先日、日銀総裁がマイナス金利解除をすると公言しました。そこで、一斉にマスコミどもは住宅ローンが上がるとか、金利が上がって大変だという摩訶不思議な解説情報を流布させています。経済音痴もほどがあると僕は思います。経済は日常生活に密着している大事なことなのですが、多くの人が経済を知らないし、わからないのが現状です。そういう中で、いかにも専門家がわざと勘違いさせるような言動をするので、余計に誤った方向に誘導されています。ちょっと勉強すれば、それが間違いだと気づくのですが、どうもそうはなっていないのが不思議です。今回のマイナス金利解除は、日本銀行の当座預金の金利がマイナスであったことを解除するということです。けして、公定歩合がマイナス金利だったわけでもありませんし、公定歩合が上がるということでもありません。これだけでも、影響が世間にないことは明白です。銀行が単に儲かるだけです。なのに、なぜ誤った方向に誘導するのか?これには理由があります。それを説明していきます。

 

 まず第一にマスコミ自体が経済音痴であるということです。経済のことはわからないから、専門家の言いなりになっているというのが状況です。これが前提条件です。ここで出てくる専門家がおかしな方向に仕向けるのです。このおかしな方向がマスコミはわからないので、そのまま記事にするという…間違って報道された記事を鵜呑みにするのが庶民なので、この流れは致し方ないかなと。経済音痴が災いして、おかしいことに気がつかないのは悲劇なのです。では、なぜ、専門家がおかしな方向に仕向けるのか?ということなのです。それは、現在、マスコミに出てくる経済評論家は全て財務省のイヌです。財務省の意向に沿って、もっともらしく発言しているので、そういうことになります。現在、経済学の第一人者と自認している慶応大学の経済学の教授たちは財務省とズブズブです。こいつらが、政府諮問会議とかで増税、増税!と声を上げるものですから、政府はその意向に沿って動きます。でもその裏には悪魔の財務省がいるわけで、単なる茶番劇にしか見えません。政治家がそもそも経済音痴ですから、致し方ないことなのですが…当然、真面目に経済を語る人は財務省の悪口を言うことになります。なぜかというと日本の経済が悪いのは全て財務省が原因だからです。そこに触れずに、なぜ日本の経済政策がダメなのかを説明することは不可能なのです。当然ですが、財務省の悪口を言えば、財務省はそういう人たちを干します。学会にもマスコミ関係の仕事からも永久追放になります。正論が封殺されているのが経済学ではよくあることなのです。財務省からしてみれば、経済音痴の国民からならお金を搾り取るのが簡単ですから。不思議なことに、いまだに、日本政府は約1000兆円の借金があって、財政危機だと思っている人が多くいます。何度説明してもわからないので、放置していますが、経済音痴も度が過ぎると僕は思っています。

 

 今回のマイナス金利解除というものがそもそもどういう政策だったのかを説明します。マイナス金利というパワーワードだけが先走り、内容をよく知らない人が多いのも現状です。これはアベノミクスの一貫の政策だったのです。デフレであえぐ日本の現状の中、2012年12月16日の総選挙で自民党が大勝し、安倍晋三首相が返り咲きました。一番初めに手を付けたことが日銀総裁を解雇することでした。2013年3月で任期を終える日銀総裁白川方明を任期を全うすることなく、解雇し、新たに黒田東彦を日銀総裁にしました。そこから、金融緩和政策を行います。そこから、株価上昇、円高解消が凄い勢いで元に戻り、アベノミクスと言われるようになります。アベノミクスはデフレ脱却のための施策でした。その後、金融緩和を行った後は積極財政をする予定でしたが、安倍晋三首相は財務省事務次官の木下康司によって、潰されます。木下康司は財務省事務次官の中でも最強クラスでしたので、ついでに消費財増税も飲まされてしまいます。実質、アベノミクスは2014年9月で終了してしまいます。マイナス金利はその後に行われ、一矢を報いるような政策だったのです。もちろん、デフレ脱却をする為の政策ではあります。財務省を敵に回すことをその時、安倍晋三首相は回避した経緯により、この政策が実行されたのです。

 

 マイナス金利政策とは、これは日本銀行の当座預金の金利に関することなのです。通常、一般の人が作る当座預金にいくら預けていようが利子はつきません。しかし、日銀の当座預金には当時、利子が0.1%つくのです。日銀の当座預金をもてるのは主に銀行ですから、銀行は当座預金にお金を預けるだけで、利益を上げられるわけです。1000億円預ければ、年間で黙っていても1億円が懐に入ります。銀行はそれで利益を上げていたわけです。その利子をマイナス金利にしたのが黒田総裁が行ったマイナス金利政策なのです。デフレを脱却する為には、経済市場にお金を流さなければいけません。ところが、いくら金融緩和していても、政府が緊縮財政をするものですから、どんどん政府にお金が溜まっていきます。この現象をやめさせようと考えたのですが、財務省が立ちはだかります。財務省と戦う気がない安倍首相は他の作戦を行ったということなのです。銀行がため込んでいるお金を市中に出回るようにしようとしたのです。銀行はどこにため込んでいるかというと、日銀の当座預金に積み上げられています。ここを狙ってきたのです。マイナス金利を承知で、日銀に預けるバカはいませんから。しかし、この政策も中途半端になります。銀行界からのクレームや圧力やその他もろもろの妨害により、このマイナス金利政策は骨抜きにされてしまうのです。つまり、どういうことかというと、当初は全ての日銀当座預金にマイナス金利を適用させようとしたのですが、期間限定という案を呑まざる負えなくなりました。この期間から日銀の当座預金に預けるとマイナス金利になるよという感じです。だったら塩漬けになるに決まっていますし、あらたに当座預金に預けることはしなくて済みます。結果的に、銀行はこれまで通りに金利をもらい、これからは預けないという感じなっていきました。ですから、マイナス金利が解除されたところで、何も変わらないというのが現状です。どこまで銀行に甘いのか?これも裏で財務省が動いているに決まっている事案だったのです。結果的にアベノミクスは財務省の妨害でデフレ脱却をすることはできずに頓挫してしまいます。

