毎週、楽しみにしているのはニコ動の『山田玲司のYOUNGSUNDAY』という番組です。ブログでは何度もお話したと思うのですが、かれこれ、5年ぐらい視聴しています。ただ、最近はアーカイブで観ることが多いので、何回も分けて、視聴しています。この『山田玲司のYOUNGSUNDAY』では、いろいろな見方、考え方、気づきがあるので、僕は凄くためになっています。で、先週の回。神回です。第274回 島本和彦VS森川ジョージ~『マンガ界最強の梶原一騎メソッド』とは?スポコンマンガの秘密を解く 歴史的対談という回でした。何が凄いというと、まず、マンガ家の大御所、島本和彦先生と『はじめの一歩』で1億部売った、森川ジョージ先生と、山田玲司が対談するというのは凄いこと。しかも、梶原一騎という、スポ根マンガの先駆者であり、大物の話をすると言うのが素晴らしい。ことの発端が島本和彦先生が『山田玲司のYOUNGSUNDAY』に出演した時に、『はじめの一歩』読んでいて、感動したが、これは梶原一騎だ!と発言したことです。実は島本和彦先生も森川ジョージ先生もあまり接点がなく、ちゃんと話をしたことがないそうです。毎回、森川ジョージ先生は『山田玲司のYOUNGSUNDAY』を視聴しているようで、その島本先生の発言に引っかかり、X(前Twitter)で反論したことにより、今回、じゃあ、バトル形式で対談しよう!という流れになったようです。昨年の今頃に初めて森川先生が『山田玲司のYOUNGSUNDAY』に出演した時はお~って思いましたが、今回はこの2人に山田玲司も加わり、どんな化学反応があるのか、見ものでした。この動画、4時間弱ありますが、物凄く面白くて、あっという間に時間は過ぎる内容でした。しかも内容が濃いので、また、見直したいぐらいのクォリティーです。たまにある、神回です。これは視聴しても、お金を払ってもみる価値があると僕は思っています。

 

 そもそも梶原一騎とは誰なのか?ということなのですが、詳しくはウイキペディアを見てください。いろいろと問題が多い人ではありますが、生み出した作品はどれも傑作が多いです。梶原一騎はマンガの原作部分を作画のマンガ家に描いてもらうというスタイルです。有名作として、『巨人の星』『タイガーマスク』『あしたのジョー』『愛と誠』『侍ジャイアンツ』などがあります。これは驚くことに同時進行している作品もありますから、仕事量も半端ではありません。さらにこれらの作品はアニメにもなりますし、多くの人々の心に残り、スポーツ根性ものという新ジャンルを作り出したともいえます。『巨人の星』は星飛雄馬や星一徹、花形満の名前は僕の同世代の人は知らない人がいない程の、大ヒット作です。『あしたのジョー」にいたっては、社会現象になりました。マンガのキャラクターが死んだからと言って、本当の葬儀を講談社の社屋でやるなどは狂気の沙汰です。それだけ盛り上がった作品でした。この梶原一騎イズムは僕らの世代以上の人達は影響を受け、その後の人生の色どりになっていったはずです。当然、同世代の島本先生や森川先生、山田玲司は食らっております。ですから、梶原作品を順に追って、説明していくというスタイルで、物凄い盛り上がったトークとなり、久しぶりに4時間近いトークになってしまいました。凄く楽しく観れました。

 

 また、見どころとして、森川先生の最初からかますところが面白かったですね。長らく、講談社のドンと言われていて、どういう人なのか観てみたかったのですが、この『山田玲司のYOUNGSUNDAY』の出演後にその人となりがだいぶわかってきて、良かったです。ちゃんとエンタメをしてくださる人なので、場も盛り上がります。森川先生と島本先生のところにピコピコハンマーがあり、お互い、叩き合うという茶番劇が想定されていたのですが、最初から、森川先生は『このハンマーで僕を叩くということは講談社を叩くのと一緒だ』とかましてきます。これは委縮するストレートを見舞いますよね。終始にこやかに話は進むのですが、島本先生がとにかく熱い!梶原作品の1作品1作品に情熱があるので、語り口調が熱すぎて、好感が持てます。当然、森川先生、山田玲司も理解しているので、ツッコミが的確です。講談社的にいろいろ裏事情を森川先生は持っているようでしたが、放送できない!ということで終了な部分も面白かったです。実はあまりにもたくさんの事件を起こす梶原一騎は講談社への功績はありますが、逆にタブーになっている部分もあるようなのです。しかし、梶原一騎のマンガへの貢献度は多大なものであると僕は思っていますし、本質を凄くとらえている作品ばかりのように思っています。やはり、作品の再評価は必要だと思いますし、それをやってのけた、『山田玲司のYOUNGSUNDAY』は凄いと思いました。しかも、そこに森川先生、島本先生をゲストに呼んで対談させるというてんこ盛りの企画です。後世の人に多大な影響を及ぼす作品を作り出した梶原一騎のマンガは後世に伝えていかなければいけないものだと僕は思いました。ただ、現在ではアニメでは『あしたのジョー』と『巨人の星』は放送禁止なので、そこは残念であはあります。

 

 驚いたのは梶原一騎は50歳で亡くなっています。なんて濃厚な人生だったのだろうと思います。そしてその影響は現代まで通じる、スポーツマンガの先駆けとなっていますし、作品の書くとなる想いというモノは現代では失われてきているモノであり、熱望されているものだと僕は思っています。そういう梶原一騎の作品の対談をエンタメ化して、しかも凄く面白いものになっているのはまさに神回です。これはお金を出しても見ないと損する回だと僕は思っています。久しぶりに食い入るように観てしまいました。あっという間でした。また見返そうと思っています。それだけの深くて重くて、しかも面白いこの回。こういうのがあると、本当に面白いと思いましたね。