Ray | dowild<ドワイルド>blog

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遅ればせながら昨日「Ray/レイ」を借りてきて観た。

ゴスペルとR&Bの融合したブラック・ミュージック、いや、ジャンルを超えたソレは、あらゆる音楽に言葉では言い尽くせないほどの影響を与えてきた“盲目の天才”レイ・チャールズの人生を忠実に描いた伝記映画だ。

レイ本人は惜しくも2004年6月10日、この映画の完成を待たずして他界してしまった。

記憶にも新しい実在の人物を描いた物語というと、どうしても本人を演じる俳優の力量が気になってしまうものだ。

レイ・チャールズを演じたのは「コラテラル」「ドリームガールズ」「マイアミ・バイス」等の好演で演技力抜群のジェイミー・フォックス。

レイ同様に3歳でピアノを弾き始め、ピアノの奨学金で大学にも進んだほどの才能あるピアノマンだった。

監督のテイラー・ハックフォードは、彼を映画制作にとりかかかる前、すでにレイと引き合わせている。

初めて対面したレイとピアノの鍵盤を並べ、セッションを行ったフォックスは当然といっては当然だが、“天才”レイにはついていくコトが出来なかった。

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そんな彼にレイは「さぁ来い、そうした指の下にあるものじゃないか」と厳しく言い放ったという。

監督は起用をあきらめかけたが、何度も鍵盤に向かい続けたフォックスの姿勢に「この子は出来るじゃないか」と、レイ本人が彼の起用を決めたそう。

その後、点字の授業を受け、また毎日12時間、何週間も目隠しをし、フォックスはひたすら歩き回った。

単に真似るのではなく、精神的なモノまでも捉えるために…

その成果は映画を観れば一目瞭然、肩を大きく揺すりシャウトするレイ・チャールズのそんな仕草はもちろん、魂が乗り移ったかのような完璧な演技だった。

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幼い頃から音楽業界を人生のステージとし、表舞台では“ソウルの神様”と呼ばれ、観客を踊らせ、リスナーを感動させていたレイ・チャールズも、普段の生活ではトラウマに悩まされ、ドラッグや愛人に溺れていった…

フォックスは、閃光のように輝かしいレイの経歴とは別に、心に宿っていた闇の部分までも見つめ、あたかも本人が演じたかのようなリアルな空気を醸し出しながら見事に演じきっていた。

この映画には、間違いなくドワイルドなレイ・チャールズ本人が甦っている。

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