「おじいちゃんっこの被害者意識共有 」で、日本人の大半はA級戦犯に戦争に送られた兵士の子孫でありながら、「A級戦犯に共感する若者」が増えている、と書いた。
たびたび引用させてもらっている「野良猫」氏などもそうだし、ネット上でたびたび見られる「日本の首相が参拝するのに何故中国や韓国から文句を言われなければならないのか」と、ことの成り行きも把握しないで被害者意識だけ強く表している人たちもそうだろう。
しかしながら、「A級戦犯」に肩入れできる立場にあるものなど日本国内には少数しかいず、ほとんどは「勘違い」であり、自らの先祖を愚弄している考えである。
上記のような「戦前回顧主義」の人たちが次期首相にと願う人物は奇しくもA級戦犯の孫であり、北朝鮮に対する二枚舌外交をし、日本の国益を損じた人物。
それでも、ぼくはちっとも悪くない (穴あき(anarchy) )
彼らのような「他国人との対話を避け、国内だけで他のアジアの国を蔑む思い上がり」が、今日のような「反日デモ」を引き起こしたと言えるのではないか。
今回のデモに反感を表している人たちのほとんどが、「中国政府の反日教育の成果 」などと書いているが、小泉が靖国参拝した折に「中国との関係には影響がない」などと見通しが非常に甘かったことは問わない。
小泉が今まで行ってきたのは、相手国に国内で威勢のいいことを言って、勘違いナショナリストの差別主義を満足させ、支持率を上げておく一方で、ここまでしても相手は何も言ってこれまい、という自国民と相手国をなめきった行動であり、中国を主要貿易相手国とする日本企業・経済にとっては迷惑千万な話である。
再度書くが、ほとんどの日本人は戦争を乗り越え国を再興した一般兵士の子孫であり、A級戦犯の子孫のようにたとえ戦時・統制下であっても恵まれている政治的立場・経済状況にはないのである。
中国や韓国、他のアジアの国民とも協調し、現況の国力を憂慮し、アジアの経済をともに発展させていく必要があるのではないだろうか。
そのとき求められるのが、今のような「反日」に対する自民党政治家のような稚拙な反感だとは思えない。
中国は「怖い国」 中川経産相が不快感表明 (北海道新聞)
中川昭一経済産業相は12日の閣議後の記者会見で、中国で反日デモが激化していることについて「(日本企業などへの影響を)心配している」と懸念を示した上で「怖い国ですね」と不快感を表明した。
反日デモやそれを制止できない中国政府が未成熟だと 言うのなら、マスコミに扇動されるがままに、デモに対する反感をたぎらせるのが、先進国国民の態度とは言えない。
何度か書いたが、自分たちが「充分謝った」と思っているからといって、戦争を起こした罪は無くなったり、消えたりするものではものではないだろう。教科書から南京虐殺や従軍慰安婦に関する記述を消したり、国内だけで「なかった」とすることで、日本人としての誇りが高まったり、国際的な地位が得られると思っているとしたら、どこか歪んでいるとしか思えない。
戦争で儲ける政治家に反感や不安を利用され踊らされるのは、第二次世界大戦までで充分である。
参考記事
日本はアジアで孤立とNYタイムズ 欧米メディアは厳しい論調 (日刊ベリタ )
中国における反日デモについて、11日のニューヨーク・タイムズは、「日本が最近、高校歴史教科書問題などで高圧的な外交態度を見せたことによるものであり、韓国、中国との関係が悪化、アジアで孤立的している」と報じた。11日の英フィナンシャル・タイムズも反日デモについて「大多数の中国人が日本に感じている深い敵対心の現れ」と報じている。日本は今回のデモで一部の中国市民が行った投石などをめぐって中国側に抗議しているが、欧米メディアの反応は日本に厳しいものとなっている。(ベリタ通信=稲元洋)
再度引用。
近聞遠見:
「不思議な国」とみられて=岩見隆夫
(MSN-Mainichi INTERACTIVE)
「中国に工場を持つ日本企業が増えている。一つの企業のなかで、中国の比重が高くなっているから、向こうで(中国側に)やられるのじゃないか。そのとき、日本人は『困ったものだ』と言うのでしょう。
小泉さんは靖国だけでなく、言っていることとやっていることが違うので評価していない。みすみす外交手段をなくしている。北朝鮮問題でも中国に働いてもらわなければならないのに、(いまのような日中関係だから)北朝鮮もああいうことになっている」
何故中国側が靖国参拝に反対するようになったか
ごまめの歯ぎしり メールマガジン版
総理の靖国神社参拝に関して、いろいろなご意見があると思います
が、なぜ中国政府が総理の参拝に抗議するのか、その理由を知らず
に議論している方がいらっしゃるようです。
相手側の主張も知った上で、ぜひ議論して頂きたいと思います。
もともと靖国神社に日本の総理大臣が参拝することに対して、中国
政府から抗議や反発はありませんでした。三木武夫首相は在任中に
靖国神社に参拝していますし、昭和天皇も靖国神社に参拝されてい
ました。
(後略。続きはリンク先で)