 

 ではなぜ、こういうことが言われないで、金利が上昇とか、住宅ローンが!という話になるのか?それはマイナス金利というワードがパワーワードだということでしょう。公定歩合がマイナス金利だと勘違いしている人も多いでしょうし、酷いところでは、銀行が貸し付ける際はマイナス金利が適用されると思っている人がいるのかもしれません。それだけ、経済音痴、無知なのですから、事情を知っている人にとっては勘違いさせておいた方が得策なので、あえて誤解を訂正するようなことはしません。経済に関して言うと、経済を取り扱っている銀行員ですら、よくわかっていないのが現状なので、頭が痛いです。民主党政権下で、デフレ脱却のためには金融緩和と積極財政が大事だという話を銀行員としたことがあったのですが、その銀行員は金融緩和をすると、ハイパーインフレになる!と絶叫してました。アホか・・・という感じです。銀行員すらその程度の知識しかなく、しったかぶりで横柄な態度をとっているのですから、こういう輩は信用はできません。その後、金融緩和をされても、ハイパーインフレどころか、インフレにもなっていません。積極財政をしていませんから、デフレも脱却できません。これはもう頭が痛いですね。現在はスタグフレーションというそんな状態になることはないけど、一応、理論上の言葉としてあるという経済用語の状態に日本はなっています。さらに10年前よりも深刻になっているということです。

 

 日本人の経済音痴が弊害を生んでいることが常々あります。それは公共事業を無駄な事業だから、税金の無駄遣いだ!という風潮です。再三、積極財政と言っていましたが、簡単に言いますと、バラマキ政策のことです。バラマキ政策はやたらと批判のマトになりますが、これは経済音痴の弊害なのです。インフレ期の時にバラマキ政策をすれば、さらにインフレが加速するので、これは間違った政策です。70年代にインフレなのに、田中角栄というバカがバラマキ政策を加速しました。結果的にさらにインフレになり、狂乱物価になってしまいました。そういうアホなことが強烈に残っているからなのか、バラマキ政策は悪であるという公式が成立してしまいました。しかし、デフレ期の場合、バラマキ政策は正しい政策なのです。インフレ期とデフレ期の区別のつかない経済音痴がステレオタイプの公式に従って、声を上げるので、おかしなことになるのです。ですから、1997年から始まったデフレ状態を日本は脱却することができないのです。こんなに長くデフレ状態が続いている国は世界の先進国でも日本だけです。後にも先にもありません。日本がおかしな国というのはその通りなのです。

 

 では、なぜ、世界中の国々が長い間、デフレ状態にならないのか?ということですが、基本的に何も経済政策をしなくても、インフレになるのが普通なのです。なのにデフレになるわけですから、景気にとってマイナスになることばかりやっているということなのです。実は、経済は政策でコントロールすることは可能なのです。世界中の国々はそうしているだけであって、日本はアホな政策ばかりしているから、30年もデフレが続くことになるのです。こんなアホな政策をするな!と国民が声を上げれば良いのですが、国民が経済音痴なので、税金の無駄遣いは辞めろ!というトンチンカンなことを言い出す始末なのです。30年も物価が上がっていないわけですから、海外はどんどん物価が上がり、モノ値段がどんどん上がることになります。以前は輸入品は安いものという認識がありましたが、現在は日本のモノの方が安いので、輸入に頼る日本では物価が上がるのは当たり前の状況なのです。現在では開発途上国に行ったら、モノが安いと感じることは無くなりました。日本とほぼ同等か、日本の方が安くなっています。ですから、海外からの旅行者が激増しているのです。しかも円安が影響して、さらに加速する状態になっています。そういう流れで、もはやデフレという状態ではなく、スタグフレーションという人類が経験していない経済状況に陥ってしまいました。しかも、そういう現状をこの国の政治家や国民は深刻に思っていない…これは本当にヤバいことだと思いますね。どうしたら、解決できるのかさっぱりわからなくなったからです。

 

 スタグフレーションというわけがわからない状況になっても、この国の財務省のイヌ、増税クソメガネは増税しようと企んでいます。デフレ期に大事な政策であるバラマキ政策も国民がアレルギーを起こします。これではどんどん日本の経済は衰退する一方です。何度も言いますが、景気や経済は政策によって良くることができるのです。しかし、驚くほど、日本はバカな経済政策をやり続けています。経済水準は開発途上国と同じぐらいにまで落ち込んできているのが指標でも明らかです。こういうことを国民はもっと賢くなって、わからないといけないと僕は思いますね。少なくても、新聞やマスコミが書いている、経済記事にツッコミを入れられるぐらいのリテラシーは必要であると考えます。国民が経済音痴であるという現状が、この国の経済が衰退していくのに加担していることを自覚して欲しいと思うのです。