政治審議の場で先入観の押し付け合いで本質がもれてる、というのがトラカレ@BLOG さんで紹介されていた。
気になった部分を引用すると、
1.やはり家庭というか家族というのを大事にする税制であってほしいなと。その家族も子孫をたくさん産んで育てることができるような税制というのが、やはり今望まれているのではないかと思うのです。(…)実際問題は、おそらくデータがないかもしれませんけれども、専業主婦 の家庭もトータルとしては子供の数は多いと思うのです。
2.今、専業主婦であれば子供を産むとは限らなくて、逆に専業主婦で何もしないのが多いんです。子供も産まないで。つまり、人生に前向きかどうかというと、働く女の人は前向きで、子供を産みたいわけ。働かないで家でごろごろしている主婦が、子供を今産まないんです。
小泉はこんなくだらない2ちゃん議論しかできない諮問機関に金払うのに税金を使っているのだろうか。ゲンナリ。
1.については、「専業主婦は子生みマシーンか」と思うのと、2.については、「だから何?!」といった感じである。
互いにデータもなく、自分の先入観を押し付けあって、持論の正当性に誘導しようとしているのがなんとも。
2.が比較的議論の対象にあがっているらしく、普段温厚なラスカルさんでさえ怒り心頭 のようである
が、
1.も相当罪深い。専業主婦をやって子を生め、というプレッシャーは現に雅子妃を追い詰めたではないか。1.は子供のいない家族を「ダメな家族」とまでしている。
2.も、最近世の中が「受ける資格もない(と思っている)のに恩恵を受ける人がいるから、そういう人たちに恩恵を受けさせてはいけない」といった強迫観念のようなもので、本当に困っている人や、大変な人のことを見ていないことの典型のように思われる。
俺は大変な人が助かるような制度なら、ちょっとくらい別なタイプの人の中から制度の恩恵を受ける人間がでても仕方ない、と思っている。
小泉政権発足から、「他人がちょっとでも得をするのがイヤでイヤで仕方ないから、制度を絞りましょう」というこすっからい議論が増えた。
「改革」の痛み、ということであろうが、本来問題にされていたはずの「官僚・行政の無駄遣い」はほとんど放置されたままだというのに、こういった「弱者を守るために必要な制度を『悪用する人』にかこつけて絞る」、というのは小泉政権がここ3年でやってきた唯一の「成果」だ。
「障害者自立支援法」然り。
日本人ならかつては他人の得に鷹揚でいる、妬まないのが美徳とされていたように思うのだが、最近は他人が自分より公共の恩恵を受けると不公正だと目くじらをたてたり、ずるいといった感情を吐き出すのに躊躇がなくなっているように思う。
昔、友人から「2ちゃんの専業主婦板(?)はスゴイ」と聞いて見にいったことがあるのだが
「専業主婦」というものと、「働いている女性」というもの同士が互いにゆがんだ先入観で言い合い、
見ているだけで目を覆いたくなるようなキャットファイトの現場であった。うげー。
見たのは4,5年前なので今はどうか知らない。
きっと「働いている女性」の中に、「こんなに一生懸命働いているキャリアな私より、専業主婦が制度で優遇されるなんて・・・」という差別意識がある人がいる限り、無くならないんだろうな。
#専業主婦もひとつの生き方だと思うし、それを選んだ人の選択にとやかくいう意義は感じない。
#問題は「専業主婦のいる理想のモデル家庭、かくあるべき」という自分の思想を押し付ける権威主義のおっさんおばさんだったりする。
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このネタも「納涼」にしようと思ったんだけど、このネタに絡めるネタが思いつかなかったのでフツーにした。残念。