TVのゴルフ番組では最近専らゴルフサバイバルの「男」の方を見ている。圧倒的飛距離、戦略的な球筋、パワフルなスピン、チャレンジングなリカバリー。勿論ばらつきも脆さもあるが、大学ゴルフ部出や研修生のみならず脱サラ組や再挑戦組そして新鋭・中堅プロを加えたハイレベルのしのぎ合い。溌溂とした若手が席巻する女子ゴルフツアーほどとはいかなくとも今の男子ツアーもそれなりの人気と注目を集めていいのではと思うが、そうでもないのはプレー以外の部分で何かが欠けているのかもしれない。
それはそれとして、久しぶりに女子版の方の1月の陣を視聴した。ここで忽ち注目することとなったアマチュアの稲葉千乃さんの優勝は、かなり願望混じりではあった期待に違わぬものだった。
メンバー的には岸部桃子、橋添穂の両中堅プロが中心。両プロの他、昨季がルーキーイヤーの西澤歩美プロ、前回出場時8Hまで残った渡邊桜紫選手、羽藤勇司プロ並びに神谷和奏プロの姉の羽藤琴和選手、そして稲葉選手らが勝ち進んだ。
岸部プロの安定感は流石だったが、調子そのものは飛距離も伸びた橋添プロが上回る感じ。西澤プロは武器を磨くのはまだこれからの発展途上だがメンタルもしっかりしており伸びしろは小さくないと見た。羽藤選手は集中力を途切れさせなければ大駆けのポテンシャルを感じさせる選手。渡邊選手からは今度こそ優勝という決意と自信がにじむ強い精神力が見て取れた。
そして初見の稲葉選手。体格・体力面の線の細さは否めず飛距離的にも今のところやや劣勢だが、クラブヘッドに仕事をさせるスイングと安定したフック・ドロー軌道、そして無理もしり込みもしない落ち着いたコースマネージメントで「ブレない」試合を進める。一打の結果に平常心の揺らぎが見られない力みも淀みもないプレーぶりが爽やか、かつ大物の予感すら醸す。
プロフィールを見ると、ジュニア時代から中部地区で活躍し現在大学ゴルフ部在籍中。1年生時の23年、第二回全日本女子大学ゴルフ選手権で個人・団体優勝、2024年の世界大学ゴルフ選手権でも個人戦日本人最上位の5位に入賞している。プロテストは昨年初受験。一次予選を2アンダー・23位タイで通過し、最終テストも第2Rまで3アンダー6位タイに付けていたが、第3R81の大たたきが響き、結局トータル9オーバー・73位タイに終わっている。流石に難関プロテストだが、クリアは遠くないだろう。
番組に話を戻すと、終盤に来て1打のミスとパットの綾が明暗を分けるのはいつものことで結局、サドンデスで相手のミスでの命拾いもあった橋添プロと、目立ったミスもなくパターもよく拾ってきた稲葉選手の決勝戦に。狙ったアプローチショットがピンに蹴られた橋添プロに対し、下り斜面10㍍の難しいフックラインをねじ込んで勝負強さを見せた稲葉選手に凱歌が上がった。