眠たい目をこすりながらいつもの3人はアパートの下の大衆レストランでロッティ・チャナイとアイスコーヒーを。


今日のカレーはラム肉が入ったやつをオーダーした。


K.Lに滞在するのも今日で最後。


明日の朝10時にはココから移動。


今回の滞在では色んな事があったなぁ。


全部最高にクソったれで超クールだった(笑)


で、今日は僕が彼らに恩返しする番だ。


何日か前の話。


なぁブラザー、今度近くのライブハウスで俺のデザインしたTシャツの物販があるから一緒に来ないか?


おぉ、もちろん行くに決まっている。


実は俺とサイフー達で考えたデザインのTシャツがある。


コレを俺が頑張って売って、無償で泊めてくれた彼に少しでも儲けさせてやりてぇ。


持っていくTシャツは全部で5種類。


一番気合い入れたのは多いめに作って持っていく。


凸凹珍道中

凸凹珍道中
サイフーの一番の自信作だ。


手際良く梱包して昼過ぎに家を出る。


ライブ会場はマレーシアの若者でごった返していた。


音楽のジャンルはPUNKだった。


パンクミュージックはマレーシアの若者に人気の様だ。


こうして直に現地の流行に触れれるのも一人旅の醍醐味だよな。


会場のエントランスでブースを構えて俺達のビジネスが始まった。


周りには同じような奴らが出店していた。


負けるかよ。


よっしゃ、気合い入れて売ってやる。


入れ替わり立ち替わりやってくる客の多くは日本人の僕が珍しいようだ。


俺はソレを武器に商品を売り込んだ。


何てったって俺の売るデザインはカタカナでブランド名が描かれた小粋なアイテムだから。


殆ど休憩せずに俺はブースに立ち続け、ライブ終了の時刻になる頃には完売させる事に成功した。


俺達3人はお互い握手し合った。


用意した枚数は15枚と少なかったけど用意したデザインの内、2番目のセールスだった。


幾らの金額がサイフー達の懐に入ったのかは知らねぇけど俺達は大満足だった。


個人的には胸のつかえがスーッと消えて行く感じだった。


今まで迷惑かけまくってたからな・・・。


俺達は意気揚々と会場をあとにした。


その夜は最後の別れを惜しむあまり皆朝まで語り合ったのは言うまでもない。


翌朝、いよいよサイフー兄弟とお別れ。


サイフーの両親と抱きあった。


ホンマにお世話になりました。


トゥリマカシ(ありがとう)


まだ行きたくねぇ気持ちと行かなきゃなんねぇ感情がぶつかり合った。


俺達は間違いなく兄弟だ。


次に会うのはいつになる?


こんなに広い世界で奇跡的に出会った俺たちだ。

必ず再会出来るに決まっている。


おいサイフー、あの娘と仲良くやってくれや。結婚しろよ。


ワン、お前は最高にクレイジーで最高にイカした男だったよ。


じゃあ俺、そろそろ行くよ。


・・・・・。


元気でな・・・・。


凸凹珍道中
「別れが辛くなるから振り返るな」とか関係ねぇ。


俺はバスターミナルに続く曲がり角を曲がるまでずっと手を振り続けた。


アイツらとは必ず再会してぇ・・・・。


一緒に歌ったブルーハーツが懐かしい。


俺が少し話せるようになったマレー語とお前らが少し覚えた日本語。


いろんな思い出。


・・・・・・・。


たまんねぇな。。。


あぁ、マジでクソだぜ・・・・・。


すでに待機している長距離バスに乗り込んだ。


こんな時はキッチリ定刻かよ!?


乗客の人数を確認後、僕を乗せたバスがゆっくりK.Lを旅立った。


まるで俺達の別れを惜しむかのように・・・・。


つづく