説明せねばなるまい!(シャキーン
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アマゾネスの虜囚仲間 ・非国民さんが匿名希望の人 が告白した「ネカマという行為」に対して「どうして人はそんなヤヤコシイことをするんだろう?」と不思議がっておられる。
匿名希望の人は聞いて欲しくて仕方なかったことをツッコんでいただけたので狂喜乱舞して語りたがっていると思うのだが、いかんせん匿名希望の分際で他人様のコメント欄でサムイ俺様ネカマ歴を長々と語るわけにはさすがの厚顔無恥でもいかないらしい。ので、事情をよく知る俺が記事に書いてTBをしてあげることにする。(偉そう
自己イメージと他人からのイメージが異なるものだというものは大抵の人間は経験して知っていることと思う。
上のマンガ(アニメ)の主人公も、「周りからはクールなキャラと見られているが実は恥ずかしがり屋」なのだが、他人のイメージに合わせた自分を演じて暮らしている。
匿名希望Dも、外見からするとブサイクでイカツくて肉食動物なのだが、中身はファンシーもの好きで、肉が食えない。
匿名希望Dがネカマをはじめた頃、彼はまだ今のように「マメゴマ大すきーはにゃーん」などと現実世界でも暴露でき買いあされるほど恥知らずではなく、一生懸命「周りからこう思われているであろう自分」に合わせて生活していた。格闘技好き、肉うまいっす、そんなふうに自分を装っていた。
そんな彼にも仲間内だけで披露できる「ミル姉さんの口真似」という芸があった。
ミル姉さんとは、「笑う犬の生活」という番組でウッチャンがやっていたマダムな牛のアンニュイな感じで話すキャラクターだ。
Dはある日、いつもゲーム話をするために立ち寄っていた掲示板で、
「カップ焼きそばのお湯を捨てる前にソースを入れてしまいました!どうしよう!!」
というパニくった書き込みを見つけ、遊び心で、いつもとは違うハンドルでレスした。
「そうね・・・・まずは落ち着いて、お湯を捨ててみて。それから、そう・・・中濃ソースをかけたらいいと思うわ・・・・」
結構ウケた。それはいつもやっているミル姉さんの真似のひとつだったのだが、本気で女性と思い込んで話しかけてきているらしい人間もいて、わざわざ「これは芸のひとつですよ」と言い出す気もなくなってしまった。
同志非国民は「女性を演じるモチベーションが続かない、書く内容よりも演じるほうにエネルギーをとられてしまうだろう」と言っておられるが、一度はじめてしまうと今度は演じなくても、相手のほうが「女性であって欲しい」と思う願望を投影してくるので、止めるのが難しくなる。現実に「こう思われているであろう自分」にあった行動をとるように、またネットでも相手の願望に合わせて自分を演じてしまうのである。
まだ、腐女子などやオタ男子と話してくれる女性も少なかった時代性もそういった「オタ話に付き合ってくれる女性が欲しい」願望を強いものにしていた。
その後、「ちゆ12歳」といった「VNI」(バーチャルネットアイドル)ブームがあり、匿名希望Dもサイトを持っていたので幼女キャラではなく豊満な女性のキャラクターをサイトのマスコットとして、掲示板のレスなどは架空の「彼女」の設定でやっていた。常連さんは「キャラクターの女の子」とDの「中身の人」と違った対応で「キャラ設定」にあわせて話をしてくれていたが、中には本当に女性と思って気遣った発言をしてくれる人もいて、恐縮したようだ。
ネカマが出来る人、それを面倒くさいと感じない人というのは、自分の中に異性(あるいは別人格)を抱えているのだろうか。
と非国民さんは書いておられるのだが、
確かに「キャラクター」としての「彼女」を演じている間は「異性」だったのだが、今の匿名希望Dは「彼女」を通してしか乙女な趣味(ファンシーグッズ収集、少女漫画)を発露できないわけではなく、次第に現実のキャラとネットのキャラが同化しつつある。どちらも結局は「自分」だったんである。
「男はこうあるべし、いかつい自分はこういうイメージであるべし」という先入観や気負いが無かったら、生まれていなかったであろう「ネット上の人格」なのだと思う。ああ、ジェンダーフリーわれらが希望。
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