時は19世紀のヨーロッパ、数々の犯罪を犯した男が捕まった。







その男は確かに数々の犯罪を犯していたし、その中には、聞いてしまったら吐き気をもよおすのもある。







だが、その男には病気の妻と子供達がおり、しかも、自分自身も仕事が出来ないような病弱な体だった。







だから犯罪に走るのも仕方なかったかもしれない。







しかし、だからと言ってそんな理由で罪は軽くならない。







少なくとも当時はそうだった。







そして、無情にも彼は、ギロチンの判決を下された。







だが、そんな時、ある科学者が哀れな男に取り引きを持ち掛けた。







内容は、「私は今、果たして人間が首だけでどれだけ生きられるのかが知りたい。キミがギロチンに架けられ、首だけになったら、私の質問に答えて欲しい。もし喋られなかったら、「YESが瞬き一回」、「NOが瞬き二回」で反応してくれ。」と言う物だった。







そして条件は「その後のキミの家族を保証しよう。」と言う事。







彼はどうせ自分は死ぬ身、その後の家族が安泰なら、そんな事はお安い御用だ。と、その取り引きを受け取った。







そしてその後、刑は執行された。







ストン、と言う軽快な音と共に、彼の首は飛んだ。







辺りに血が模様を描く。







そして科学者は、すぐさま彼に――正確には彼の首に近寄って質問した。







「意識はあるか…?」







瞬き一回。







誰かが悲鳴を上げた。







だが彼は構わず質問を続ける。







「痛いのか?」







瞬き二回。







そして最後の質問。







「目は見えるのか?」

















だが、もう彼は反応しなかった。