外務省とはどんな省庁でしょう?こんなことを思ったのは、6月5日に横田滋さんがお亡くなりになったニュースを見て、考えました。横田滋さんの長女、横田めぐみさんが北朝鮮に拉致されたのは1977年。月日は43年も経過しています。この間、外務省は何一つ目立った交渉をしていません。実は外務省はこの拉致問題に関しては第一次安倍政権の時から外されています。外務省とは別に拉致担当大臣を創設し、交渉に当たっているようです。第一次安倍内閣が出来たのは2006年ですから、14年間、全く進展していないことが絶望的ではありますが…でもそれまでは外務省が管轄していたはずですが、国会で拉致問題が表面化された1988年以降、2006年までの18年間は何もしていません。横田滋さんが家族会を発足したのが1998年。これは、それまで、政治家や、外務省、警察 等に掛け合っても、全く進展する気配もなく、外務省からは門前払いをされるなどの対応をされたことで、不信感があり、国に訴えても、埒が明かないので、国民の世論を動かそうと、家族会を発足したようです。当然、名前や所在地を公表するわけですから、各方面からのリスクがあります。それでもかまわないという決死の覚悟だったと思います。その願いが22年経っても、成就できなかったことは、何とも言えない気持ちになりました。

 

 ではこの間、外務省は何をしていたのでしょうか?これからは僕の全くの主観です。外務省は表向き、北朝鮮とは国交がないので、手出しできないと言っているようです。では仮に国交がある国でも、解決できるかどうかは極めて難しいと思います。なぜならば、外務省は国外の日本人を平気で見捨てるからです。例を上げると、外国で日本人が殺人事件に巻き込まれ、殺人犯が捕まらなくて、被害者が泣き寝入りするという事件が良くあります。逆に日本で犯罪を犯しても何らかの手段で、外国に逃亡した場合、もう、それ以上は関わりません。警察は何らかの動きを見せますが、外務省が手を貸すということはしません。では、外務省は何のためにあるのでしょうか?

 

 国交を結んだ国々には大使館があります。そこに外務省の人間は大使としてまた、その関係者として勤務します。これらは外国でも普通に行われています。では外国の場合はどうかというと、合法的な諜報活動の場が大使館なのです。その国に独自のルートを作り、いろいろ諜報活動をすることが仕事です。では日本の大使館はどうしているかというと、そういう諜報活動はほとんどされていません。実は戦前の日本の大使館はこういった諜報活動を行っていました。かなり優秀な諜報部員が存在していました。しかし今はそういう大使館勤務の人間はほとんどいません。彼等の主な仕事は2個です。ひとつは外務省には天下り先がほとんどありません。ですから、大使の時に蓄財をしなければいけません。その為、大使の特権を使っての利権活動をしています。例えばODAには深くかかわるようです。お金になりそうな利権づくりは現地邦人や現地企業と組んで、行っているようです。もうひとつは政治家が外遊という旅行に来た際の接待係とツアーガイドです。この仕事が腕の見せ所と思っている職員も多いようです。こんな感じですから、日本の国益には全くなりません。今の外務省ならば、なくなっても何の問題もありません。外交的な問題や折衝は外務省よりも官邸がやっているので、外務省の出る幕はありません。2016年にトランプ大統領が当選した時に、外務省はトランプとの接点がありませんでした。アメリカにでさえこんな感じです。他の国に対しては想像できるでしょう。

 

 そもそも、日本国憲法には日本国民は文化的な最低限の生活を保障すると書いてあります。でもどうやら、この文章は国内にだけ適応して、国外では無視されるようです。普通の国は拉致されたら、何らかしらの方法で、自国民を取り返す行動をうつします。自国民を守ることは主権国家として当然のことだからです。かつて大英帝国では一人のイギリス国籍の人が捉えられたら、その国に戦争を起こすと言っています。これは極端な話ですが、事実が確認できれば、何らかしらの手段は講じるのが普通です。しかし、日本では見捨てられることが良くあります。イラン革命が起きた時、イラン大使館の人間を日本は救いの手を差し伸べませんでした。救ってくれたのはトルコの民間航空会社です。現在中国に逮捕されている邦人もどうなったのか、わからない状況です。外務省が動いた形跡はありません。北朝鮮による拉致問題も同様です。進展しないということは何もしていないのと同じです。こんなに情けない国なのかと絶望的になりますね。もしアメリカならば、事実が確認され、相手が認めているのならば、取り返すために部隊を送り込んで取り返しています。実際はどうだかわかりませんが、それぐらいの気概があるのは当たり前の話なのです。

 

 どうも僕の聞いた話の範囲では拉致問題における北朝鮮のパイプはないか、または全く機能していないということです。北朝鮮のパイプで日本と有力なものは主に反日団体なので、日本国に協力する気はサラサラありません。社民党や一部の立憲民主党の議員には北朝鮮との太いパイプがありますが、彼らは反日活動に躍起になっているので、政府に協力する気はありません。今でも日本を滅ぼそうと思っている人たちなので、期待するだけ無駄でしょう。拉致問題に関しては本当に絶望的です。しかも、北朝鮮の工作員は日本に結構、根深くいますので、さまざまな工作活動を仕掛けられますから、非常に厳しい状況です。進展しないのもうなずけます。

 

 韓国で昭和天皇の写真をいれたトイレットペーパーが公開されていました。この内容に関して、外務省は何の反応もしていません。普通の国ならば、宣戦布告しても良い内容です。抗議ぐらいしろよと思いますが、見たくないものは見えないのでしょう。元韓国大使の人が韓国の本を出して痛烈に韓国批判していますが、韓国大使の時は一切、批判などしていませんし、是々非々でやってました。退官してから、ビジネスで動いているのがわかります。外務省の役人はこんなものです。外交官だからと言って偉そうにしているイメージがありますが、実際は税金泥棒なだけだと僕は思います。自国の主張を行うのは当然ですし、在留邦人を守るのは任務ですし、諜報活動は必須だと思いますが、どれもやっていないところが外務省の現状だと僕は思います。何とも情けない話です。

 

 日本は日本国民のことを本当に考えていないということが最近の動きでも良くわかります。僕らは自分のことは自分で守らなければいけないのだと本当に強く思います。