先週、イギリスBBCやらスペインTVEで大々的に取り上げてたアメリカの事件があった。

22日、ミネソタ州で起きた17歳の少年による銃乱射事件だ。

先住民居留区で起き、「銃撃事件など白人の起こす事件だと思っていた」地域住民を失意のどん底に落とし、先住民族として共感を得るはずもないナチズムに傾倒していた、家庭環境の恵まれない「生まれながらのナチ」「死の天使」などと名乗った少年はある種、アメリカの抜けられない階級社会の閉塞感の象徴のように扱われていた。

日本人としてこの事件は他人事ではない。日本でも「希望格差社会」となりつつある昨今、こういった絶望感が徐々に蔓延して、差別主義に身をゆだねるものが大勢出始めていることなんか、中山先生のブログを見れば分かるではないか。

日本ではこの事件についてどういった報道がされているのだろう、まさか「ゲーム」とか「アニメ」「暴力的な音楽」のせいにしてやしないだろうな・・・と地上波の報道番組をしばらく見たが、取り上げたとしてもほんの1分くらいで終わり、終始「ライブドア」だの「フジテレビ」だのでギャアギャア騒いでいた。

報道するにしても、こんなに長い時間をとって流すほどの話題だろうか。
要するにアレか、小泉政権の言う「改革」の目指した「アメリカ型競争社会」を煽って製造業のエリートどもがリストラされたり中小が潰れたり、3万余の人間が自殺したことは「競争社会の適正」にしておいて、いざ自分たちマスコミエリートの番になったら「人と人との繋がり」とかいう奇麗事を並べて「コネ社会の日本独自構造」にすがりたいわけか。

俺はそんな金持ちのマスコミトップのいざこざは興味ない。そんな自分たちの正当性や同情心を煽るためだけの報道をズラズラ続けるようなとこなら、どこでもかまわず潰れろ。イランから。

ライブドアとかのせいでイラクの自衛隊も国会もほったらかしだ。ネットのほうが変なコメンテーターが知った顔でコメントしないからよっぽどマシだと思った昨週であった。

参考リンク
希望格差社会 (内田樹の研究室
『希望格差社会』 (ウツにウツツ