「奇談」の前に以前映像化されている妖怪ハンターシリーズ「妖怪ハンターヒルコ」のおさらいを。
地上波でやったものをビデオ取りしたものなので画像の汚さはご容赦。
しかし、
「原作 諸星大二郎 『海竜祭の夜』」となっていますが、
全然「海竜祭の夜」じゃありません!!
諸星イメージの寄せ集めといってもいいかもしれませんが、
「海竜祭の夜」やほかの諸星作品に見られるような、ひたひたと押し寄せる畏怖でなくて
どう見てもドタバタスプラッタなのだ。
(かといって「栞と紙魚子」シリーズのようにギャグを狙っている風でもない。怖がらせようと言う意図が見え透いてる)
ストーリー
古墳の調査をしている高校教師、八田。
その調査に無理やりついていこうとした女子高生、月島。
危険だからついてくるなという八田と月島に、何者かが襲い掛かり行方不明に。
八田から手紙をもらい古墳の調査にきた、八田の死んだ妹の夫・稗田礼二郎。(ありえねー!)
行方不明の父と同級生を探す、八田の息子まさおとその同級生二人。
行方不明かと思われていた月島がなぜか教室で歌っているのを見つけ、ほかの同級生とキスをしていたことで月島に思いを寄せていたまさおはショックを受ける。
くさって同級生と教室でダベっていた八田の背中に謎の激痛とあざ。
背中を冷やしに行ったまさおに襲い掛かる謎の生物、それを助けようとした稗田とまさおが偶然再会し、月島にキスをしていた同級生の首なし死体を見つける。
同級生の青井と片桐を心配したまさおは教室に急ぐが、稗田が見つけたときにはすでに青井は首なし遺体に、まさおは「首」のほうを見つけるが、何者かにひきづられていってしまう。
もう一人が危険なことを察した二人が駆けつけるが、月島の歌に操られるように片桐はまさおの目の前で自分で首をかき切ってしまう。
二人を襲った月島は、首だけの蜘蛛の妖怪に変化していた。
(怖いんです!笑ってはいけません!!)
どうやらまさおの父てつおが「ヒルコ」の棲む古墳の扉を開けてしまったことが原因で蜘蛛妖怪(ヒルコ)が発生しているらしい・・・ということで、古墳の扉を開ける呪文と閉める呪文の書かれた石碑を探して校内探検。
謎の用務員・渡辺から、60年前にも同じことが起こり、まさおの祖父が扉を閉め、死ぬ間際に渡辺に石碑の守りを頼んでいった、ということを聞かされる。
蜘蛛妖怪に取り込まれるとまさおの背中にその人物の人面瘡が現れ、その中に自分の顔があることに気づいた渡辺は、二人から離れて頭を銃で撃ち自殺する。
まさおの父が持ち出した冠を古墳の中からださなければヒルコを撃退できないと聞いた稗田とまさおは、古墳の中に入っていく。
扉を開ける呪文(古事記の一説)を唱え中に入ると大量のヒルコの群れ。冠を見つけて帰ろうとすると、まさおの父が
「ここは危険だ 早く行け」
こらえきれず父も妖怪蜘蛛人間に。
逃げる二人に月島蜘蛛が呼び出したヒルコが襲い掛かる。
キンチョールで蜘蛛を撃退する稗田。
しかし、そのキンチョールも切れ(笑
奥からは親父、前には月島、横からは蜘蛛妖怪化した友人たちで、もはやこれまでと思われたとき、
蜘蛛と化しても友情を忘れず月島とヒルコを抑える友人たち。
「八田ーにげろー!!はやく逃げろーーー!!」
はっきり言ってここが一番の感動シーンです!!
同級生を襲いまくっていた月島さんとは大違い。(笑
友人たちの助けもあって扉を閉めても食い下がる妖怪・月島に、
冠をつけ呪文を唱え迎撃するまさお。
(この間に稗田さんは月島に襲われどうし・・・情けねえ~)
扉を閉め、同心円を消してヒルコを撃退したまさおの前になぜか微笑む月島の霊(?)が
(このイメージだけ海竜祭の夜ですかな)
天に昇っていく月島と同級生、父、渡辺の霊。
(ひとり足らん・・・というか、「あんとくさま」もこんだけいちゃありがたみねえんじゃあ~)
終劇。
稗田が妖怪撃退道具もってゴーストバスターズだわ、首チョンパ血ブシューでどう見てもスプラッタだわ、生首蜘蛛妖怪が面白すぎるわ、で「諸星大二郎原作」と掲げられると「どこがぢゃ!」と思うのですが、今になってみるとB級爆発状態で面白いかも。当時の風潮というか、途中挿入されるアイドルイメージ映像のような月島さんが笑えます。
稗田が沢田研二、八田てつおが竹中直人、用務員さんが結構よく見る顔だったが、若い衆(?)は見分けがつかん。
「奇談」はもっと荘厳にやってくれてると信じてるから!!頼むよ!!
- ハピネット・ピクチャーズ
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