教育基本法改正について、なるほどと思ったこちら に写経してあった記事。
原因見ず「治療」 成功程遠く お茶の水女子大学教授 耳塚 寛明
教育 で「美しい国 日本 」がつくれるか。新政権 は最重要 課題のひとつに教育再生 を位置づけ、家族 、地域、国を大切にする豊かな人間 の育成を目指して教育改革 に取り組むという。
なにを美しいと感じるかは人それぞれだが、百歩譲って、日本文化や伝統を欠き、自己抑制心などの美徳が乏しく、規範意識が希薄な青少年 が多いと仮定しよう。この現象の原因が教育にあるというのだろうか。
医師の治療と同様、改革にはふたつの種類がある。第一が症状の原因を除去する原因療法。第二が症状を緩和する対象療法。原因が特定できなかったり治療法がない場合は、とりあえず症状を緩和させる手を打つ。
「教育再生」は原因療法か、それとも対象療法か。その区別が明確ではない。それ以前に、原因を特定するたしかな「診断」と有効な「治療法」の検討がなされているのか。歴史が教えるとおり、教育改革は美しい言葉で語られやすく、その美しさの中に、事実認識と改革の論理のあいまいさが隠されてしまう。このあいまいさは、すべてが教育によって解決するという幻想の前提に由来する。
教師は全能ではないし学校も万能ではない。事実認識の不確かさに加え、原因療法と対象療法の区別すら欠く政策が成功するとは思えない教育への過剰な期待の中で、使命感に燃える 教師ほど無能感を味わう。けっして美しい情景ではない。
(日経新聞 コラム 『まなび再考』)
「根拠なき教育改革」という言葉が浮かび上がった。
そういや似たようなタイトルで記事書いたこともあったな。
今日の毎日の記事。
いじめ緊急提言:厳しい教育現場の声 「アメとムチ」
東京都内の区立中学校長は「学校の先生がきちんと指導できていないという発想に立ったもので本末転倒な話だ。現場の先生の神経を逆なでし、処分されるとなればますますいじめを隠そうとする」と強く批判する。一方、“アメ”に関しては「何をもって、いじめが減ったか増えたか、取り組みが進んだか進んでないかを評価するのか。現場の実情とはかけ離れた考え方だ。学校はユートピアではなく、けんかもあればいじめもある。特効薬はなく、現場は一つ一つ全力を挙げて対応していくしかない」と憤りを込めて話した
一方、提言に文部科学省幹部からも批判の声が漏れた。内容の多くは、すでに同省が各都道府県教委などに指導・助言をしている。ある幹部は「なんで今ごろこんなものを(提言するのか)……。けんかを売られているような感じがする」と批判した。
毎日新聞 2006年11月30日 0時09分 (最終更新時間 11月30日 8時26分)
すべて自分らの手柄にしていい顔したいのが現政権の本望だろうな。
アベナイカクは文科省官僚のみならず、日本国民全体をバカにし、ケンカ売ってるぞ。
売られたケンカは買え。