凸凹珍道中
首都の中心のターミナルから出発するバスに乗り込む。


まさか本当に泊めてくれるなんて思っていなかったんで今更申し訳なく思えてくる。


一人旅はマジで予測不可能。


そんなトコも旅の醍醐味ッつう事なんかな・・・・。


20分ほどローカルバスを乗り継ぎ僕はサイフーの住む町に辿りついた。


途中、イスラム教徒の礼拝堂であるモスクをよく見かけた。


タイとは違う宗教。イスラム教は禁酒で有名だ。


厳格なイスラム教の教えを受けて育ったサイフーは酒も煙草もやらないようだ。


しかし・・・、、弟のワンだけは少し脱線した生き方を好むらしい。


つまり、イカれちまった感じのファンキーな野郎だ。


必然的に僕の恋人であるお酒はマレーシアにおいては高価な代物になった。


今の僕にとってお酒とは高根の花。


しばらく我慢しねぇとなぁ・・・・。


サイフーの暮らす町は今まさに開拓途中といった感じの適度にのどかな田舎町だ。


凸凹珍道中


あぁ、こりゃ俺一人だったらまず立ち寄らねぇ町だったろうなぁ、一体どんな人達が暮らしているんだろう。


バスを降りてそんな事を考えている間に僕はサイフーの家に到着。


・・・・・・。


すげぇ豪邸だな、おい・・・。


車はベンツ。


玄関もしっかりとした雰囲気。


おそらくサイフー達は中間層の国民なのだろう。


促されるまま僕は家の中へ案内された。


自分のみすぼらしい恰好が情けなく感じる。


サイフーの家族は異国の旅人を自分の家族の同様、温かく迎え入れてくれた。


僕は何度も頭を下げて礼を言う。


人の優しさに触れた瞬間だった。


お前は日本人だけど滞在中はマレーシアの男だ!!


彼らはそう言った。


彼らは僕に遠慮などせず懐を全部さらけ出しなさいと言っているに違いない。


・・・・・。


僕はマレーシアの人達が好きだ。


つづく