GDP比の教育支出は下から5番目 OECD加盟国調査

2007年09月18日

 経済協力開発機構(OECD)は18日、加盟各国の教育への取り組みを04年現在で調査した結果を公表した。国内総生産(GDP)比で見た場合、日本の公的支出はギリシャに次いで下から2番目、私的負担を加えると下から5番目だった。各国の教育費は95年からの10年で平均42%増えており、11%程度という日本の伸び率が今後も変わらなければ、数年後に最下位になる可能性がある。

 OECD教育局は「日本は限られた投資で結果を出しており、非常に効率的」と評価するが、文部科学省は「公共事業などに比べ教育予算の削減幅は小さい。だが、他国が強化している中、相対的に国力の低下を招く危険がある」と危機感を強めている。

 調査によると、教育予算に相当する公的支出に、授業料や教材費などの私的負担分を加えた日本の04年のGDP比は4.8%で、数値が比較できる26カ国中スロバキアと並び21位だった。公的支出に限ると、3.5%と25位に下がる。

 増加率を95年比でみると、日本は11%増にとどまるが、児童生徒1人当たりでは、少子化が進んでいるため27%増となり、比較できる22カ国中13位。進学率が伸びている高等教育では1人当たり1%増と、23カ国中16位だった。

 初等から高等教育を通じて、日本は1人に年間8148ドル(約93万7千円)を支出している計算で、OECD平均の7061ドル(約81万2千円)を上回った。

 OECDはこのほか、日本の特徴として(1)初等教育で1学級28.4人は、韓国に次いで2番目に多い(2)教員の給与は比較的高い(3)小学校教員の授業時間が最も少ない一方、労働時間は最も長い――などを挙げている。

(朝日新聞 9月18日)



ネウヨ君たちから忌み嫌われる朝日より産経からもってくるかと思ったら、記事が探せねーでやんの。ち。
読売に「文化・教育」というジャンル自体ないことに今気付いた。オイオイオイ。読売の興味はゼニと権力だけか。産経は「教育・福祉」って一応あるのにね(笑


少子化だからまあ公教育費削減してもいいかな仕方ないかな、とも思える内容だが、ここに書かれていない事態もある。
東京の児童一人当たりの公教育費が沖縄のの9倍とかさ。(<これは一昨年の話だが、もしかしたら上がってるかもしれない)
地域格差の問題な。
金持ち自治体はわりかし少ない子供にヨシヨシとバンバン金かけてるのに対し、ビンボー自治体はコピー代すら倹約し「地域住民のボランティアや寄付に頼っている現状。
それと、教員の給与は比較的高いとのことだが、これには臨時の教員は含まれてるのだろうか。アルバイトしないとやってけねい、なんて話も聞くし、中学教員なんて正教員でも朝の7時から夜の8時まで拘束されて、
若い中学教員なんか子供どころか結婚もままならない 少子化に貢献、の状況。

先の記事が探せなかったので「教員の質が落ちたあ」「親力があ」みたいな説教記事を産経から持ってきて(笑)「金もかけんで何言ってるんじゃコラ」と対比で載せようかと思ったんですが、
この記事↓はなかなかいいと思いました。

 「子供は失敗するもの」「しかるときは言葉で納得させる」としている一方で「少年犯罪が増加した」「犯罪少年への厳罰化には賛成」-。大人の子供を見る目がゆらいでいることが、民間の教育研究機関「臨床教育研究所 虹」(所長・尾木直樹法政大教授)の調査で明らかになった。尾木氏は「大人自身がゆとりをなくしている反映ではないか」とみている。

 調査は昨年8~12月、尾木氏の講演会に参加した保護者1500人にアンケートした。回収率63・5%。年齢は40代が約3分の1で最も多く、ついで50代、30代だった。

 結果によると、大人が思う「よい子」は「あいさつができる」(56・5%)「ルールやマナーを守る」(48・6%)「ハンディのある人に優しい」(44・4%)が多い一方、「勉強ができる」は3・4%に過ぎず、内面を重視している傾向にある。

 「子供は失敗や間違いを犯すものだ」との質問には、「大いに賛成」(57・1%)「少し賛成」(35・8%)と計92・9%が賛成した。

 「しかる方法」(複数回答)としては「言葉で納得させる」が85・1%で最も多く、「大声で怒鳴る」(38・8%)や「手で軽くたたく」(23・4%)を大きく上回った。

 文部科学省が提唱した、細部まで罰則を決め、違反した場合は猶予なく処分する「ゼロトレランス」には「少し反対」「まったく反対」を合わせて55・2%で「大いに賛成」「少し賛成」の計33・3%を上回った。

 自由回答で聞いた子供とは「宝物」「かけがえにないもの」「夢」「希望」など前向きな存在であると答えている。

 子供に対して寛容な考えが示された一方で、厳しい見方も出ている。

 「少年犯罪が増加した」との質問には「かなり増えた」(59・0%)「少し増えた」(21・2%)で計80・2%が増えたと感じている。実際の少年犯罪、特に凶悪犯罪の検挙数は昭和35年の約7500件(犯罪白書)をピークに減少しており、平成18年は1170件に減少している(警察庁統計)。にもかかわらず、少年犯罪が増えたと感じているのは「普通の子の初犯が殺人というような特異な犯罪が増えているからではないか」と尾木氏はみている。

 「少年犯罪の厳罰化」には「大いに賛成」(3・7%)「少し賛成」(10・9%)だが、「成人と同じにすべき」が31・1%あり、これは現在より厳しくすることを意味しており、事実上賛成が45・7%となった。「少し反対」「まったく反対」の計34・6%を11・1ポイント上回った。

 「最近、社会や大人の子供に対するまなざしが厳しくなったと思うか」には「あまり感じない」「まったく感じない」が計44・9%で「とても感じる」「少し感じる」の計36・4%を上回った。だが、第1子が18歳を超す保護者の場合はほぼ拮抗しており、年齢が上がるほど厳しい見方をされていると感じているようだ。

 尾木氏は結果が矛盾、分裂しているのは、弱者である子供に対し、寛大な精神が失われつつあるからではないかと分析。その理由として社会が余裕をなくし、大人の生活が苦しくなっているからではないかとしている。

(2007/09/11 08:10) 産経新聞