。⑧ジャンタルマンタルは坂を上ったところで、急に失速気味。やはり距離が災いしたか。⑬ジャスティンミラノと追いすがる⑫コスモキュランダが⑧ジャンタルマンタルを捉えて、差し込みます。この3頭が僅差でゴール板を駆け抜けていきました。 結果、1着、⑬ ジャスティンミラノ。2着、⑫ コスモキュランダ。3着、⑧ ジャンタルマンタル 3連複配当 5,940円。ジャスティンミラノが勝ちましたね。競馬の神様はいたんですね。そういう思いになりました。馬券ははずれたけど、感動するレースでした。しかし、モレイラ騎手は凄い。どう乗るのかイメージが湧かなかったので、この馬を消したのですが、やっぱり弥生賞馬は馬券に絡みますね。来年からは必ず入れるようにします。この上位2頭はダービーでも有力でしょう。ダービーの予想は皐月賞ほど悩まなくて済みそうではあります。しかし、ジャスティンミラノは強かった。無敗の皐月賞馬。無敗の2冠馬になる可能性は大きいと思いました。

 

 

 皐月賞は競馬の神様がいて、ドラマを作ってくれました。馬券よりも、このレースの感動をありがとう!という気持ちになりました。その後の戸崎騎手の勝利ジョッキーインタビューでは、やはり藤岡康太騎手への感謝の言葉がありました。友道調教師は号泣状態でしたし、ここまで感動するレースも久しくありませんでしたから、感極まるところがありました。やっぱり、競馬の神様はいるんですね。つくづく思いました。この皐月賞は忘れられないレースになりました。それだけ感動の多い先週末でした。今週はG1はお休みですが、重賞はあります。しかも悩ましい感じの重賞です。このレースには先週末とは違って、平常心で臨めそうです。競馬の神様の粋なはからいによって、残酷なことが多少薄まったのは良かったと僕は思っています。衝撃を受けたメンタルは少し緩和していくようです。競馬はまだまだ続きます。先週末は楽しめる気持ちではなったのですが、徐々に緩和して、やっぱり競馬は楽しいという思いたいですね。あと、馬券で勝てれば、なおよろしい。モレイラ騎手は今後も要注意ですし、川田騎手も皐月賞は完璧なレース運びでしたから、目が離せません。全馬、全騎手が無事でレースを終えられることを普通の状態にしたいですね。やはり事故や落馬は嫌なものです。そうなると、故障を見抜き、出走回避した横山典弘騎手の英断は凄いと思いました。もし無理にでも走らせて、故障発生したら、それこそ、悲しい事態になりそうですから。いろいろな意味で、今回の皐月賞は思い出に残るレースのひとつになりました。今週末も頑張ります。