立川談志という落語家がいる。
破天荒な行動と毒舌で知られる人だ。
昔は、この人がトンデモなことを言ったり、弱者をいたぶるようなことを言って良識派から目くじらをたてられても、「まあ、あれはそういうのが芸だから」と言って許されるような風潮だった。
大多数の人やマスコミが人権的な見地から「あんなことを言うなんて・・・」と不快に思う土壌があって成り立つ「毒舌」だったのだろう。
イラクで日本人が人質にされたとき、この談志がとある新聞社のサイトに、「国家に逆らって人質になったなんて国賊は死んで当然」といったようなエッセイを書いた。
俺はこれをこの人の「芸」だと思った。一般の人はそんなことを真に受けるはずがない。
しかし、俺の当時のネット上の知り合いが、上記のエッセイのURLを上げて、
「談志師匠の言うとおりだと思うんですよ、これが常識ですよ」
と言い出したときは本気で頭を抱えた。
談志が「常識派」だなんて!!!!!!!!
・・・・まあ、それ以来ずっと日本ではクリス・ロックのような反骨な芸の芸人は大成せず、
「弱者をあざ笑う毒舌」をとがめる風潮もないので、
「芸」であったらまだ許せる石原と知事の
「スポーツマンの強姦は元気があって、ゲームの悪影響を受けた少年犯罪はけしからん」
みたいな冗談のような規制が真に受けられて実際の教育政策として推し進められ、
そんな と知事と仲のいい談志の「芸風」までが真に受けられ、
トンデモをトンデモとして面白がることすら、危機感を持たれつつある状況のようなのだ。
「普通の」「日教組からの洗脳が解けた」「一般人」のプロ国民の方が凱旋して、トンデモを本気にしてしまう北朝鮮風の国家万歳状態を作り上げようとしているかの証明のような気がして気分が悪い。
死ぬのはやつらだ大師兄のところにTB.