凸凹珍道中
シンガーポール行きの長距離バスの中、移りゆく景色、道路、街並み。


右も左も解んねぇ。


こうして再び僕の一人 旅が始まった。


ただ、今回は「自己嫌悪」というクソ野郎も一緒だった。


で、ソイツは耳元で囁いた。


お前はあんなに世話になった異国の友達に対して迷惑だと感じる最低野郎だ!


ちっ・・・・。。


うるせぇな、マジでよぉ・・・。


そんな事、自覚してるっちゅうねん・・・。。


僕はマレーシアでの生活を振り返った。


どの場面を振り返ってみても必ずサイフーが居た。


そう、マレーシアにおいては何一つ、自分で乗り越えた壁なんてなかった。


しかも常に世話になりっぱなしだった。


僕は一体何なんだろう??


何がしたくて一人旅をしているんだろう?


とても情けなく感じた。


間違いなく、マレーシアでは観光客と同じ目線だった僕。


何も心配なんてなかった。


全て彼らがサポートしてくれていたから。


そりゃ快適だった。


でも・・・・、僕はそんな事、これっぽっちも求めてなんかいなかった。


僕は色んな事に対して自分の判断のみで行動したかったはずだ。


それは僕が日本を飛び出してからずっと心の中で思っていた事。


知らない異国の人間の生活の中を覗く事は観光では出来ない。


僕だってそこの人々の暮らしの中に溶け込む事ができたんだから、良い経験が出来たと思う。


ただ、僕の探究心つうもんが完全に無くなっていた。


要は日本での暮らしの様な快適な環境に似た雰囲気に自分が甘えていただけって事だ。


完全に自分が悪い。


アイツらはただもてなしてくれただけだ。


・・・・・・・。


あぁ、、だせぇ・・・・。


僕は何でイラついていたのか、バスの中で冷静に考える事が出来た。


まぁ、済んでしまった事はもうどうにもなんねぇ。


こんな気持ちで旅を続けるなんて苦痛過ぎる。


まったく冗談じゃねぇ。


そうだよ、俺は自分を探しに来たんだったよな・・・?


気持ちが段々落ち着いてくる。


ふと、サイフーに手渡された携帯電話を思い出しサブバックの底から引っ張り出す。


う~ん・・・・。やっぱコレは返すべきだったし、うぜぇ(笑)


途中、休憩をはさみつつバスはどんどん南下する。


気が付きゃもう夜だ。


辺りは真っ暗で何処にいるのかも検討さえつかねぇ。


いつも思うんだよな、マジで目的地に着くのかなってよ。


何もかも初めてな上に言葉もわかんねぇし・・・・。


特に周りが何もねぇ森の中だったらなおさらだ。


毎回こんな不安な気持ちだが、最終的にはキッチリ目的地に到着する。


そりゃそうか。


PM22時30分頃、国境のジョホバル(通称JB)に到着。


柄の悪いインディアンギャング共がバスを舐めまわすように睨みつけてきやがる。


そのうちの一人と目があった。


やべぇ・・・・。なんて凶悪な顔面なんだ!?


逝っちまってやがるな、あのインド人野郎・・・。


こんな時に限ってバスが徐行を始めやがるもんだから焦っちまう。。


こりゃ、国境は近いぞ?


しばらく走行してついに税関に到着した。


入国審査はもちろん楽勝。



凸凹珍道中


国境っつうのはやっぱ不思議だ。


再びバスに乗り込む。


長い橋を越える。


あぁ、まさかマレーシアとシンガポールを結んでいるんかな!?


降ろしてくれ!!自分の脚で渡ってみてぇ(笑)!!


ゆっくりと横断していくバス。


僕はついにシンガポールの地に辿りついた。


これで3カ国目。


無知で馬鹿な日本人の旅のゴングが打ち鳴らされた!!


第3ラウンド、ファイッ!!


つづく



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