握手会や“特典付き”で同じ商品の複数購入につながるような、人気アイドルグループ「AKB48」を連想させる手法がエンタメ業界で存在感を増している。
ジャニーズ事務所も新グループデビューに当たって握手会を開催し、アニメ映画「けいおん!」は3回視聴すると作品のフィルムがもらえる特典もあって動員が100万人を突破した。「AKB的なもの」は今後も加速するのか-。
AKB48は、昨年発売したシングル5作がいずれもミリオンセラー。CDにはメンバーとの握手券や、次の曲を歌うメンバーを決める「選抜総選挙」の投票券などがつけられ、熱心なファンの複数買いにつながっている。AKBの看板は「会いに行けるアイドル」で、ファンとの握手会は活動の代名詞だ。
その握手会は、他のアイドルにも目立つようになった。ジャニーズの「Sexy Zone(セクシーゾーン)」は昨年11月、デビュー曲の発売前後に計3回の握手会を、CD購入者を対象に開いた。先輩アイドルも応援にかけつけ、握手会は盛況。CDジャケットは計5パターン。Sexy Zoneは同事務所最年少でオリコン週間チャート初登場1位を獲得した。
映画業界では、公開中の「けいおん!」の動員をリピーターが後押し。座席指定券の半券を3つそろえると、本編の一部の「メモリアルフィルム」がもらえる特典があり、映画館では半券を張るための台紙も配布された。配給の松竹は「細部まで観察する熱心なファンが多い作品で、繰り返し見ていただくことへの恩返し」と説明する。ただ、転売も盛んで、キャラクターが多く映った“当たり”のフィルムは、ネットオークションで17万円の高値がついた。
こうした、同じ商品を何度も買わせる手法では肝心の「本体」がないがしろにされることもあり、古くは昭和60年代に流行したロッテの「ビックリマン・チョコ」で、キャラクターシール目当ての大量購入で菓子が捨てられ問題になった。ビックリマンは1個30円だったが、CDや映画チケットは価格が1千円を超え、さらにAKB48ではCDのみが発売後に安値転売されることが常態化している。
音楽評論家の富澤一誠さんは「CD不況の中、(特典商法は)ビジネスのアイデアとして評価できる」としつつ、「特定のファンなど『取れるところから取る』発想が前面に出すぎると、ランキングや売り上げが高まる半面で、国民に広く親しまれる作品は生まれにくくなる」と指摘している。
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