僕は眩いネオンに照らされたマーライオンパークの片隅にいた。


賑やかな観光スポットの雰囲気とは裏腹に解け込みきれない日本人の青年がそこにいた。


最近、色んな事を自分自身に問いかける事が多くなっていた。


多分生まれて初めて、何もかも自分の力だけで生きている今の状況。


だから、日本で馬鹿ばっかりやっていたあの頃とは違うわけだ。


僕にも分らない何かが心の奥で燃えている感じだった。


僕はいつまでもこうして居たかった・・・・。


異国の風に身体を優しくそっとなぜられるだけで僕はたまらなくなる。


次の目的地は曖昧な感じだったけど、おそらくタイの首都、バンコクを目指すんだろう・・・・。


世界は本当に広い。


僕は何を目指しているんだろうか!?


考えても答えは返ってこない。


僕は最後の一口になったホットドッグを口に放り込んだ。


僕は立ち上がり、最後の余韻を楽しんだ。


兎に角、前に進めばえぇんやろ?


そうすればきっと僕の探し物も見つかるだろう・・・・。


マーライオンが吐き出す水もまるで僕を鼓舞しているかのようだ。


・・・・・・・。


じゃあな・・・。


僕は自分の思うがままの足取りで宿まで帰る。


別に門限があるわけでもねぇし。


宿に着く頃には辺りのメインロードはすっかり人通りが少なくなっていた。


長い階段を上がり自分のベッドまで辿りつく。


すると向かいのベッドにいるヤツが変わっていた。


どうやら昨日まで居た白人の男は僕がいない間にチェックアウトしたようだ。


見るからに日本人。


なぜかホッとする。


目と目が合って、お互いニヤリと笑った。


ソイツの名前はトム。


沖縄出身の真っ黒に日焼けした濃い顔面の31歳。


6年間、日本を離れて世界中を旅してる生粋のバック・パッカー野郎。


ちぇっ!、何かカッケーじゃん・・・・(笑)


・・・・短けぇ間だけど、よろしくな。


テラスでしばらく話し込んで改めて世界のスケールのデカさに驚かされた僕。


彼の真剣に話す今までの旅の話は、まるでおとぎ話を聞いているかの様にピンと来ねぇ。。


でも何かスゲー。


勝てねぇ(笑)


凸凹珍道中


静かな夜の時間がゆっくりと流れていく。


彼のスケールの大きさに僕は感化されていく。


急やけど、僕は明後日にシンガポールを旅立つ事にした。


トムと僕は全く異なる目的を持って旅をして、偶然ココで出会った。


同じ時間の中で僕とトムは生きているのにこんなにまで違う経験をしてきた彼に正直憧れちまった。


僕はインドネシアに行く事にした。


いきなりだった。


抑えられない好奇心が僕を突き進ませる。


自分の与えられた限りある時間の中で僕はおもいっきりやりてぇんだ。


やってやれねぇ事はねぇはずだ。


僕は宿にあるインドネシアのガイドブックのスマトラ島のページを破った。


胸の高鳴りがうるさかった・・・・・。



つづく