そう遠くない過去(半年から一年以内)に行われた新聞社のアンケートで、
「憲法9条は平和に貢献しているか」が80%以上がYES,
「憲法9条は改憲すべき」の半数以上がNOだった。
と記憶している。
しかし、改憲!改憲!と欲しがりやさんな人たちにとっては、改憲と言ったら9条、9条といったら真っ先に改憲対象なんである。
憲法審査会 いつまで宙に浮かせておくのか(10月22日付・読売社説)
国や社会の将来像にかかわる憲法論議は、政治が取り組むべき最重要課題だ。いつまでも衆参両院の憲法審査会を宙に浮かせておくわけにはいかない。
憲法審査会は、5月に成立した国民投票法に基づき、8月上旬に設置されたが、委員も、会長もいない状態が続き、始動できないでいる。民主党など野党が、構成や運用などを定める審査会規程を作る協議を拒んでいるからだ。
民主党は、国民投票法が与党の“強行採決”で成立したとし、「協議の環境にない」と言う。野党共闘維持のため、護憲を掲げる社民党などへの配慮もあるのだろう。
だが、民主党は旧来型野党の「護憲原理主義」からの脱却を目指していたはずだ。国会で成立した法律を無視するかのように、憲法審査会の活動開始を阻むのは、参院第1党として政権を目指す責任政党の取る姿勢ではない。
当面、インド洋での海上自衛隊の給油活動継続問題だけでなく、今後の国際平和活動を円滑に進めるためにも、憲法審査会で、憲法上の問題をきちんと整理することが大事だ。
民主党の小沢代表は、国連決議の裏付けがあれば、武力行使を伴う活動に参加しても、憲法には抵触しないと、主張している。アフガニスタンの国際治安支援部隊(ISAF)にも、スーダンのダルフールでの国連平和維持活動(PKO)にも参加すべきだ、と言う。
その一方で、海自の給油活動には、明確な国連決議による承認がなく、集団的自衛権の行使に当たり、憲法違反だ、として、反対している。
今後、政府の新テロ対策特別措置法案の審議に入れば、当然、憲法問題が重要な争点となる。だが、最大の与野党対決法案だけに、政治的思惑が働き、憲法論議がゆがめられる恐れがある。
安全保障や国際平和活動という基本政策の根幹にかかわる憲法問題は、やはり、憲法審査会で、冷静かつ建設的な議論をするのが望ましい。
民主党が検討している新テロ法案の対案は、民生分野が柱になるという。小沢代表が主張する自衛隊の派遣を避けるのは、党内に反対論もあり、党として憲法問題が整理されていないからだろう。
憲法審査会での論議は、民主党としても、国際平和活動の憲法問題を整理するのに役立つのではないか。小沢代表の考え方は、従来の政府の憲法解釈と相いれない点があるが、政府の憲法解釈の問題点も大いに議論すればよい。
政府・与党と民主党の間で、問題の整理がつけば、大きな前進となる。
戦争展は毎年、市民グループなどでつくる県内4地区の実行委員会が持ち回りで開催。18回展は中信地区実行委(筆頭代表委員・大串潤児信大准教授)が、9条を守る立場からの講演や、戦時中に食べた「薄焼き」の試食、原爆詩の朗読などを2日間行った。
これまでは開催地とその周辺市町村が共催や後援の立場で参加。18回展は、実行委が昨年12月下旬までに関係自治体に後援を要請し、松本市のほか塩尻市、安曇野市など10市町村と各教委が後援した。
ところが、同様に後援要請があった松本市教委は今年1月中旬、後援見送りを実行委に口頭で伝えた。チラシに「9」の文字が大きくデザインされていた点や、9条を題材にしたポスター展などの内容から判断、教育委員にも報告したという。
松本市で前回開いた2002年の際には、松本市教委も後援していた。しかし、市教委教育政策課は「改憲があまり話題になっていなかった02年とは時代背景が違う」と説明。「9条の学習ならよいが、(改憲に)賛成、反対となると『政治色』が出る」とし、「苦慮した上の判断」と強調する。
また、実行委が今回初めて後援を申請した木曽郡木曽町教委も「定例委員会に諮った結果、委員の間で意見が一致しなかった」として、後援を見送った。開催趣旨にあった「軍都(松本)」などの表現に対し、「主張に偏りがないか判断に迷う」といった意見が出たという。
一方、松本市として後援したことについて、同市秘書課は「市は毎年、広島平和祈念式典に中学生を派遣するなど平和行政に取り組んでいる。9条をめぐる展示内容を含め大きく平和の範囲と考え、後援を判断した」とする。
実行委事務局の小島十兵衛さん(58)=松本市=は「公務員には憲法を擁護する義務があるのだから問題はないはずだ。改憲、護憲のどちらに転んでもいいようにという行政の過剰な自己規制は残念」と話している。