先週の雑感で、今年は台風が連発しそうと思ったのですが、僕の予想が当たり、今週の週末は台風が来そうです。沖縄近辺は毎日のように台風が来ているので、それはそれは大変だと思います。関東から沖縄に住みだした人の話を聞くと、感覚的に台風の強さが違うと言っていました。やはり、出来たてで、勢力が強い時に台風が沖縄に来ますので、関東に来る台風よりも非常に激しいと言ってました。相当恐怖を感じる台風の強さだそうです。ただ、沖縄の住民はそういう台風に慣れているのか、特に慌てることもなく、少しでも弱まると、外出するそうで、水害とかない限りは車で普通に移動して、買い物とか飲みに出かけるようです。この辺が逞しい。営業しているお店にはお客様が殺到するということですから、台風ピークなるものがあるようです。とはいえ、台風の通り道とかしている、沖縄でも、今年は多いと思いますが…

 

 台風はその年その年によって、発生する数は違いますが、平均的に25個ぐらいは発生するようで、そのうち日本列島に上陸するのは平均的に5~7個ぐらいで、まあ、季節の風物詩みたいなものです。台風が来なければ、水不足にもなりますし、自然の驚異とはいえ、仕方がないことなのでしょう。台風が来ることによって、夏から秋に季節が変わるような気がしています。被害が出ないことを祈りながらですが…

 

 不謹慎かもしれませんが、子供の頃、中学生ですが、台風の時にワザと練習したことを思い出しました。通常、雨天は練習中止になるのですが、台風が来ているのに、ザーザーぶりの雨で、しかも風が凄い時に、野球の練習しました。有志だけですから、5,6人だけでしたが・・・最初のうちは水に濡れるのに抵抗があったのですが、ずぶ濡れになると、もうどうでも良くなって、水たまりが出来ているグランドに、ノックをして守備練習したり、暴風の中、ワザとフライを打ち上げて、それを取る練習をしたり、普段は絶対にやらない、ヘッドスライディングをしたり、もう滅茶苦茶です。やっているうちに、みんなが笑いだして、どんどん泥だらけ感はエスカレートして行きました。何だか凄く楽しかったのです。ずぶ濡れになっているのも気持ちが良かったですし、普段では味わえないような楽しさがあったのです。ぼんやりと、何かが変わるような気がしてました。何かが変われば良いとすら思っていました。実際はほとんど何も変わらないのですが、台風が嫌なことを全部吹き飛ばしてしまえば良いのにと本気で思っていました。楽しかった記憶だけは残っていますが、あとはどうなったかは忘れました。でもそういう高揚感はあまりなかったような気がしています。

 

 台風が来るとワクワクするという感覚は僕にはありました。そういう感覚を映像化したのが、相米慎二監督の『台風クラブ』です。この映画を観た時に、ふと、中学校時代の思い出がよみがえりました。何かが変わる、何かが変わって欲しい、という願いは誰にでもあるものだと思ったものです。実際は台風ではすべてのことが変わるわけではないのですが、そういう期待があったのも事実だと思うのです。子供ながらの幻想です。世紀末思想もこれと同じようなものだと思います。終わるはずなのに、終わらなかった。この精神的な影響を未だに引きづっている人は少なくはありません。終わらない日常にどうバランスを取るのかが、生きる課題になっていくからです。

 

 今では台風は厄介な天候という認識しかありません。日本のどこかに台風が発生している時に飛行機に乗ると、その飛行機は物凄く揺れます。これは経験上、明らかです。どうしてもそういう時に飛行機を乗らなければいけない時は本当に憂欝ですし、覚悟を決めなければなりません。現在は仕事で飛行機は乗りませんが、旅行で飛行機に乗る時は天気予報を真剣に吟味します。抜けてくれれば大丈夫なのですが、発生直後は本当にヤバイです。だからといって、新幹線は大丈夫かというと、実は僕は8時間以上、新幹線に監禁されたことがあります。もう約10年前でしょうか、新幹線で大阪に行く途中の静岡当たりで、台風が上陸し、新幹線はストップしました。台風が過ぎるまで、8時間、ずっと車内にいました。12時過ぎに乗った新幹線で新大阪に着いたのは0時。特急券を払い戻しして、もう地下鉄も動いていなかったので、タクシーで難波のホテルに行きました。新大阪のタクシー乗り場も長蛇の列です。その日のスケジュールは全ておじゃんですし、へとへとになって、ホテルに到着したという感じでした。新幹線がもう一本早ければ、無事付いたようで、僕の乗った新幹線以降は運休でした。何の為に大阪に来たのかがよくわからないという状況でした。台風は僕にとってはあまり良い印象は持てなくなりました。

 

 現在、僕は大阪に住んでいますが、地形上、あまり台風が直撃するということは凄く珍しいエリアです。ですから、台風が来てもあまり驚かないのですが、問題は競馬の影響です。台風は雨を降らしますから、週末の競馬場に雨を降らすのは本当に具合が悪い。ですから、台風が来るのなら、週中か、週初めにしてほしいと思うのです。まあ、勝手なことですが…(笑) 台風による被害がないことを心からお祈りしますし、台風で被災して人生が変わる人もいるでしょう。自然災害とはいえ、それはどうしようもありません。昔は台風を野分(のわけ)と言っていたようですが、京都では直撃することがなかったからこその言葉だと思うのです。そんな呑気な現象ではありません。ですから、もし被災するような人がいたら、最小限に留めて欲しいと望むばかりです。